問題児たちと影を制する者が異世界から来るそうですよ? 作:バステ
それでも精一杯頑張ったので読んでやって下さい。
俺たちがノーネームの本拠に着くとそこには信じられない光景が広がっていた。
「おい、黒ウサギこれはなんの冗談だ?
ジン、お前本当は何百歳だ?」
そう聞く俺から目を背ける二人。
すると十六夜が口を開く。
「…おい黒ウサギ、魔王とのギフトゲームがあったのは今から何年前の……いや、何百年前の話だ?」
「僅か3年前でございます」
「ハッ…それは面白いな、いやマジで本気で面白いぞ。この風化しきった街並みが三年前?軽く見積もっても200年以上は経過してる筈なんだがな」
「3年前?嘘つくにももっとましな嘘つけよ黒ウサギ、建物の朽ち方も自然だ。
たった3年でこうなるか?」
俺が黒ウサギに言うと
「…魔王とのゲームはそれほど未知数の戦いだったのでございます。彼らがこの土地を取り上げなかったのは魔王としての力の誇示と一種の見せしめでしょう。彼らは力を持つ人間が現れると遊び心でゲームを挑み、二度と逆らえないように屈服させます。僅かに残っていた仲間も心を折られ、コミュニティを去りました」
それを聞いて女子二人は絶句した。
だが、俺と十六夜は
「ヤハハ、そうか、これが魔王の天災と呼べれる存在の力か」
「クク、良いねぇ俺らがこれから戦うのはこれ程の力を持つ奴なのか」
そんなことを言いながらまるで少年が新しい玩具を貰ったような、そんな笑みを浮かべていた。
「ちょっと、二人ともそれはさすが不謹慎じゃない?」
「まぁ、確かにそうだな、
でも、お嬢様と春日部は震えているが怖気ずいたか?」
「おいおい十六夜煽るなよ、
女性には優しくしないとダメじゃないか」
そんな俺の煽ろうとは思わずに言った言葉も煽りと受け取られたのか女子二人は
「ち、違うわ!これは武者震いよ!ねぇ?春日部さん」
「そ、そうこれは武者震い」
「それに亜八戸くん、女性はいつまでも守られるだけではないわよ!」
「うん、女性に失礼」
「えっ、俺も?」
なんでか知らんが俺も悪いことになってる!?
「さぁ、それでは皆さん今日十六夜さんが手に入れた水樹の苗を貯水池に設置しに行きましょう!」
「水樹?そんなのどうやって手に入れたんだ?十六夜」
「あぁ、世界の果てを見に行ったらちょいとデカイ蛇と戦うことになってな、ソイツ倒したら貰えたんだ」
「おい、デカイ蛇って水神か?」
「あぁ、よくわかったな」
「前の世界では暇すぎて本とか読みまくったからそこらへんの知識は豊富な方だと思う」
「そうか」
話しているうちに着いた。
するとそこには貯水池を掃除しているコミュニティの子供達がいた。
「あ、みなさん!水路と貯水池の準備は整ってます!」
「ご苦労様ですジン坊ちゃん♪皆も掃除を手伝っていましたか?」
「おお!そういえば書かれてなかったけどジンは〝サウザンドアイズ〟に行く前に帰ってたんだったな」
「メタ発言はやめてください!!」
「ねぇ、黒ウサギのお姉ちゃんメタ発言って何?」
「み、みんなは気にしなくて良いのですよ」
「黒ウサギのねーちゃん俺は眠たいけど掃除手伝ったよー」
「ねえねえ、新しい人達って誰!?」
「強いの!?カッコいい!?」
「YES!とっても強くて可愛い人達ですよ!
皆に紹介するから一列に並んでくださいね」
パチン、と黒ウサギが指を鳴らす。すると子供は一糸乱れぬ動きで横一列に並ぶ。
中には猫耳や狐耳の少年少女がいる約二十人の子供達だ。
「では、右から逆廻十六夜さん、久遠飛鳥さん、春日部耀さん、最後に影山亜八戸さんです。皆も知っての通り、コミュニティを支えるのは力のあるギフトプレイヤーです。ギフトゲームに参加できない者達はギフトプレイヤーの私生活を支え、励まし、時に彼らの為に身を粉にして尽くさねばなりません」
「あら、別にそんなのは必要ないわよ?もっとフランクにしてくれても」
「駄目です。それでは組織は成り立ちません」
いつも以上に真剣な声音で話す黒ウサギ。
そして、俺たちは箱庭でのコミュニティについて説明を受けた後、貯水池に水樹を植えた。その際、十六夜がずぶ濡れになりかけるハプニングがあったものの、俺たちは居住区に移動し自分達の部屋を決めた。
ちなみに、俺は最上階の角部屋を選ぼうとしたのだが、みんなが下の階を選ぶのでやっぱり二階の角部屋にした。
そして、女性陣は風呂へ
十六夜は散歩をする為に外へ
俺は星を見る為に屋根へ行った。
「ふぅ、子供達可愛かったなぁ、
俺の一族のガキ共とは比べ物にならない位に」
「一族のガキ共は目は死んでるし、元気はない、表情もあんまり変わんなかったしマネキンじゃないのか?と疑ったほどだ」
「一方ここの子供達は目が輝いているし、
何より元気だ。
本当の意味で生きてた」
そんなことを呟いているとすぐそこから爆発音が聞こえた。
見ると十六夜が石を森に向かって投げているところだった。
「何やってんだあいつ、まぁなんかあったんだろうが十六夜の事だしゆっくり行くか」
そして、現場に到着するとそこには見知らぬ奴らが十六夜とジンに何か言って帰るところだった。
すると十六夜が
「亜八戸遅いぞ」
「いやぁゴメンゴメン上から見ると十六夜が石を森に向かって投げているようにしか見えなくて何やってるんだろうぐらいしか思わなかったんだ、だからゆっくりと来ちゃった」
「で、何があったの?フォレス・ガロのメンバーと」
「お、気づいてたのか?」
「いや、今気づいた」
「はぁ、噛み砕いて話すぞ
・フォレス・ガロの連中に人質はもう死んだ事をばらした
・ノーネームは魔王関連のトラブルを引き受ける事になった
・ノーネームの名と旗印の代わりはこのジン=ラッセルになった
・第1目標は元魔王の同志(今は売り物)を取り戻す
以上だ」
「ありがとう、めっちゃ分かりやすかった」
「つーか、元魔王の仲間?すげー気になるんだが」
「そんな事よりもう寝ろ、明日のゲーム負けんなよ」
「おう!任せとけ」
翌日
俺たちはガルドの領地に向かう途中ガルドに喧嘩を売ったカフェの猫耳店員から情報を貰った。
・ガルドは舞台区画(ギフトゲーム専用区画)
ではなく居住区画を舞台にしたらしい。
・傘下のコミュニティや同志を全員ほっぽり出して一人で待ち受けているらしい。
その事を頭に入れながら俺たちはゲームの舞台に向かった。
「なんだこりゃ?」
居住区画と呼ばれていたであろう場所はジャングルと化していた。
「おい、フォレス・ガロの連中はジャングルに住んでいるのか?」
「………おかしいです。"フォレス・ガロ"のコミュニティ
の本拠は普通の居住区だったはず…………それにこの木々はまさか」
「やっぱり、鬼化している!?」
「ジン君。ここに"
飛鳥が契約書類を見つけたようだ。
そこにはゲームの内容が記されていた
『ギフトゲーム"ハンティング"
プレイヤー一覧
久遠 飛鳥
春日部 耀
影山 亜八戸
ジン=ラッセル
クリア条件
ホストの本拠地内に潜むガルド=ガスパーの討伐。
クリア方法
ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能。
指定武具以外は"契約"によって
ガルド=ガスパーを傷つける事は不可能。
敗北条件
降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
指定武具
ゲームテリトリーにて配置。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗のもと"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。
"フォレス・ガロ"印』
「ガルドの身をクリア条件に…………指定武具で打倒!?」
「これはまずいです!」
ジンと黒ウサギが慌て出す。その二人の異様な反応に
飛鳥が心配そうに問うた
「このゲームはそんなに危険なの?」
「いえ、ゲームそのものは単純です。問題はこのルールです。
このルールでは飛鳥さんのギフトで彼を操ることも、
耀さんや亜八戸さんのギフトで傷をつける事も出来ない事になります…………!」
「つまり、あれか?猫野郎はルールに自分の命を組み込む事でルールで俺たちのギフトが効かないようにしたと?」
「はい、その通りです、
このルールでは例え神格持ちでもガルドに傷一つ与えられません」
するとジンが
「すいません、僕の落ち度でした。始めに"契約書類"を作った時に
ルールもその場で決めておくべきでした…………!」
「大丈夫だ、気にすんなこのルールは猫野郎にダメージを与える事はできないが、こっちが猫野郎の攻撃を防ぐ事ができるなら俺がみんなを守ってやるよ」
「あら、亜八戸くん貴方そんな気障な台詞言えたのね」
「失礼だなぁ、本気だぞ!」
「あ、あの!とりあえず館から探しましょう」
「ん?あぁ了解だ、リーダー」
「リーダーなんて止めてください、ジンで結構です」
「ハハ、すまんすまん」
そして、館に辿り着くと先ず俺たちは二手に分かれる事にした。
俺と耀で指定武具があると思われる二階の捜索。
飛鳥とジンが退路の確保。
「そんじゃあ、気を引き締めて行きますか」
「うん」
そう言いながら二階に上がるとそこには
「Gyaaaaaaaaaaaaaa!」
言葉を失った獣が白銀の十字剣を背に突進してきた。
「危っぶな!」
ギリギリで俺たちは突進を避ける
「耀!今のうちにあの剣を取ってきてくれ!こいつは俺が足止めする」
「わ、分かった!」
耀が剣を取りに向かうとガルドは標的を耀に移行する。
「Gyaaaaaaaaaaaaaa!」
「行かせるか!
叫ぶと同時に俺に影から剣や槍、盾状の黒い何かを持った人型の影が十体ほど現れる。
「行け!影兵団」
命令すると即座に影たちはガルドに攻撃や足止めを仕掛ける。
そして、ガルドをすぐそばの部屋へ吹っ飛ばす
これなら傷を与えられなくても時間は稼げるだろう。
そう考えていると
「亜八戸!取ってきた!」
「よし、じゃあ、それを持ってジンのところに行って指示を貰ってきてくれ」
「えっ?このまま攻撃しないの?」
「さすがに何も分からないまま突っ込むのは良くない、ジンならその剣について少しは知識があるだろう、だから、頼む」
「分かった、無茶しないでね」
「おう、みんなで猫野郎に完勝してやろうぜ!」
そう言うと耀はジンたちがいる場所に向かって走る。
それを見届けてガルドに視線を戻すと影兵団は全滅していた。
「おいマジか、もうちょい時間かかると思っていたんだかなぁ」
「Gya、Gyaaaaaaaaaaaa!」
「それにしても単調な動きだなぁ、もっと工夫しろよ」
「
俺が呆れながら言った瞬間俺の影から剣状の影が大量にガルドに向かい伸びていく。
一撃が弱くてもこんなに大量の攻撃を食らいガルドは後退する。
だが、剣先が細いからあんまり後退しないな。
あ!じゃあこんなのはどうだ?
今思いついた技を試してみる。
「
拳で相手を殴るイメージするとイメージ通りに俺の影から大量の拳が出てきてガルドを襲う。
「あら、これ私たち必要?」
「お、飛鳥にみんなもおかえり〜」
「亜八戸、もう一人で倒しちゃったら?」
「亜八戸さん、本当は春日部さんを僕らのところへ戻す必要ありませんでしたよね?」
「やだなぁ、俺は本物の剣は使えないし、耀の立ち回りに合わせて攻撃できるかあやしいから必要あったよ」
「はぁ、まぁいいわ、とりあえずガルドを倒すのは私の役目になったわ」
「ん?なんでか聞いても?」
「理由はこの剣に宿る破邪の力を引き上げられるからよ」
「へぇ、じゃあガルドはやっぱ鬼化してるんだな」
「そう、そして私と亜八戸が飛鳥のサポート、作戦は全部リーダーが考えた」
「はい、ってリーダーは止めてください」
ハハハハ、そうみんなが笑う。
ちなみに、ガルドは未だに俺の攻撃を食らい続けている。
「さて、そろそろ終わりにしますか」
「そうね」
飛鳥はガルドに近づいていく。
耀は飛鳥の護衛の為に隣を歩くが、
二人は俺を信頼してくれてるようで顔に全く緊張が感じられない。
「それじゃあ期待に応えましょうか
同時に俺の影から細い糸のような影が幾本も伸び、ガルドを縛り付ける。
だが、この技は結構集中力を使う為長時間は使用できない。
まぁ頑張ればできるが、そうすると周りと会話ができなくなるほど集中しなくてはならないのであまりやりたくない。
会話が可能で相手を完全に封じる事ができる時間は精々5分が関の山だ。
「あんまり時間かけないでよ〜
これすごく疲れるんだから」
「えぇ、わかってるわ、
あ、そうだ春日部さん?どうせならこの外道を一緒に倒さない?」
「え、あ、うん良いよ一緒に倒そう」
そう言うと二人は剣の柄をお互い片手で持ち、同時に俺が動きを封じているガルドの頭に振り下ろした。
「GYa...」
同時に俺たちの目の前にゲームクリアを示す契約書類が現れた。
ゲームが終了して崩壊した建物の瓦礫の上でジンが十六夜と一緒に〝フォレス・ガロ〟の傘下のだったコミュニティに旗を返還していく。
そして、飛鳥達がこっちに来る
「結局亜八戸くん一人でクリアできたんじゃない?」
「うん、私もそう思う」
「黒ウサギも亜八戸さんがガルドを完封するとは思いませんでした」
「おいおい、それは流石に過大評価だぞ、俺一人だったらルールもあまり理解しないで『まぁとりあえずガルドをボコボコにすれば良いんだろヒャッハー』ってなっていたかもしれないし」
「それはないわ」
「うん、それはない」
「それは絶対にないのですよ」
「それはそれは、女性陣から高評価で嬉しいねぇ」
そんな会話をしていると全てを済ませた二人が戻ってきた。
「これで、ジン=ラッセルの名も広がるな」
「そうだな、おい御チビこれからはノーネームの手柄は全てジン=ラッセルの名で広がるんだからな頑張れよ」
「は、はい!!」
その場にジンの元気な声が響き渡った。
こんな感じになりました。
戦闘描写どうでしょうか?
あと次回は完全オリジナルで短くなると思います。
誤字・脱字報告
感想お待ちしてます。