ボクとネトゲと黒歴史   作:ChiRu708

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はじめに

MMOPRGの魅力とは何か?

 

それは言うまでもなく、画面の向こう側にいる出会ったこともない、

見ず知らずのプレイヤーと同じ世界や時間を共有しながら、

自分自身がその世界の一部として存在することが出来ることに尽きる。

そして、その世界で多くの仲間と協力しながら、共に冒険することに楽しさがある。

そんな風に感じたプレイヤーが多かったのではないだろうか。

 

しかし、そんな人気ジャンルとして一世を風靡してきたMMORPGは現在、

衰退の一歩を辿りつつある。

 

その原因には多くの理由がある。

 

そもそもコンシューマーゲームにおけるRPGというジャンルの寿命は、

どんなに頑張ってもせいぜい一年程度である。

大作と呼ばれる作品でもクリアしてから多少のやり込みで何周かしてしまえば、

プレイしなくなってしまうのが当たり前である。

 

だが、MMORPGは終わりがない永遠に続く世界。

レベルがカンストしてもゲーム内で最強と呼ばれるボスを倒しても、

入手難易度が高いレアアイテムを手に入れても、決して終わることはない。

そんな同じことを繰り返し、変化のないルーチンワークのような日々を過ごしていけば、

次第に飽きもやってくる。

それでも最後の砦である仲間との絆があれば、続ける理由、ログインする理由にもなるだろう。

 

しかし、そんな絆もちょっとした口論や意見の対立が起これば簡単にひびが入り、崩れ去る。

いくらリアルの世界では人格者であっても、

地位や名誉がある人間が説得力のある当たり前の正論を振りかざしても、

この世界にはそれがまるで通用しない。

誰にも縛られることのないバーチャルな世界において、

多くのプレイヤーは自身が持っているそれぞれの自己主張を決して曲げることがないからだ。

 

すると思う。ゲームを楽しんでるはずなのに何故そんな面倒な人間関係に苦労しなければいけないのか、

MMORPGの経験者なら誰しもそう思ったことだろう。

そんなゲーム自体の面白さよりも煩わしい人間関係に嫌気がさして

辞めていったプレイヤーも数多くいる。

 

もちろん、これ以外にも理由がある。

運営会社のお粗末なサービス、ずさんなセキュリティ管理によるアカウントハックの被害や、

チートやBOTの蔓延。

はたまたMMORPGを否定するような場当たり的なインスタントダンジョン設置や

中身のないクエストなどのゲームシステムの設計。

一部のキャラクターや職業だけを優遇した仕様変更。

そうして繰り返される上方修正や下方修正によるゲームバランスの崩壊など。

 

例を挙げればキリがないが、

MMORPGを提供する開発側や運営側が衰退の一助になったことも事実である。

 

そして現在、ネットゲーム市場において人気を誇っているが

時間の取られないカジュアルゲームや、FPSなどの対戦型マルチプレイゲームなどである。

これらはこれまでのMMORPGで失敗や反省点を活かし、

新しい要素のゲームシステムに組み込むことにより、

遠ざかっていたネットゲームユーザーを虜にしたと言えよう。

 

そんな批判ばかりを取り上げたMMORPGではあるが、

主人公(筆者)はMMORPGの黎明期と言われる時代を生き、

二十代の成熟した青春時代のほとんどを費やしてきた。

 

その世界で数多くの出会いや別れと共に人間の持つ様々な感情に触れ、

良くも悪くもMMORPGで得た経験によって、

今の自分の人生観や人間関係を作り上げてきたのは否定することはできない。

 

この物語は、そんなMMORPGというジャンルのネットゲームにはまった、

いちプレイヤーの黒歴史を綴ったものである。

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