一応体育祭編に入りました!一応……
何話になるかは分かりませんが頑張ります!
UA60000突破しました!
読んでくださっているみなさんありがとうございます!
では19話ですどうぞ!
チャイムが鳴り教室がガヤガヤと騒がしくなる。
といってもいつも授業が終わればガヤガヤするわけだが今回はいつも以上にガヤガヤしている。
「ねぇねぇ、どっちだったー?」
「私赤だったよー!」
「えー、私白だったー!」
そんな声があちこちで上がる。
ここだけ聞いているとパンツの話かと思っちゃうよね。いや、思わねぇよ。
ちなみに黒のパンツってなんだかエロいと思います。
赤とか白とかはパンツの事ではなく体育祭の事だ。
我が総武高校はなぜかは知らないがクラスの中で赤組と白組の半分に分ける。どうやら毎年出席番号の偶数と奇数で分けるらしい。
そんな訳で俺は赤組になったのだが俺に何組になったかなんて聞いてくる奴がいるわけもなく、誰にも声をかけられることもなく教室を出る。
むしろ声をかけられるどころか存在を認識されてないまである。
やはり将来は専業主夫の副業として忍者か暗殺者をするべきだなと考えながらステルス全開で駐輪場まで行き自転車に乗る。
自転車を漕いでいるとなぜだか先輩の顔がちらついた。
先輩はどっちになったのだろう。
明日にでも聞いてみるか……
× × ×
「ねぇねぇ比企谷くん。比企谷くんはどっちの組だった〜?」
少し遅れてベストプレイスに来た先輩は俺の横に座るといきなりベッタリと張り付きながら聞いてきた。
ええい!近い近いいい匂い柔らかい近い柔らかい近い!
俺は少し仰け反りながらも答える。
「赤でした。先輩は?」
そう言うと先輩はつまらなさそうに白、と呟くとお弁当を広げ始め、ガツガツと食べ始める。
「はぁ〜、いいな〜美香は。比企谷くんと同じで……」
「いやいや、俺と同じでも面白くないですよ?」
「そりゃそうだけどさ〜」
そう答える先輩はまだ少しふてくされているのかオカズを箸の先でいじくりまわしている。
ていうか俺と同じでも面白くないの知ってるならなんで同じが良かったんですか!
そんなことないって言ってくれるのをほんの少し期待してたのに!ほんの少しね!
ていうか、三神先輩一緒なのか……
「はぁ……つまんない………」
いつまで拗ねてるんだこの人……
もう昼ごはんを食べ終えた俺は飲み物を買ってきます、と先輩に断りを入れて自動販売機に行く。
自動販売機まであと少しというところで俺に危ないとゴーストが囁く。
早くロジコマを呼ばないと!
「お、なんとか君だ!」
聞いたことあるような無いような声がする。
声のした方を見てみるとあの人がいた。
「うす、なんとか先輩」
「ちょっと?比企谷くん知ってて言ってるでしょ!三神だよ、みーかーみ!」
「先輩も俺の名前知ってるじゃないですか」
「あ、比企谷くんは何組だった?」
OH…完全スルーなのね……
八幡泣かないよ!えらい?
と、脳内でメイちゃんっぽく呟いたあとに質問に答える。
「赤ですよ。三神先輩もですよね?」
すると三神先輩ははっ、まさかっ!とその主張の少ない胸を隠すように腕を胸の前で交差させる。
「さては、ストーカーだな!」
「ちょっと、声でかすぎですよ。俺メチャクチャ見られてるじゃないですか!」
焦りの混じった声でそう言うと先輩はあはは、と笑いながら俺の背中をバンバンと叩く。
ちょっとまって、力強すぎ……
超痛いんですけど……
「あはは、ごめんごめん!香奈に聞いたんでしょ?あの子白組だったからなー……あ、あの子落ち込んでた?」
「いや、落ち込んでたと言うよりは拗ねてましたね」
ほほぅ、とニヤニヤしながら三神先輩は自動販売機の方に歩いて行くとお金を入れ、ポチッ、ポチッとボタンを2回押す。
出てきた缶を取り出すと俺の方に向き直る。
「いやぁ、いい情報を貰ったよ。あ、あとこれ最近香奈こればっかり飲んでるから比企谷くんもこれ好きなんでしょ?」
そう言って三神先輩は俺にマッカンを2本渡すとあ、やば、と言って走って行った。
なにがやばいのん?
今まであの人とろくに話したことがなかったため分からなかったが意外といい人なのかもしれない。
顔も美人だしスタイルもいい。
ただ…ただちょっと胸が……
すると突然ぞわっと寒気が走る。
もう寒くなってきたな、と自分の保身ために強く思い込み、俺は先輩が待っているベストプレイスに向かうべく歩き出した。
そして俺は聞き覚えのある音を耳にした。
何を隠そうチャイムである。
やべ、5限目始まっちゃった。テヘペロっ☆
てか、わかってたなら教えてくれよ三神先輩……
× × ×
次の日の昼休みに帰ってこなかったことと三神先輩に余計なことを言ったことをネチネチと怒られた俺は昼休みが全部潰れてしまった。
なんとか5、6限目を寝て過ごし空腹を紛わせ、やっとの事で下校の時刻となる。
八幡お腹空いたなう。
そんなリア充(笑)のようなつぶやきを脳内でしながらマッカンでも買って帰るか、と自動販売機の方へと向かう。
無事に俺の心をMAXにしてくれるMAXコーヒーを買うと駐輪場へと足を運ぶ。
下校の時刻からは結構時間が経っており、生徒の影すら見かけない。
空もどんよりと雲が厚くなってきて今にも雨が降りそうである。
もうすぐ俺の自転車があるであろう場所につくのだが俺の自転車の近くに誰かが立っている。
一瞬先輩かと思ったがどうやら男子生徒のようだ。
しかもどうやら3年生のようだ。
いかにもリア充(笑)といった感じで背も高い。
ま、誰かを待っているのだろうと何も考えず自転車のところに行くと目が合う。
なにも気にしないで自転車のカギを開けているとおい、と声をかけられた。
一瞬他の誰かに言ったのかと思ったがここには俺しかいない。
顔を上げると先程目が合った3年生が俺を見下ろしていた。
「おい」
「なんですか」
「お前、香奈につきまとってるらしいじゃないか」
香奈って誰だ?と一瞬考えて鹿波先輩の下の名前が確かそんな名前だったと思い出す。
「いや、付きまとってないですけど」
すると3年生は少しイラっときたのだろうか、少し眉をひそめる。
「まぁ、別にそれならそれでいいんだけどよ、香奈が優しいからってあんまり調子に乗んなよ?」
「別に乗ってないですけど」
その言葉を言った後にしまった、と思う。
俺は胸ぐらを掴まれたと思ったその瞬間、目の前には地面が広がっていた。
遅れて頬がズキズキと痛み出す。
どうやら口の中を切ったらしく血の味もする。
目の前に人の足が近ずいてくる。
見上げると先程の3年生だった。
「2度と香奈に近づくな」
そう吐き捨てると踵を返し歩いて行く。
俺には何もできなかった。
呆然としているとポツリポツリと雨が降り始める。
意識がはっきりしてきた俺はゆっくりと立ち上がると自転車に跨り漕ぎ始める。
しばらく雨に当たりながら自転車を漕いでいると意識が鮮明になってきた。
そうしてはじめて理解した。
俺は先輩に知らず知らずのうちに甘えていたのだと。
俺は先輩に釣り合ってなどいない。
片や可愛くて人気もある女子生徒。
片やボッチで存在すら認識されているかもわからない男子生徒。
身の丈に合わないことをしているからこうなるのだ。
きっとこの先も先輩のそばにいたら迷惑をかけるのだろう、いや、もしかしたら今までたくさんかけてきていたのかもしれない。
だから…
だから俺は……
× × ×
次の日いつものようにベストプレイスに行くと先輩が待っていた。
「やぁ、比企谷くん!」
そう言うとここにおいで〜、と自分の横をポンポンと叩く。
そこには座らずにいるとどしたの?と先輩が不思議そうにこっちを見上げる。
「……先輩」
ゴクリと唾を飲み込むのがわかる。
昨日の夜散々考えた、考え通したのにこの答えしか出てこなかった。
俺にはカードを選ぶことなんてできない。
だって俺には
1枚しかないのだから。
「……先輩とはもう会いたくないです。俺のことなんか放っておいてください」
俺にはこれしかない
いかがだったでしょうか?
だいぶ悩み悩み書きました(。-_-。)
おもしろくなかったらすみません(>_<)
あまり書いていて楽しくはないのですが書かなくてはいけない話だと思っています
続きも頑張ります!
応援してくだされば嬉しいです!
さてさていつものようにご感想や評価、誤字脱字やご指摘等お待ちしております!
読んでいただきありがとうございました(。-_-。)
追記
次の話を鹿波先輩か三神先輩目線で書こうと思っているのですがもしどちらがいいなどございましたら活動報告あたりにかいてもらえると嬉しいです(。-_-。)