「RR」初投稿作品

僕は幻覚が見えるようになってしまったのだろうか…?

願うのは
“生きたい”
ただ、それだけ…

一つの小さな部屋で出会う彼女との一週間の話です。

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はじめまして、れいびです。
今回が初めての投稿となるのですが、記念すべき第1作目を何をテーマに書こうかと悩みました。
悩んだ末、辿りついた結果が「生きる」という事です。
重く考えてしまいがちな、生きるというテーマを、どれだけストーリー性のあるものにできるのだろうと試行錯誤したら、この「room~彼女と過ごした一週間~」が完成しました。
道徳的な書き方をせずに、今を生きる大切さを書きました。
最後まで読んで頂けると嬉しいです。


room~彼女と過ごした一週間~

〈1日目〉

新たな一歩を僕は踏み出した…

 

「ここが新しい家なんだ」

何もない部屋で独り言を呟いて、溜め息をついた。

外はいつの間にか日が傾いていた。

「もうそろそろ寝たら?」

母がダンボールの箱を開けながら言った。

僕は頷き、新しい自分の部屋に向かった。

生まれ変わったと思うくらい新鮮な気持ちだった。

もしかしたら生まれ変わったのかも知れない、そう思う程だった。

フワフワした気持ちのまま布団に潜って、すぐに眠った。

 

目を開けると夢の中だった。

「夢の中にいるのかなぁ…」

夢の中でも独り言を呟き、溜め息をついた。

真っ白な世界を見回した。

すると、僕の後ろに一人の女性が立っていた。

女性といっても、僕の歳に近いように見えた。

「はじめまして、聖さん」

彼女は優しく微笑んで、静かな声で言った。

なぜ僕の名前を知っているのだろう…

いや、思い出すんだ、ここは夢の中だ。

何でも有りな世界だろう、どんな事も可能だろう。

「はじめまして」

少し緊張した声で、僕は微笑みを返した。

「お名前は…」

体温が急に上がったのが分かった。

「私は…」

目を開けると新しい部屋の中だった。

目が覚めてしまった。

少しの悔しさが芽生えたが、気にしなかった。

気にしないように頑張った。

忘れれば良い、そう思っていた。

 

〈2日目〉

新しい中学校にたどり着いた。

恐る恐る扉を開け、学校の中を進んでいった。

やっとの思いで着いた職員室は賑やかだった。

「すいません…転校してきた藤田聖です」

名前を言うだけで、たくさんの勇気を使った気がした。

「あなたがそうですね、こちらへどうぞ」

丁寧な挨拶で迎えてくれたのは担任だった。

新しい教室への一歩は大きな一歩だった。

「はぁ、緊張するなぁ…」

と、ため息と独り言を呟いた。

ガラガラとドアが開き、初めて見る顔がたくさんあった。

自分の心臓の音がはっきりと感じられたけど、楽しそうな教室だったので少し安心できた。

自己紹介があっという間に過ぎ、長くて短い授業が終わった。

たくさんの体力を使った一日だった。

夜、布団に潜ると死んだように眠った。

次に目を開けたのは夢の中だった。

昨日と同じ夢だった。

今度こそはと名前を聞いた。

「私は…」

夢から覚めないように祈って、両手を合わせた。

「山本里珠です」

大きな喜びが生まれた

本当に嬉しかった。もっとこの時間が続いて欲しかったけれど、いつの間にか目が覚めていた。

「この夢を毎日見れたらいいのに…この時間がずっと続けばいいのに…」

溜め息と独り言が小さな部屋で響いた。

 

〈3日目〉

土曜日だったから、できる限り眠った。

一緒の時間を過ごしたい人がいた。

一度目の睡眠は、夢を見なかった。とても悔しかった。

二度目の睡眠は、たった6分で起きてしまった。もちろん、夢を見なかった。

三度目の睡眠は、眠れなかった。

三度寝をすることは出来そうになかった。

何にも考えずに天井を眺めていた。思考回路が「オフ」になっていた。

「聖さん、私です…」

どこからか声が聞こえた。聞き覚えのある小さめで優しい声だった。何がなんだか分からなかった。

幻聴が聞こえるようになってしまったのか…?

それでも、体を起こして音の発信源の方に目を向けた。

そこには…

幻覚も見えるようになってしまったのか、それとも、また夢の中にいるのか、僕の部屋に里珠がいた。

でも、間違いじゃない。間違いなんかじゃない。

確かに僕の目の前には「山本里珠」がいた。

「お会いできて嬉しいです、あと4日間と短い間ですがよろしくお願いします」

と、丁寧な挨拶をしてくれた。

せっかく現実の世界で会えたんだから、聞きたいことを聞いた。

「まず、なんて呼べば…」

何故か緊張していて、カタコトの日本語のうえ最後の方に力が入らない。

「里珠って呼んでください。じゃあ、私からの質問いいですか?」

少しドキッとした。何を聞かれるか分からなかった。

里珠はいつもの優しい口調で「敬語じゃなくていいですか?」

そんな事かと安心した僕は「全然良いよ、僕もタメ口でいくよ」

こんなに短い会話でも、緊張感が無くなっていた。

「なんか、懐かしいですね…」

里珠はそう言って微笑んだ。「懐かしい」の意味はわからないけど

「そうだね」

と、言っておいた。

里珠がまだ敬語を使っているのは気にしないでおく…

「もうそろそろ時間です。また明日会いましょう」

時間?あぁ、そうか…制限時間があるのか…

「また明日…」

すると、里珠は泡のように消えていった。

また、明日会えるんだよね…

 

〈4日目〉

僕はソワソワしていた。本当に里珠に会えるのか、それよりも里珠とは誰なのか?

幽霊?妖精?幻覚?でも、人間ではないのは確かだ。

考えていたら、僕の名前を呼ぶ声がした。

いつもの小さくて優しい里珠の声だった。

「今日は、聖に話したいことがあるの…」

話したいこととは何か?それと、急にタメ口になった。同時にびっくりした。

「話したいことって?」

「驚くと思うけど…」

怖くなってきた。昨日よりも何を言われるかわからない。

また、そんな事かと安心したい…

里珠はゆっくりと話し始めた。

「私達は前まで友達だったの。仲が良くて一緒に帰ったりもしていた。ある日、いつも通り一緒に帰っていたら聖が私に告白したの…その後、お互いに何も喋れずに結局別れ道に着いた。急に告白されて驚いていた私は、ぼーっとして歩いていたら、そこに軽トラックが来て…轢かれた…絶対に死んでいた。聖が助けてくれなかったら…守ってくれてありがとう。私は、今、意識不明の重体。聖は記憶喪失。それぞれ違う病院に運ばれていった。聖はどうして転校したのか親は教えてくれなかったと思うけど、全ては病院に入るため…今、私が話した事が全て。つまり、私は生霊って事…」

僕は、頭がゴチャゴチャで真っ白になった。

「ごめん、今日はここで…」そう言って、里珠は消えた。

 

〈5日目〉

学校から帰ってきたが、落ち着かない。

里珠に会いたい。前とは違う意味の「会いたい」だった。

もっと話を聞きたい。もっと昔の事を知りたい。

結局、里珠が現れたのは夜のことだった。

「聖…助けて…!」が第一声だった。

「私、死にたくない…」

とにかく心配になった。どうしたのか気になった。

「ど、どうした!?」声が震えていた。

「あさっての午後6時までに、私の病院に来て…病院は東光大高等病院…」

あまりに有名な病院なのですぐに分かった。

でも、あまりに距離が遠い…

車だと13時間、電車でも8時間はかかる。

とにかく焦った。気が付くと僕は夜の薄暗い道を走っていた。

部屋に里珠をおいてきてしまったけど、僕は分かったんだ…

“あれは、里珠じゃないって事を”

涙で前が見づらかったけど、無事に駅に到着した。

「東光大へ行きたいんです。できるだけ早く…!」

駅員は驚いていた。まぁ、当たり前のことだけど…

急いで調べてくれたけど、空きはないらしい…

「ありがとうございます…」

それだけ言って、僕は駅を出た。

 

〈6日目〉

公園で涙が枯れるほど泣いた。

こんな僕でも一つの命を救うことができるのに…

家に帰ったのは午前1時だった。

夜中に家を飛び出したから、散々、父さんに怒られたけど何を言っていたのかは全く覚えていない。

怒られた後、里珠に会いたい事を伝えた。

父さんは「思い出したのか!?」と言うだけで、連れて行くことはできないと言った。

そりゃそうだ。車で片道13時間の道を行くのに体がもつ訳がない。

僕は、殆ど諦め後悔だけが残った。

「里珠、ごめん」と独り言を呟き、溜め息をついた。

部屋に戻ると、里珠が泣いていた。

僕は不意に彼女を抱きしめた。

当然だけど、触れないし、温もりも感じない。

守らなきゃいけない人を守れない事に、自分が何も出来ない事に腹が立った。

いつの間にか腕の中には誰もいなかった。

気が付くと夢を見ていた。

夢の中の僕は溜め息をつき、こんな独り言を呟いていた。

「そういえば最近虹を見ていない それよりも最近空を見ていない」

どうしてこんな時に、こんな夢を見ているんだろう…

よりによって里珠も出てこない。

全てが終わった気がした。夢の中の僕は走り出していた。

とにかく必死で、前しか見ていなかった。

なんでこんなに走っているんだろう? 何のために?

全てが終わったと諦めたはずなのに…何もかも分からなかった。

急に大きく前へとジャンプした。

その時、僕は、僕の腕は何かを抱きしめた。

夢の中なのに、明らかに感触があり、温かかった。

新たな一歩を僕は踏み出した…

「絶対に守るから」

独り言ではなかった。

確かに僕の腕の中にはいたんだ。

幽霊でも、妖精でも、幻覚でもなく「人間」が…

僕は、本当に夢なのか気になった。

温かかくて、懐かしくて、切なくて、寂しくて、愛しくて、優しかった。

ジャンプした一瞬のはずなのに、とても長く感じた。

そうか…これは夢でも現実でもないんだ…

思い出しているんだ、あの日の事を…!

僕は目を開けた。

何故か疲れていて溜め息が出た。

「絶対に守るから」と独り言を呟き、外へ出た。

空は太陽が昇り始め、足元を照らしてくれた。

タクシー乗り場には、1台の個人タクシーがあった。

運転手は驚いた顔をしていた。

朝の4時に中学生が1人で乗り込んだのだから、そんな反応は当たり前だろう。

「東光大高等病院に行きたいんです。このタクシーが行ける区域までいいので、できる限り近くまでお願いします」

そう言うと、運転手は何かを察したように運転を始めた。

車が動き出すのと同時に、料金機が止められた。

僕は戸惑った。

心の声に答えるように運転手は「お見舞いですか?サービスしますよ」とだけ言って僕を運んだ。

そのまま、タクシーには6時間乗っていた。

無料でここまで乗せてくれて「感謝」しか言葉が出てこない。

6時間も座っていたから、体が固まっていて少し動かすだけで異常な程、骨がポキポキと音を立てた。

半分くらいまで来た安心からか眠気が襲ってきた。

そりゃそうだろう。中学生が24時間以上起きていれば眠たくなるに決まっている。

タクシーの中で寝ておけば良かったと後悔した。

睡魔の限界に達した僕は近くの公園を探し、ベンチで眠ることにした。

公園に着くと、時計は午前11時に針を指していた。

暖かくて日向ぼっこをしているような感覚だった。

陽だまりの中で眠った僕は、夢を見た。

里珠が苦しそうにしている。

呼吸が荒く、たくさんの涙を流している。

そんな姿の里珠に声をかけられなかった。

勇気がなかったんだ…今、声をかけたら僕まで駄目になってしまいそうで…

目を開けると、時計は午後5時に針を指していた。

取り敢えず、駅で東光大へ行く電車の空きを探した。

運良く明日の朝の6時からの切符を取れた。

これで里珠を救える…嬉しくて泣いてしまった。

切符を取れただけで泣いてしまったから駅員には心配させてしまったと思ったけど、正直、どうでも良かった。

そして、一晩は昼間に寝た公園で越すことにした。

親に心配させていると思って公衆電話で電話をかけた。

この前、夜に家を出た時よりも怒られたけど、僕を信じてくれるということで東光大へ行くことを許してくれた。

夜はどこに泊まるのか聞かれたけど、公園で夜を越すことは言いたくなかった。

その時、運良く10円が切れた。

スーパーで貰ってきたダンボールを体に巻くと想像以上に温かかくて快適だった。

公園の角で誰にも気付かれないように、静かに眠った。

 

〈7日目〉

夜中に目が覚めた。

さっきまで暖かかったはずだったのに、急に気温が下がり寒気がしてきた。

鳥肌が立ち、震えているのが分かった。

どうにかしてこの夜を越えようと思い、必死で眠ろうとした。

無事に眠れ、目が覚めたのは午前4時だった。

一度伸びをした後、くしゃみが出た。

寒気を感じつつも、見慣れない街を探検気取りで歩いた。

「少し風邪をひいちゃったかな」独り言を呟いて、溜め息をついた。

溜め息のつもりが、いつの間にか咳に変わっていた。

コンビニでティッシュを買って鼻をかんだ。

これで電車の中でも大丈夫だろう…

適当に時間を潰し、何も問題なく電車に乗った。

電車に揺られている中、財布しか持ってきてなかったから暇だった。

外の景色を見ようとしても、高層ビルに遮られてしまって面白くなかった。

眠たくもなかったけれど、寝る以外やる事がなかった。

無理矢理に目をつぶって、何も考えないようにした。

けれど、考えてしまった。

里珠は本当に助かるのだろうか?

里珠は生きて本当に幸せなのだろうか?

正直、死んだほうが楽だろう…

どうして、今更こんな変なことを考えているんだろう?

「助けて」と願っているのは、里珠だ。

僕だって「会いたい」と願っている。

前まで、1つの大切な命を救えると嬉しかったのに…

考えていたらいつの間にか眠っていた。

やっぱり今回も夢を見た。

隣には里珠がいた。

会って早々、「私、早く聖と会いたい」と言ってきた。

僕はいつもネガティブに考えがちだ。

前を向かないと…前を向かないと…

里珠を助けないと…

目が覚めると丁度、東光大だった。

駅から病院までは歩いても間に合う距離だけど、衝動的に走り出していた。

あの時と同じだ。

里珠を守るために、走り出したんだ。

人混みを掻き分けながら、病院を指す矢印の標識を頼りに、里珠に会いに行った。

僕の走っていた途中で足は止まった。

頭が熱くて、痛くて、めまいがする。

風邪がひどくなってしまったみたいだ。

でも、助けないといけない義務が僕にはあり、無理矢理足を動かした。

嘔吐感が僕を襲い、めまいで視界が悪くなり足がふらつく。

このままじゃ病院にたどり着けない…

寒気がして、鳥肌がたっている。

限界を感じた瞬間、僕の横に1台の個人タクシーが止まった。

誰か降りてきたけど、視界が悪いので顔が分からない。

「乗ってください、東光大高等病院ですよね?車の中でゆっくりと休んでいてください」

そう言った運転手は僕の腕を自分の肩にまわし、席に乗せてくれた。

一瞬で眠った僕は夢を見なかった。

もしかしたらその瞬間僕は気絶していたのかもしれない…

でも、タクシーに乗せてくれたおかげで病院に着いた時には体調も良くなり、予定よりも早く着く事ができた。

視界が良くなった僕は運転手にお礼を言うために助手席に回り込むと、無意識に「あっ…」と言うだけで、お礼の言葉を言えなかった。

なぜなら、その運転手は無料で6時間も僕を運んでくれたあの人だったからだ。

僕は優しくしてくれた運転手に溢れるほどの感謝の気持ちが込み上げ、泣いてしまった。

止まらなかった…

僕なんかのためにここまで…

運転手は「一緒にお見舞いさせていただいてもよろしいでしょうか?」と言った。

僕はなぜお見舞いしたいのか気になったけれど、こんなに優しくしてくれたのに駄目と言えるはずが無かった。

風邪と涙のせいでなってしまった鼻声で「いいですよ」と言った。

病室をノックすると、「どうぞ」と里珠に似た優しく小さな声が聞こえた。

多分、里珠の母さんだろう。

「失礼します」とドアを開けると、里珠の母と眠っている里珠がいた。

里珠の母は目を丸くして、そのまま表情を変えなかった。

僕は礼をしたのと同時に運転手も頭を下げた。

僕は「お久しぶりです。里珠の友達の聖です。お見舞いに来ました」と挨拶すると、続けて運転手が「この度は大切なお子様をこの様な目に遭わせてしまい誠に申し訳ございませんでした」ともう一度深く頭を下げた。

僕は訳が分からず「どういうことですか?」と言ってしまった。

運転手は「里珠さんと聖さんをトラックで轢いたのは自分です。本日はその事を謝りに参りました」

頭がおかしくなりそうだった。

また熱が出たのかと思うくらい頭が熱くなっていた。

里珠の母さんは泣き出してしまった。

「あなたがいなかったら、里珠も聖君もこんな事にならなかったのに…」

運転手は何も答える事ができず、俯いているだけだった。

僕は決心して言った

「この方は、タクシーで僕をここまで乗せてくれました。本当に優しい人で、僕が倒れそうな時にも助けてくれました。なので、悪く言わないでください…もちろん、僕も里珠もこんな目に遭わなかったら、もっと一緒の時間を過ごせたし、転校なんてしなくても良かったし、楽しい事ももっとあったと思います。でも、離れ離れになったおかげで僕の部屋は、僕一人じゃなかったんです。里珠がいてくれたんです。あんなに小さな部屋で、彼女と過ごす事ができたんです。1週間、夢の中に出てきたり、僕の部屋で話したりしたんです。生霊となって出てきてくれたんです。ずっと一緒にいたのなら、一緒にいられるという幸せを知る事ができなかったと思います」

溜め息をつきながら、眠ったままの里珠の手を握った。

僕の手よりも温かかった。

「迎えに来たよ」

里珠に言ったのかもしれない、いつもの独り言だったのかもしれない。

さっきよりも強く里珠の手を握った。

部屋は静まり返っていた。

時計の音が1秒ごとに鳴っているのがしっかりと聞こえる。

 

「ありがとう、ただいま…」

 

彼女の優しい声が聞こえた。

里珠の母は嬉しさのあまり顔を塞いで泣き出し、運転手は慌ててナースコールを押し、僕は里珠を強く抱きしめた。

少し笑いながら「痛いよ」言われちゃったけど、離さなかった。

「聖、助けてくれてありがとう…守ってくれてありがとう…返事、遅くなっちゃったけど私も聖の事が好き…」

里珠の言葉が信じられなかった。

完全に振られてしまったものだと思っていた。

いや、あの時は振られていたんだ。

今回の事故があって、僕と里珠の距離が近くなったから、里珠の気持ちが変わったんだ。

“彼女と過ごした一週間”は僕にとっても里珠にとっても大切な時間となった。

 

その後、里珠は2週間病院で過ごし、退院した。

運転手は、個人タクシーの運転手として仕事を続けているらしい。

僕は家に帰って、親にこれまでの出来事を全て話した。

里珠とは違う中学校のままだけど、高校は同じところへ行こうと約束した。

だから、卒業するまでは会えない日の方が長いけれど、里珠が生霊となって僕の部屋に来る事は無いけれど、また会える日までお互いに自分の道を信じ続ける。

僕は僕の小さな部屋に寝転び、溜め息をつき、「幸せです」と独り言を呟いた。




最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
嬉しい限りです。
生きたくても生きれなかった人がいるというのに、死にたくて死ねない人がいるというのが、どうも悔しいこの世界で、どれだけの人がもっと前を向こうと思ってくれるのかは未知数ですが、その未知数の中の1人や2人を救えるとするなら幸いです。
僕の好きな歌手のBUMP OF CHICKENのレムという歌で「生まれたことを恨むなら ちゃんと生きてからにしろ」という歌詞があります。
その歌詞を柱にしながら、この物語を書きました。
また今度、投稿した際に読んで頂けるとれいびはとても喜びます。
次回は、もう少し重くないテーマで書きたいなと思いますw
それでは、次回の作品でお会いできるときを楽しみにしています。

れいび

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