反響あったら続くかも←
【撃退者(リベンジャー)】
神聖国家ユナイテッドサンクチュアリの裏舞台で暗躍する影の騎士団“シャドウパラディン”の中でも、強い覚悟を持って侵略者から国を守る事を決意した者達によって構成された部隊。 名誉も武勲も表沙汰にならず、おのずと危険な任務も増えていく為、構成員は少ない。 しかし、その全てが比類なき意志と信念を掲げる精鋭である為、統率の取れた完成度の高い部隊となっている。
当然…
「国からの功労金?無いよそんなの。」
職場環境は、あまりよくない…
ーリベンジャーは財政難ー
「団長!」
ダン!
と机を叩いたのは黒衣の撃退者と呼ばれるタルトゥ。この撃退者という部隊の軍師である。
「ここ数日赤字続きです!はっきり言って!財・政・難ですから!!」
やれやれ、と撃退者団長。モルドレッドはため息をつく
すると今度は部屋に入ってきたもう一人の男に声をかけた。
「んで、ここに来たということは、お前も同じ考えなわけ?ブラスターダーク。」
尋ねられ、さっきまで控えていたブラスターダーク撃退者は前に出る。
「団長。あなたは、何やら軽く考えてるようだが、これは死活問題だ。現に、資金難で石材を買えないせいでファタリテートの修繕が追い付いていない。」
ファタリテートは撃退者の防壁。防御の要だ。岩で出来たその体で侵入者の侵入を阻んでくれている。そんなファタリテートの材料も当然岩なのだが、それが足りないせいでせっかくの防壁が穴だらけになってしまっている。
「これでは敵の侵入を簡単に許してしまうことになる。そうなる前に手を打つべきだ。」
「なるほどな、お前たちの言いたいことはよ〜く分かった。」
「だったら!」
「ダメだ。王国に昇給要請なんて絶対にしない」
そこまで聞いても団長のモルドレッドの心は一切動かなかったらしい。部下2名の要請があっさりと突っぱねられる。
「あのさぁ、俺達はシャドウパラディンだよ?いわゆる影の騎士なわけ。そんな俺達が名誉勲功を受けて、たくさんお金もらって贅沢したりしたりしてさぁ、表の人生を満喫するわけにはいかないわけよ。君達はそれを分かっててシャドウパラディンに来たんだろ君達は?もっと聖域の影の騎士団としての誇りを持ってさぁ…」
やっぱり、ダメだったか。と肩をすくめるブラスターダーク。
しかし、それでも、タルトゥの気は収まらない。
「いいでしょう…ずっと黙っていようと思ってたんですけど。こうなれば仕方ありません。」
コホン、と一つ咳払いをして話し始めた。
「団長。昨日の夕飯、覚えていますか?」
「ん?あれだろ?肉団子スープ。あれ、うまかったもんなぁ。そうそう、忘れないって。」
…いつになく神妙な顔になるタルトゥはついに、その秘密を口にした。
「あれ、鼠の肉です…」
「「えぇ!?嘘ぉ!?」」
タルトゥの口から語られる衝撃の事実。モルドレッドだけでなくブラスターダークまで柄にもなく驚いてものすごい顔芸を披露している。
「食料を買えなかったのでね。蔵に住み着いていた鼠を捕まえてそのまま使ったのです。いいですか?」
ビシッと軍師として戦線指揮をとるかのように指をさす。
「このままだと正常な食事すらままならないんです!それでも影の騎士の誇りだけで戦い続けろと本気でおっしゃられるんですから!?」
それを聞いたモルドレッドは流石に応えたのか少し考え始めた…
「うーん、でもさぁ、俺達の働きって一切表沙汰になってないじゃん?それに倒した敵も混乱を招かないようにその都度処理してるならさぁ、昇給してもらえる理由がないんだよね…」
しばらく黙りこむ一同。すると突然、ポンと手を叩いたモルドレッドがこんな提案をした。
「あ、そうだ。じゃあ、お前ら、出稼ぎ行って来い。」
ーーーーーーーー
ここはユナイテッドサンクチュアリの街の一角。そこでは任務を終えた解放車のメンバーであるマロンと犬を連れたロイヤルパラディンのハイドッグブリーダー、アカネがとある有名な喫茶店に向かって歩いていた。
「しかし、犬も入店できる喫茶店なんて珍しいのね。この子も喜んでるわ。」
「うん、そこだけ聞くと汚いイメージがあるけど、すごくいい感じの場所なんだ。ほら、着いた。」
コジャレた扉をあけて中にはいるとウェイターが二人出迎えた。
そう、どこかで見たことがある二人が…
「いらっしゃいませ…」
「い、いらっしゃい、ませ…」
黒衣の撃退者タルトゥとブラスターダーク撃退者の二人が…
「……何やってんの?」
タルトゥの方はすでに顔が真っ赤になってる。
「う、うっさいわね!出稼ぎよ出稼ぎ!何か悪いわけ?」
「い、いや、ごめん……」
そんなこんなで席につく客二人。さて、ウェイターとして働いてる撃退者二人の心にある2文字は…
(く、屈辱っ!!)
誇り高き騎士が街なかの喫茶店で出稼ぎ。その上知ってる奴にその姿を見られるという状況。恥ずかしくてたまらない。
しかし、二人そんな気を知ってか知らずか、この客たちは…
「驚いたわね…本当に働いてるなんて…ん?マロン?」
連絡用の呪符を取り出すマロン
「いや、こんな機会を独占するなんて悪い気がするからさ…」
楽しそうに笑っていた…
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カランカラン
「いらっしゃいま…」
客の顔を見てタルトゥの言葉が止まる
最初からすでに若干にやけ顔で入ってきたのは
「おや、お久しぶりです。シャドウパラディンの皆さん」
「あら、こんなところで出会うなんて奇遇ですわね。」
真理の騎士ゴードンと閃光の宝石騎士イゾルデ
「っ、に、二名様ですね…お席にご案内します。」
「いらっしゃいま…」
客の顔を見てブラスターダークの言葉が止まる
そして、またまた若干にやけ顔で入ってきたのは…
忠義の騎士べディヴィア、スターコールトランペッター、そしてブラスターブレードの三名
「っ、貴様ら…よくよく暇らしいな……」
「いや、たまたま近くを通りかかっただけだぞ。」
「えぇ、丁度、食事ができる場所を探していましたので」
「ふざけるな!誰がそんな偶然信じるか!!あいつ(マロン)だろう!あいつが呼んだんだろう!!」
いつもの騎士然とした口調を完全に崩しての猛抗議。相当恥ずかしいようだ。
「ブラスターダークさん、私達お客さんなんだよ〜。そんな失礼な態度とってると、店長さん呼んじゃうよ〜。」
「くっ!!」
スターコールトランペッターに言われてなんとか平成を装うブラスターダーク。表情は完全に引きつってるが。
「し、失礼しました。お席にご案内します…」
そうして、結局シャドウパラディンの働くお店にロイヤルパラディンが集まるという奇妙な状況になってしまった。
((ど、どうしてこうなった…))
二人の心の声が完全にシンクロした瞬間である。
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その後、二人は写真を取られたりいじられたりしながらその日の仕事を終えた。
「……疲れましたね。」
「疲れたな」
一日の心労、疲労ではなく心労にぐったりとする。
「なんでなんですか。人を見世物みたいに私だってバイトをすればウェイターの服だって来ますって。なのにどうして…」
「…なんか、もう二度と出稼ぎは嫌だな。」
タルトゥは荷物を持つと一足先に店を出て行った
「んじゃあ、私は先に出ますね。お疲れ様でした…」
「……あぁ」
そして、遅れて店を出る。すると店の外には意外な人物がいた
「?、ブラスターブレード。なんで…」
すると、彼は缶ジュースをダークに投げ渡した。
「お疲れ様。」
「?」
きょとんとしているブラスターダークにブラスターブレードはこんなことを言った。
「からかったりして悪かったな。今日は疲れただろう。」
「お前、分かってるなら来るなよ…」
「いや、俺はな、嬉しかったんだ。」
まっすぐにブラスターダークを見る。かつて道を分かつ前。友だちだった頃のように…
「毎日国のために何も貰わず命を削っているお前が、仲間と一緒にこうして日常に溶け込んでいるのがさ。同じ国家の騎士としてではなく、一人の友達として嬉しかったんだよ。」
そして、ダークの肩に手をおいて立ち去っていく。
「お前の活躍は多くの人が知らないかもしれないけど。私は、ちゃんと見てるから…」
ブラスターダークは無意識に渡されたジュースを見つめた。
「ふっ、なんだよ。それ。」
でも、たまにらこういうのも悪くない。そう、思えた…
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「なぁ、これ、なんの肉使ってるの?」
その日からモルドレッドがやたら食事の内容を疑うようになったのはまた別の話…
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