仮面ライダークウガ-白の執行者-【完結】   作:スパークリング

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こんにちは。

ついにお気に入り件数が600人を超えました。こうなったら伸ばすところまで伸ばすしかないですね、気合が入ります!


第8話 『覚悟』

 時刻は午後4時8分。

 荒川区某所、とあるビルの前。

 そこに何台ものパトカーと、野次馬が出来上がっていた。

 ビルの中にはこれまでの刑務所・オフィスビル・港・鬼柳会の屋敷同様、至る所に大量の血と、首を貫かれ変わり果てた姿を晒しあげられた何人もの人間がいた。

 鮮やかに一撃で仕留める手口、使用された武器の形状とその多さからして、誰の犯行かは一目瞭然だった。明らかに未確認生命体第46号の仕業だ。

 

「なんてこった……こう来たか……」

「最悪ですね……」

 

 敵の思惑にまんまとひっかがったことに気がついた杉田と桜井は、もうお手上げといわんばかりにパトカーに寄りかかっていた。

 自身のイメージを上げることで、ネット上に味方を作り、その情報をもとに殺害していくというのが第46号の目的だと思っていたが、それは大きな間違いだった。

 

「まさか、全く関係ない場所を襲撃するとは……」

 

 腰に手を当てて顔をがっくりと落とす一条。これには流石の一条も精神的に来たらしい。

 この荒川区のビルは、今まで警察が目を通した掲示板などには書かれていなかった場所であった。サイバー犯罪専門のエキスパート全員が総動員してかき集めた情報なのだ。間違いはない。

 第46号の狙いはネットを通じて情報を得ることではない。最初から、警察の目を他に向けさせて全く別の場所を襲撃することだったのだ。

 ネットに書き込まれた数々の情報は全てフェイク。頻繁にノートパソコンを眺めていたのは、ネットに書き込まれた情報から次の犯行場所を探すためではない。逆だ。あらかじめ調べ上げていた、彼女の頭の中にある襲撃者リストの中からネットに書き込まれた情報を引いて、警察が一番ノーマークしそうな場所をターゲットにするためだ。そして選ばれた記念すべきでない4件目のターゲットが、ここだ。

 

「ここはカルト教団『ネクスト』が本場にしていたビルだ。忍び込んだ第46号は警備室の防犯装置を使って建物の出入り口を全て封じて逃げ道をなくし、信者全員を殺害したんだろう。今日は丁度この時間、信者たちが集まって崇拝の儀が行なわれる日だ。おかげで大量の死者が出た。全部奴の計算通りなんだろうな」

「『ネクスト』といえば、さまざまな黒い噂が流れている今問題視されている団体ですよね」

「ええ。脅迫とも取れる強引な勧誘、他の宗教団体との激しい対立、粘着レベルの寄付の強要、オカルトグッズの売りつけ、女性信者に対しての性的暴行、脱退者に対してのストーカー及び嫌がらせ行為。これだけでも被害届がいくつも警察に届けられていました」

「しかも先月、ここの信者5人が強盗殺人事件を起こしやがった。資金に当てるためとか、そんな理由でな。おかげで世間一般からした『ネクスト』は完全に悪党組織だ。最近じゃ、政界への関与も疑われて特捜部も動き出していたが、ついにこんなビルまで建てちまうほどに強い力を持っちまって、手を(こまね)いていたところだ。最悪だぞこれは。警察が手を付けられない組織を2つ連続で潰されちまった。今回の犯行も生存者が確認されている。警備員全員と、丁度ここの信者たちに脅迫されていた元信者たちだ。世間がどういう目で第46号を見るか、想像しただけで震えが止まらねぇ」

 

 刑務所の囚人、悪質な詐欺グループ、麻薬密売人、指定暴力団、そして問題行為を繰り返して困らせていたカルト教団。

 犯罪、またはそれに加担し、それに準ずる行為を繰り返し、そして警察が捕まえることができないほどの権力、潜伏能力を持った組織を次々と壊滅させていき、基本一般人には絶対に手を上げない。街中で見かけたとしても自分が犯罪者でない限りは完全無害で、写真も取り放題だし、結果はどうあれ話をすることもできる。以上が今の一般人から見た第46号の印象だった。全部事実なのでなにも言えない。

 しかも今回のカルト集団襲撃で、警察の裏を掻くほどの知能を持つ相当の切れ者というお札まで付けさせてしまった。世間からしてみたら、もはや第46号は悪を成敗する正義の味方だった。

 

「ますます世間の第46号に対する印象が良くなっています。見てください、これ」

 

 携帯電話を一条達に見せる桜井。そこには第46号を称えるコメントが数多く投稿されていた。ほかにも、警察が第46号の罠にひっかかったことに対する嘲笑のコメントまであった。スレッドは既に1000コメントを達成したものが3つあり、現在掲示板は4スレッド目に突入していた。

 苦い顔をしながらコメントを読んでいた杉田はふと、あることに気がつく。

 

「そういえば、五代くんは?」

 

 普段一条とセットでいるはずの雄介の姿が見えないのだ。

 

「五代は今、ビートチェイサーで第46号を追跡しています。そろそろ連絡が入ると思うのですが――」

 

 ピィーッ。そこまで一条が言いかけたところで、彼の覆面パトカーに無線が入った。

 

「五代か? 俺だ」

『第46号を見つけました! 場所は板橋区の市街地を人間態で移動しています!』

「! わかった! 今すぐ爆発地点へのルートを決めて、そっちに送る!」

 

 雄介の無線が切れた瞬間、「すいません、私はこれから向かいます!」と言って覆面パトカーに乗り、サイレンを鳴らして雄介の元へ向かう一条。

 

「俺たちもいつまでもこうしちゃいれねぇ。今、ここでできることをするぞ!」

「ええ、勿論ですよ!」

 

 杉田も桜井は一条とは反対の方向、ビルの中に走っていった。

 

 

     ――――・――――・――――

 

 

 同時刻。板橋区のとある市街地にて。

 ビートチェイサーを引き摺りながら、雄介は多くの人だかりの中、この時期にワンピース1枚にサンダルという明らかに浮ついた格好をしている少女――ゴ・ユニゴ・ダを追っていた。向こうはこっちに気がついているのか、気がついていないのかはわからないが、特に気にした様子も無く平然と歩いていた。

 ユニゴとすれ違った人間たちの反応は興味深そうに見るか、目を合わせないようにそそくさと逃げるかのどちらかだった。これだけでも誰がどういう人間なのかがわかるが、ユニゴはそれでもノーアクション。ゲゲルの時間ではないからである。

 やがて彼女は、人通りの少ないほうへと歩いていく。その証拠にすれ違う人間も少なくなっていき、風景もどんどん家が立ち並ぶ住宅地から、寂れた工場跡に切り替わっていく。

 何処に向かっているのだろうと疑問に感じながらも、雄介は少し離れたところから尾行を続けて数分後、完全に人気のない、今は潰れてしまって誰も居ない工場の中へユニゴは入っていった。雄介はビートチェイサーを置いて、彼女の後を追って工場の中へ入る。と、そこには。

 

「……クウガ、尾行、下手」

「!」

 

 こっちに視線を送ってくるユニゴがいた。どうやら雄介の尾行に気がついていたらしく、わざとここまで歩いてきたらしい。

 

「どうして、俺をここに連れてきたの?」

 

 わかりやすく直球に雄介はユニゴに聞くと、彼女は変わらぬ無表情で返した。

 

「少しだけ、話、したいから」

「……話?」

「ん」

 

 コクンと小さく頷いたユニゴは続ける。

 

 

「残り96人」

 

 

「!」

 

 ユニゴの言った数字を聞いて、雄介の背筋が凍った。そしてすぐ、顔を苦いものにし、怒りから拳を握って振るわせる雄介。この怒りはユニゴに対するものではない。ユニゴを止められなかった無力な自分に対する怒りだった。

 残り96人。ということはだ。

 昼間に宣言したユニゴの残り殺害人数が402人。つまりユニゴはこの1時間で……306人の人間を殺害したということだった。律儀に1人ずつ彼女が数えたわけではない。出入り口は全て封じたはずなのに一体何処から入ってきたのか、はたまた最初からどこかに潜伏していたのか、バグンダダを抱えてカウントし終えたドルドから直接聞いたのだ。

 2回も彼女と話したのに、彼女に犯行を止めさせるチャンスはいくらでもあったはずなのに、また新たな犠牲者が大量に出してしまったのだ。

 あと一歩。話すとこまで来て、後は解り合うだけだったのに、それは届かない。話は通じても、説得することは叶わなかった。止められることができたかもしれない殺しを、止められなかった。ただ『生きたい』と願っただけのあの純粋で無垢な少女の手を、さらに汚してしまった。

 

「あと96人。それで全て、終わる。悪いリント以外、私、殺さない。絶対に、約束、守る」

 

 「だから」と、ユニゴは頭を下げた。

 

「クウガ、諦めてほしい。私、あなたと戦いたくない。お願い」

 

 標的以外の殺しは絶対にしないから、ゲゲルに集中させて。要約すればそういうことだった。

 全ては生きるため。多くのことは望まないから、ただ生きたい。これからも生きて、この世界に存在したいというあまりにも純粋すぎるユニゴの願い。そのことを伝えるために逃げないで自分から、誰にも聞かれることがないこの廃工場まで雄介を誘い、頭も下げた。

 それはしっかりと、雄介には伝わった。……伝わりは、した。

 

「……ごめん。それはできないよ、ユニゴ」

 

 雄介はきっぱり、否定した。彼女から視線を逸らさずに、ただまっすぐに。

 昼にユニゴと、みんなと話したときに彼女は人間みたいだと思った。とてもグロンギ族の怪人ではないと、違うことはわかっていても確かにそう思った。

 だけど今の言葉で、がらりとユニゴに対する見方が変わった。いや、どこかで気がついていたけど認めたくなかっただけのことを、認めた。「どうして人間を殺してはいけないか?」を真剣に考えていた彼女を見て、少しは人間を殺すことを悪いと思っているんじゃないかと思っていた。いつかはピタリとやめる日が来るかもしれない。そう、思っていた。だけど、さっきのセリフではっきりした。

 ユニゴは、どんなに多くの人間を殺しても何も感じていないのだ。

 悪いリント……つまり犯罪者を狙ったのは、あくまで自分のゲゲルを円滑に進めるため。そして同時に人間に自分のゲゲルを認めてほしいからであり、そういうことを除けばはっきり言って、彼女は誰をどう殺してもよかったのだ。なにせ、殺してもどうとも感じないのだから。

 そのことを知った雄介は思った。やっぱりユニゴは……根本的にある彼女の本性は、今までのグロンギ族と全く同じものである、と。

 

「俺はみんなの笑顔を守るために、戦うって決めたんだ。一条さんとも、中途半端はしないって約束したんだ。君だけを特別に見るわけにはいかないんだ」

「……そう」

 

 「じゃあ……」と、身体を起こしたユニゴは一度瞑目して……そして目をゆっくりと開いた。

 

「戦うしか、ない……ね。私、戦うの、嫌い。だけど、生きるためなら、どんなことでもする。悪く(バスブ)思わないでね(ゴロパバ ギ ゼベ)

 

 瞬間、ユニゴの身体が発光し、そして光が止んだときには彼女の姿が変わっていた。

 燃えるような真っ赤な瞳、額から生えた1本の細長い円錐状の角、鬣のように後頭部から伸びている金色の長い髪の毛、黒いロングスカートにベルトのように腰に巻きつけた黒いバックル、黒みの強い灰色の身体をした、伝説上の生き物『ユニコーン』に似た怪人に。

 

私は(バダビザ)白の執行者(ギギボグシャ ン ギソ)、ゴ・ユニゴ・ダ。全力でおいで(ゼンリョグ ゼ ゴギゼ)迎い撃ってあげる(ルバギ ググデ ガゲス)

 

 本来の言語であるグロンギ語で自己紹介と挑発を雄介にするユニゴ。何を言われたのかはわからなかったが、ユニゴが自分に敵意を向けているということはわかった雄介は、腰に手を添えてベルト――アークルを出現させた。

 シュッと風を切るような音と共に右腕を斜め上に、左腕を僅かに後ろへと引く。これが、雄介がグロンギたちと戦う前にする、戦う覚悟を決めるためのポーズだった。この構えをした雄介に、迷いはない。迷いは許されない。

 

「変身ッ!」

 

 叫び、左腰に力を込めて前に突き出していた右腕を引っ込めると、雄介はクウガへと変身したフォームは当然、マイティフォームだ。

 変身が完了したクウガはユニゴに向かって走り出す。ユニゴもまた、武器を持たぬまま走り出す。

 先制攻撃を仕掛けたのはやはりクウガだった。間近まで接近した瞬間、右腕を引いて一気にそれを放つ。マイティパンチがユニゴの胸に突き刺さるが、公園のときと同じでユニゴには一切通用していない。殴ったあとの僅かなタイムラグを突いたユニゴも右腕を引いて勢いよくクウガを殴りつけた。

 

「ッ」

 

 左胸にパンチを受けたクウガはその衝撃で後ろに半歩下がる、が。それだけだ。

 実を言ってしまえば、ユニゴのパンチはこれまでの『ゴ集団』のグロンギたちと比べれば弱い部類に入る。腕力があっても、彼女にはそれほどパンチ力がないのだ。『ゴ集団』最低クラスと言っても過言ではない。……が。

 パンチを受けて後ろに下がりさらに隙を作ったクウガに向かって、すかさず放った回し蹴り。これは別物だ。

 脚力が優れているユニコーンの特性を引き継いだユニゴの蹴りはクウガの腹部に直撃、そのまま工場の一番奥まで吹き飛ばし、壁に激突させた。「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ」という慣用句があるとおり、馬の仲間であるユニコーンの蹴りはまさに必殺技。普通の人間が喰らえば間違いなく死ぬ一撃だった。遥か古代、まだ自分がゴ集団でなく装飾品を武器に変えて戦うことができなかったときは、この蹴りで何人ものリントを仕留めてきた。

 ユニゴにとって蹴りは伝家の宝刀であった。

 

「ぐッ!?」

 

 そんな一撃をモロに喰らったクウガは堪ったものではない。蹴りを入れられた腹部、壁に激突した背中と、身体の前と後ろどちらにも効く攻撃を受け、激しい痛みに少しぐったりしてしまう。が、戦いの最中に休息の時など訪れない。

 微かな音が耳に届いてハッとして前を見れば、一本の三叉戟が迫ってきていた。間一髪で右に飛んだことで、槍が身体に接触することなくクウガの首があった場所を通過。それはコンクリートで出来ているはずの壁に、皹を入れて思い切り突き刺さった。もしこれを受けたら、今までユニゴに殺された犯罪者と全く同じ最期を迎えていただろう。

 クウガは戦慄した。

 人間態のときは虫も殺せなさそうなほどに儚い少女だったのに、怪人体になった途端この怒涛の攻撃だ。右ストレート、回し蹴り、そしてとどめの槍投擲と、まるで舞を踊っているかのように計算し尽くされている力強い攻撃の連鎖は、彼女がいかに戦いに慣れているかを知るには充分すぎた。

 

「超変身!」

 

 通常のマイティフォームではやっぱり戦えないとすぐに判断したクウガは、パリッパリという音と共にライジングマイティフォームに変身。

 ライジング体の中では最もボディに変化が起きていないライジングマイティフォームであるが、その破壊力は他のライジングフォームを大きく上回るものである。その強さゆえに必殺技を喰らったグロンギにはこれでもかというほどの封印エネルギーを衝撃と共に一気に流れ出すため、倒す際に半径おおよそ3kmの大爆発を引き起こしてしまうデメリットがあるが、ここは住宅地から遠く離れた工場跡。問題なく、力を振るえる。

 

赤い雷の力(ガバギ バリバシ ン ジバサ)()……。ふ、ン……」

 

 ユニゴの防衛本能が、今のクウガの状態が自分に対してまずいということを知らせ、少し力を入れると……ユニゴの目の色が赤から紫に変わった。変化はそれだけでは当然、終わらない。

 ユニゴの割れた腹筋がさらに引き締まり、身体の至る部分を今まで纏っていた鎧が俊敏体のときとは逆に分厚く、そしてその面積も増えたのだ。1本だった角も3本に一気に増え、一本角獣(ユニコーン)から三本角獣(トライコーン)へと姿を変えたユニゴ。

 これがクウガのタイタンフォームに相当するユニゴの第3の姿、剛力体だった。

 

来て(ビデ)、クウガ」

 

 胸を前に出し、力を込めるように構えるユニゴ。グロンギ語が理解できないクウガもこれはわかった。ユニゴは「来い」と、自分を挑発したのだ。だけど、これはチャンスだ。

 ユニゴは今、油断している。クウガの肉弾戦が全く効かないほどに桁違いな耐久力を誇っていた未確認生命体第39号ことゴ・ガメゴ・レを、一撃で跡形もなく消し飛ばすほどの威力を持つライジングマイティキック。それを受けたら、いくら強力な力を有したユニゴでも耐え切るのは無理だとクウガは思った。

 行ける。今ならユニゴを仕留められる。可哀想だけど、これもみんなの笑顔のためだと覚悟を決め、右足に力を込めてクウガは走る。右足が地に着くたびに炎を上げさせるほどに強く、地面を蹴る。丁度いいところまで迫った瞬間空中に飛んで一回転。

 

「おりゃあああぁぁぁぁ――っっ!!!」

 

 気合の入った声と共に右足を前に出し、ライダーキックをユニゴの胸目掛けて放った。狙いは正確。このまま前に飛べばユニゴの胸に突き刺さる。それにユニゴはいまだに反抗する素振りも見せない。貰った! クウガは……雄介は自信を持って、ライジングマイティキックをユニゴに炸裂させた。

 キックはクリティカルヒット。綺麗にユニゴの胸に命中し、彼女の身体を少しだけ動かした(・・・・・・・・)

 

「え……」

 

 クウガは素で声を漏らしてしまった。今までグロンギ達を蹴り飛ばして(・・・・)倒してきたライジングマイティキック。それを受けたユニゴは少し後ろに下がっただけだった。しかし、効果は出ている。ユニゴの胸元に巨大な封印のリント文字が浮かび上がった。それを見て少しだけほっとするクウガであったが、次の瞬間に起こった異変を見て仮面の下にある目を見開かせた。

 なんとユニゴの身体に浮かび上がった封印のリント文字が、少しずつ消えていくのだ。最初は強く作用していた封印エネルギーが徐々に徐々に霧散して行き、「ふん」とユニゴが力を入れただけで何もなくなってしまった。

 

「っ!」

 

 クウガは構えを急いで取るがどこかぎこちなく、動きが硬い。それもそのはず、彼は強いショックを受けていた。

 耐えられてしまった。いや、ただ耐えられるだけならよかった。効果がしっかりと現れていて、ふらつく程度のダメージを与えられたのなら、あと一歩で勝てるからだ。だが、ユニゴはそうは行かなかった。まるで効いていなかったのだ。

 効果が出たのはほんの一瞬だけ。その一瞬も、彼女は苦しむような素振りを見せなかった。今持てる自分の最強の技が、まるで効いていなかったのだ。

 

この程度か(ボボデ ギゾバ)残念(ガンベン)

 

 腰の装飾品を外したユニゴはそれを三叉戟に変化させ構え、呆然としているクウガに一瞬で近づき、薙ぎ払った。

 

 

 

 

     ――To be continued…

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