東方白夜王   作:ザイソン

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諏訪大戦 終戦

三貴神。天照大神、建速須佐之男命、月夜見尊の三人の伊邪那岐命から産まれた神霊である。

天照大神は太陽と高天原を、月夜見尊は夜の世界を、建速須佐之男命は大海原を支配する偉大な神霊である。

 

「・・・三人揃って出てくるとはの。姉弟仲は良くないと思っていたんだがの。主に弟二人組の所業で」

「あー、別に不仲ではないでふが、確かにそうですね」

「「嘘だ!」」

 

例えば、須佐之男は高天原を荒らし、天照を天の岩戸に泣き寝入りさせたとか、月夜見尊は保食神を斬り殺し、天照に泣かれて絶交されかけたとか。

 

「苦労してるのだなぁ」

「・・・はい」

「「スイマセンデシタ」」

 

空中で土下座する須佐之男と月夜見の姿はシュールだった。

 

「ところで、ここにいるという事は・・・」

「戦争に参加してんだよ」

「貴女は規格外そうだと神奈子からの報告でね」

「だから私たちが来たのですよ」

 

月夜見は刀を抜き、須佐之男は二本の剣のうちの一本を抜き、天照は太陽弾(大きさはサッカーボールくらい)を浮かべる。

 

「月夜見の刀はおそらく保食神を殺した神殺しの刀、須佐之男のは天羽々斬であっておるかの?」

「さあな?」

 

白夜叉も太陽弾を浮かべる。

 

「堕ちろォ!」

 

須佐之男は天羽々斬に乱回転する水流を纏わせ、白夜叉に斬りかかる。乱回転する水流を纏わせたことで触れるだけで水流により身が削り飛ばされるだろう。が、

 

「・・・削り飛ばさ・・・無い・・・?」

 

白夜叉は炎熱を棒のように引き伸ばしたもので受け止めていた。

 

「太陽の棍だ。熱量はおよそ摂氏6,000度ほどだ。それにぶつかっても溶けないその剣は・・・」

「天羽々斬は刃こぼれしない能力を持つ」

 

須佐之男と白夜叉が競り合っている隙に、

 

「『満月光』」

 

月夜見が蒼い光線で白夜叉を狙うが、

 

「『絶対恐怖領域』!全開ッ!のかなり手前!」

「のわっ!」

 

妖力を解放し須佐之男を弾き飛ばす。白夜叉が常時妖力を解放すると、ある程度の攻撃は弾き、威力が高くても軌道は反らせる程の出力で妖力が滲み出る。白夜叉はこの技を絶対恐怖領域と名付けた。(わかる人は分かる名前)

因みに、一度全力でやると気象現象がおかしくなり空間が破れかけたのでもう二度としない。

しかし、敢えて白夜叉は絶対恐怖領域を解除し、別の対応をした。

 

「『コロナ砲』」

 

摂氏200万度の熱線が白夜叉の手から放たれる。

月夜見の光線とぶつかり衝撃波が起こる。徐々に月夜見が押され、月夜見に直撃した。月夜見は消し飛びはしなかったが地面に落下していく。

 

「・・・強い・・・『満月光』は最高級の技だったんだが・・・」

「いや、摂氏200万度の熱線食らって気絶してないおんしも大概にして欲しいの」

 

月夜見は夜の支配者である故に太陽神には強い。さらに月は日光を反射する。この二つの霊格的要因で気絶はしていない。しかし、全く動けない。

対して白夜叉は神霊カテゴリー的には太陽神に分類される。しかし太陽運行を司る彼女にとって夜を支配するなど容易であった。

 

「次はおんしだ!出でよ、極夜双頭剣!」

 

極夜双頭剣。白夜叉の極夜を支配する力を込めて形成された漆黒の双頭剣である。刃は星の瞬きの様な光がちらほら見られる。双頭剣は柄の両端に刃をつけた武器である。切断力は他の業物、神剣と比べても遜色ない。それだけでなく、極夜であるため太陽神には効果抜群だ。白夜叉が造り、ギフトカードにしまっておいたのだ。

白夜叉は極夜双頭剣を回転させ天照に斬りかかる。

 

「させるか!」

 

須佐之男は天照の前に現れ天羽々斬で防ぐ。

ギャリギャリギャリと回転する金属と金属がぶつかり合う音と火花が舞う。

天照はその隙に直径100cmもある太陽弾を白夜叉にぶつける。白夜叉を中心に爆炎が発生する。

 

「やったか⁉︎」

「あれを食らって生きてる者は私と同じ太陽神か怪物しかいません」

 

爆炎が晴れ、白夜叉の様子が明らかとなる。

 

「熱量は摂氏10万度程だの。さすがは太陽神といったところだの」

「嘘!」

「少し焦げた程度だと・・・?」

「天照、おんしの能力は、『太陽の力を操る程度の能力』、月夜見は『月の力を操る程度の能力』、須佐之男は『海原を操る程度の能力』だの?私は少しちがう。私の能力は、『太陽を司る程度の能力』だ。太陽運行を司る私にとって天照の攻撃を防ぐ事は容易い。さらに私は白夜の星霊。己の力に耐えれない身体なわけがないだろう?」

 

白夜の星霊の身体は太陽の中心にいてもダメージは無い。単なる熱量攻撃では白夜叉を倒す事は不可能なのだ。物理攻撃、普通の弾幕、熱関係以外の攻撃をしよう。

 

「・・・気は進ま無いが、やはりこれを抜いて「駄目です!それは諸刃の剣!白夜王相手では・・・!」でも姉上!」

 

須佐之男は腰のもう一つの剣に手をかけているが天照に止められている。

 

(おそらくあれは天叢雲剣。八岐大蛇の尻尾から出てきた神剣。問題児シリーズの要素が含まれており、あれが問題児シリーズと同じ効果を持つとしたら・・・)

 

天叢雲剣。須佐之男が八岐大蛇を倒した時に手に入れた神剣である。問題児シリーズでは周囲すべての異能、恩恵(能力)、魔術などの霊格を不能にする万物調律の神剣とされる。

能力を無効化ならこの世界でも珍しくはない。恐ろしいのは能力によってその身に宿した霊格、異能を不能にする点。

能力が無効化されても自分の能力が無くなった訳ではないから一応は使える。相手に効かないだけ。不能の場合は使えなくするのである。霊格まで不能にされたら白夜叉でも人間クラスにランクダウンしてしまう。

そんな神剣にもリスクはある。それは、

 

「止めておくんだの。それでは持った本人の霊格まで不能にされてしまうぞ」

「・・・知ってたのか」

「あらゆる能力などの霊格を不能にする万物調律の神剣。当たりさえしなければ問題ない。人間級まで堕ちたおんしの力で私に刃は届くか?」

 

結論を言えば、無理である。異能を不能にするなら飛べなくなってしまう。白夜叉が空中に逃げればおしまいだ。

 

「そう悔しそうにする必要は無い。もうじき戦争終わる。八坂神奈子の勝利でな」

「え?それは一体どういうことですか?」

 

その時、白夜叉の手元に契約書類が現れた。

 

『試練終了 勝者 大和の国』

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