問題児たちと影を制する者が異世界から来るそうですよ?   作:バステ

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すごく、嬉しいです。
ここから少しずつ原作とは違う展開になっていく予定です。


2新たな世界『箱庭』

「ジン坊っちゃ―ん!新しい方を連れてきましたよ―!」

 

黒ウサギが元気一杯に手を振りながら一人の少年に近づく。

 

見た感じまだ子供。

 

少しダボダボなローブを着ている。

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの三人が?」

 

「はい、こちらの御四人様が――」

 

ジンの言葉に固まる黒ウサギ。

 

そして、ゆっくりと俺たちの方を振り返る。

 

「……え、あれ?もう一人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、全身から“俺問題児!”ってオーラを放っている殿方が」

 

「ああ、十六夜君のこと?彼なら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って駆け出して行ったわ」

 

飛鳥の言葉に黒ウサギがウサ耳を逆立てる。

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「『止めてくれるなよ』と言われたからだ」

 

「なら、どうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「『黒ウサギには言うなよ』と言われたから」

 

「嘘です!絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御三人さん!」

 

「「「うん」」」

 

黒ウサギは前のめりに倒れる。

 

ジンはというと顔面蒼白になって叫ぶ。

 

「大変です!世界の果てにはギフトゲームのために野放しになっている幻獣が!」

 

「幻獣?」

 

「なんだと!幻獣がいるなら先に言ってくれよ!!

そんじゃあ、俺も行」

 

「かせますか!!お馬鹿様!!」

 

「グハァ!」

 

十六夜の後を追いかけようとしたら後頭部が強い衝撃に襲われて振り返るとそこには髪を紅くしてハリセンを持っている黒ウサギ?が立っていた。

 

「亜八戸さんは皆さんにと一緒にジン坊っちゃんについて行ってくだサイ」

 

「あ、はい」

 

「ジン坊っちゃん皆さんをよろしくお願いします」

 

そう言うと黒ウサギは弾丸のように飛び去る。

 

「箱庭のウサギは随分速く飛べるのね」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属ですから、力もありますし、様々なギフトに特殊な特権も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣に出くわさないかぎり大丈夫なはずです」

 

ふーん、今度戦ってみたいな。

そんなことを考えていると

 

「取りあえず、十六夜君のことは彼女に任せて、箱庭に入りましょう。貴方がエスコートしてくださるの?」

 

「は、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ものですがよろしくお願いします。御三人のお名前は?」

 

「久遠飛鳥よそこの猫を抱えている彼女が」

 

「春日部耀」

 

「影山亜八戸だ、気軽に亜八戸って呼んでくれよなみんな」

 

全員(十六夜を除いて)の自己紹介が終わると久遠さんが

 

「それじゃあ、箱庭に入りましょう。まずは、軽い食事でもしながら話聞かせくれると嬉しいわ」

 

と言ってジンくんの手を取り笑顔で箱庭の外門をくぐった。

 

「へぇ、天幕の中に入ったのに空が見えるなんて、どうなってんだ?」

 

「それは僕にはわかりませんが、この箱庭には太陽の光が受けられない種族もいますので、箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になるんです。」

 

「「「へぇ」」」

 

「ん?待てよつまりこの箱庭には吸血鬼とかがいるのか?」

 

「はい、居ますよ」

 

「よっしゃ今から探してくる」

 

「やめてください!!」

 

「冗談だよww」

 

「貴方の場合冗談に聞こえないんです」

 

そんな会話をしながら俺たちは〝六本傷〟の旗を掲げるカフェに入り軽食をとりながら話すことにした。

久遠さんがこのカフェの猫耳(本物)店員に注文をする。

 

「えーと、紅茶を三つと緑茶を一つ、あと軽食にコレとコレと」

 

「ニャー」

 

「はいはーい。ティーセット四つにネコマンマですね。」

 

ん?と俺と久遠さんは首をかしげる。

だが、それ以上に春日部さんが驚いている。

 

「貴女、三毛猫の言葉がわかるの?」

 

「そりゃ、猫族ですからね。分かりますよ。それにしても、お歳の割に綺麗な毛並みの旦那さんですね。ここは、少しサービスさせてもらいますよ。」

 

「ニャーニャニャニャニャン」

 

「やだもー、お客さんったらお上手なんだから♪」

 

三毛猫が猫耳店員に何か言ったのだろうが俺には分からん。

そして、猫耳店員は鉤尻尾を揺らしながら店内に戻る。

 

「箱庭ってすごい。私以外に三毛猫の言葉が分かる人いたよ」

 

「ん?ちょっと待ってくれ、春日部さんは三毛猫の言葉がわかるのか?」

 

「うん、分かるよ」

 

「も、もしかして、耀さんは猫以外にも意思疎通は可能なんですか?」

 

「多分生物なら誰とでも大丈夫だと思う」

 

 

「そう、素敵ね。なら、あそこに飛び交う野鳥とも会話が?」

 

「うん、出来……る?ええと、鳥で会話したことがあるのは雀や鷺、不如帰ぐらいだけど

ペンギンがいけたからきっと大丈夫

「ペンギン!?」

「…う、うん、水族館で知り合った。他にもイルカとも友達」

 

「全ての種と会話可能なら心強いギフトです。箱庭において幻獣との会話は大きな壁ですし」

 

「そうなんだ」

 

「一部の猫族や黒ウサギのような神仏の眷属として言語中枢を与えられていれば意思疎通は可能ですけど、幻獣達はそれそのものが独立した種の一つです。同一種か相応のギフトがなければ意思疎通は難しいと言うのが一般です。箱庭の創始者の眷属に当たる黒ウサギでも全ての種とコミュニケーションをとることはできないはずですし」

 

「そう・・・春日部さんは素敵なギフトを持ってるのね。羨ましいわ」

 

そう言われて少し照れる春日部さん。

だが、久遠さんは表情か暗くなった気がする。

すると、春日部さんが

 

「久遠さんは…」

 

「飛鳥でいいわ」

 

「う、うん。飛鳥はどんな力を持っているの?」

 

その質問に久遠さんはさらに表情を暗くした。

 

「私の力は酷いものよ。だって」

 

飛鳥が自分の力の話をしようとすると、見知らぬ巨漢が会話に入ってきた。

 

「おやぁ? 誰かと思えば東区画の最底辺コミュニティ“名無しの権兵衛”のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

声のした方向を見ると、二メートルは超える巨体にピチピチのタキシードを着た変な男が立っていた。




亜八戸がみんなを名字でさん付けで呼んでいるのはみんなとはまだ友達ではないので失礼のないように、という理由からです。
次の話から大きな変化がある予定です。
感想などお待ちしてます。
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