地下へ向かう階段を進むといつもと同じように広大な暗闇の空の下に
失われた街ゲフェニアの廃墟が立ち並ぶ。
ここに住まう
猛り狂った雄叫びと銀色の蹄を打ち鳴らしながら、獲物を探し彷徨っている。
そんな凶悪なモンスターが数多く出現するこのエリアの南にある廃墟において
季節外れのサンタ帽子を被った栗毛のシーフが一人、鼻歌交じりに戦闘を繰り広げていた。
相手はソルジャースケルトン。
両手に武器を持ち、身体を
奇妙な骨音をカタカタと鳴らしリズミカルに攻撃を仕掛けてくる。
モンスターとしては大した強さではないが、群れをなしており、
もし横からナイトメアが湧くようなら大ピンチである。
そんな一抹の不安が
「ヒィィィィィン!」
呼び込まれたように
複数体に囲まれると回避性能が落ちる仕様になってから
"横沸き=追加の敵の出現"は全く歓迎されない厄介な事象である。
が、その栗毛のシーフは襲い掛かってきたナイトメアには目もくれず、
涼しい顔をしながら手に握った青い宝石の埋め込まれた短剣を
目の前にいる
青白い金属の輝きが廃墟周辺に広がる晶石にギラリと反射すると、
一筋淡い残光を引きずって幾重にも重なるように立て続けに剣線が描かれた。
すると、目にも留まらぬスピード共に小気味よい音が響き出し、
与えたダメージを意味する白い数字が綺麗に並ぶ。
何度も打ち込まれた攻撃に耐え切れず、ヒトの骨格を成していたその姿は
崩れるようにバラバラになった。
瞬く間に一体目を骨粉に変えると次のモンスターに標準を合わせ、攻撃を仕掛ける。
見向きもされない
振りかざす攻撃は右から左へと受け流されていた。
今度は手に持っていた短剣を軽やかに懐にしまい、背負っていた弓と矢を取り出した。
まるで本職の
鋼鉄製の
──次の瞬間。
放たれた矢がナイトメアの体躯の中央に命中すると、嗚咽のような叫び声をあがる。
続けて二射、三射を鮮やかに敵の急所に容赦なく命中させると、
たまらずナイトメアも仕返しとばかりに憤怒の反撃を繰り出す。
しかし、頭上に振り下ろされた鎌は空をを切り、風切り音だけが虚しく鳴り響いた。
その後も一方的な攻撃は続き、最後に放たれた矢が勢いよく頭部を打ち抜くと、
半獣部分の前足を高々と上げてバタバタともがき、断末魔と共に消え落ちた。
すると、辺りが静まり返り、廃墟の周辺からモンスターの気配が消えた。
そして、その栗毛のシーフは何事もなかったように再び鼻歌を始めると
廃墟の街並みを楽しむように歩き出した。
***
──手に握り締めた
──背中に背負った
ここまでの答えを出すのにどれだけの苦難の道を歩んできたのだろうか。
多くのプレイヤーの影響を受け、助けられ、導いてもらった。
きっと一人では出せなかった答えを今こうして実感できていることに喜びを感じていた。
そして偉大な師から受け継いだ志を握り締め、
さらなる高みへ上る決意を抱き、今日も剣を振り、弓を引く。