体験版というよりも試作版というのが正しいであろうα版が終わり、
β1のサービスが開始された。
早速、新しいROの世界に飛び込むべく
まずは最初の関門であるキャラクターメイキングの作業に取り掛かった。
ちなみにα版からβ版ではデータの引継ぎがない。
よって全プレイヤーは一からキャラクターを作り直す必要がある。
そのため、このキャラメイクに悩まされたプレイヤーも多くいたのではないだろうか。
その点、自分は最初からコンセプトを決めていたので
大して悩むこともなくさくさくとこの分身であるキャラクターを組み立てていった。
─まずはじめに名前である。
元々、RPGの主人公につける名前は毎回、"ちるちる"という飼猫の名前を使用している。
特に理由はないが、しいてあげれば四文字なので昔から文字数制限のあるRPGにも対応できて
変に悩むことがなく、何よりも語感が気に入っていたからだ。
─次に見た目である。
β版ではα版同様にキャラクターメイクによって変更できるのは髪型だけである。
それぞれの髪型には固有の色が決められているため、選択肢の幅が少ないのが残念である。
元々、髪型には大してこだわりがなく、どれでも良かったのだが、
せっかくなんで茶トラの猫である"ちるちる"に合わせて栗色の髪型を選択した。
─最後にステータスである。
ROのキャラクターには六つのステータスがある。(それぞれ上限値は99)
STR・・・ダメージに影響を与えるステータス。ATK(攻撃力)に影響する。
AGI・・・敵の攻撃を回避するステータスFLEE(回避率)に影響する。
VIT・・・HPやDEF(防御力)に影響をする。
INT・・・SPやMATK(魔法攻撃力)、MDEF(魔法防御力)に影響する。
DEX・・・HIT(命中率)や敵に与えるダメージの振れ幅や弓の攻撃力に影響する。
LUK・・・CRI(クリティカル)に影響するステータス
初期設定では各ステータスは全て"5"に設定されている。
そしてキャラクターメイク時にはそれぞれステータスを可変することで
自由に変更することができる。
ただし、STRとINT、AGIとLUK VITとDEXが対になっており、
STRを9にするとINTは1しか設定できず、
STRを8にするとINTは2といった具合に
対になったステータスが連動した仕組みになっている。
そのため、ここでステータス設定をどうするかが
ROのキャラメイクにおける最も重要なポイントであり、慎重に選択しなければならない。
その理由はα版とβ版の大きな違いでもある職業に応じたスキルが実装された点である。
職業はどのプレイヤーも"ノービス(初心者)"と呼ばれる初期の職業からスタートする。
そしてノービスのジョブレベルを10まで上げきることで、
様々なスキルを使うことができる職業に転職することができる。
転職可能な職業は全部で六つある。
ソードマン(剣士)
シーフ(盗賊)
アコライト(聖職者)
マジシャン(魔法使い)
アーチャー(弓師)
マーチャント(商人)
各職業が持つスキルや性能は当然のことながらステータスに影響する。
例えばSTRばかり上げてINTが1のままの魔法スキルを使ってもまるでダメージが出ない。
魔法が使える職業したのにその特性をまるで活かしきれなければ
せっかく振ったステータスも無駄になってしまう。
そのため、何の職業を目指すのかをあらかじめ決めたうえで
この初期ステータスの配分をどうするかを決める必要がある。
ステータスは振りなおしが効かない仕様であるため、
ここで間違えると後々後悔することになってしまうからだ。
なお、圧倒的に人気だったのがアコライトだ。
もちろん、見た目の可愛らしさを理由に選んでいる人が多いのは当然だが、
PTプレイでは回復スキルやステータスを強化するバフスキルが活躍し、
またソロプレイでは自身を強化することで"聖職者"でありながら
近接戦闘にも対応可能な万能型の職業であり、多くの人が使用していた。
もっとも、プレイヤー(中の人)の性別如何に関わらず、
この職業は特に女キャラクターが多かったのは言うまでもない。
かくいう自分は既に職業は決めていた。
α版時代は職業による差もないため、
単純に剣士というオーソドックスな職業を選んでいたが、
この新しいβ1では職業を変えることにした。
その職業とは…シーフ(盗賊)である。
そしてその理由は"ちるちる"に起因する。
"ちるちる"は雄猫で、サカリの時期になると狂ったように鳴き出す。
外には出さないように室内で飼っているが、
窓を器用に開けて脱走しては牝猫のケツを追っかけまわすナンパ野郎だ。
そんなナンパ猫の名前を付けるのだから、
それにあった職業を選択するのがいいのではないかと考えていた。
「猫のように素早い動き」
「手癖の悪いナンパ野郎」
このイメージから導き出されたのがこのシーフという職業であった。
職業さえ決まってしまえばステータスはそこまで苦労しない。
シーフであれば回避性能を活かした近接の物理攻撃職であるため、
その特性に合わせSTRを"9"、AGIを"9"、DEXを"9"に設定した。
これによりその他のステータスは"1"に設定された。
こうしてキャラクターメイクが終わると作成されたキャラクターは
ルーンミッドガッツ大陸の主要都市である
ゲフェン、プロンテラ、フェイヨン、モロクのいずれかに転送される。
どこの生まれになるのかは神のみぞ知るが、
どの都市に生まれてもそこまでデメリットはない。
しいてあげれば首都であるプロンテラ生まれの方が
プレイヤーも多くいるため何かと行動しやすいのではないだろうか。
そして長い暗転の末、
ついにChiRuChiRu(ちるちる)というキャラクターは
魔法都市と呼ばれるゲフェンに降り立った。
彼の長い長い、本当に長い冒険の旅はこれから始まりを告げるのであった。