厨房が大惨事になってから一週間。あれから特に何も起こることなく、平和に過ごしていた。諏訪大戦の後始末も一通り終わったころ、白夜叉はこのある事を考えていた。
(そろそろ旅に出てみたいの。
旅の規模は日本だけにとどまらず世界まで出て行くつもりである。
「そーゆー訳で、私は旅に出ようと思う」
「「「・・・へ?」」」
白雪姫、神奈子、諏訪子はキョトンとした声をあげる。
出て行くって言った後二人を説得するのが大変だった。
諏訪子は愚図って泣くし神奈子も寂しそうな目をして「そうか、寂しくなるね」とか言うし。
あれ?手を焼いたの、諏訪子だけ?
「と、言う訳で私は今故郷の森林にいる訳だが」
「し、白夜叉様?一体誰に向かって・・・?」
「そんなの、画面の向こう側に決まってるだろうに」
なぜ、白雪姫も付いてきたのか。それは白夜叉が白雪姫に神格を与えた時点で白雪姫は白夜叉の眷属みたいな感じになっているから白夜叉が連れて来たのだ。
「とりあえず、アイツの所にでも行くか」
「・・・アイツとは?」
「ん?鬼の頭領、酒呑童子。名前は伊吹弥彦。私の友人だの。あ、そうだ。鬼の里に行ったら問答無用で喧嘩になる確率が高いから」
鬼の里 居住区
「ハッハー‼︎やるじゃねぇか!蛇神!」
「この程度訳無いわ!」
予測通りに喧嘩になった。多数の鬼相手に白雪姫と白夜叉は奮闘する。
白雪姫は渦巻く水柱を数本だし鬼をなぎ倒していく。
一方、白夜叉は、
「おい!こいつあの白夜王だぞ!」
「何ッ!あの四天王に圧勝したヤツかッ!」
「おもしれぇ。相手にとって不足無し!」
「おう!覚悟しr「てい」グッハァァァ‼︎」
通常攻撃で潰していく。
「ふむ、少し飽きてきたの。一気に吹き飛ばすかの」
白夜叉は懐から双女神の印が入った扇子を取り出し、
「吹き飛べェェェ!!!」
「「「ブフォアァァァァ・・・」」」
強く扇ぎ、鬼達を吹き飛ばした。
「ハァハァ・・・白夜叉様・・・」
「なんじゃ?」
「ここに来ると毎回こんな感じに?」
「なるの」
白雪姫は肩で息をしていた。
「相変わらずデタラメな強さね、白夜王」
白夜叉達の後ろから声がかかる。
「久しぶりだの。茨木華扇」
「おおよそ100年ぶりといったところね。そこの蛇神は・・・なるほど、貴女の眷属ね」
「私の名は白雪姫という」
「ところで他の四天王や弥彦の奴はどうだ?」
「いつもと同じ。相変わらず喧嘩ばかりで酒ばかり」
「・・・変わらんの」
伊吹弥彦の自宅
白夜叉も白雪姫は弥彦の自宅に不法進入し、弥彦の部屋の前に来ていた。
「うむ、酒臭い」
「そりゃ兄貴の部屋の前だから」
「久しぶりだの。萃香」
「兄貴は今酒飲んで爆睡してるよ。起こすならどうぞ御勝手に〜」
萃香はそう言って霧と化して消えていった。
「よし入るかの」
「は、入るのですか⁉︎」
「無論」
白夜叉は、板戸を蹴飛ばした。
「えぇ!それ大丈夫なんですか⁉︎」
「大丈夫だ。問題無い」
「大丈夫じゃない。問題だ」
壊れた板戸に弥彦が下敷きになっていた。
「ま、久しぶりだな。白夜叉」
「100年ぶりだのう。弥彦よ」
白夜叉は弥彦に手を差し伸べる。弥彦はそれを掴んで立ち上がった。
「お前、噂になってるぞ。最強の軍神ってな。オラ、ワクワクすっぞ!」
「・・・どこでその言葉を知った?」
「さあな?電波じゃね?」
この時代に電波があるのだろうか。
「なあ、久しぶりで悪いけど、今から戦ってくれないか?」
「・・・ほう?何故だ?」
「もちろん白夜叉には俺が逆立ちしたって敵うはずがない。だが、俺だって成長するところを見せねぇとな」
「ふむ・・・よかろう」
白夜叉はギフトカードを掲げ、ゲーム盤:白夜と雪原を起動させた。
「決まりごとは能力無し。妖力操作有りでいこう」
「そういえば弥彦の能力はなんだったかの?」
「ん?二つあってだな、前使った『衝撃を操る程度の能力』と、あと一つはあまり戦闘向きじゃないぞ。『感覚を増幅させる程度の能力』だな」
確かにあまり戦闘向きではないがうまく使えばかなり効く。
「それじゃ、俺からでどうだ?」
「もちろん」
弥彦は妖力を限界まで高める。地面はひび割れ、覇気で小石が浮き始める。
「あの時は奥義すら出す暇なくやられたからな。行くぞ・・・」
「うむ、全力で来い」
「『鬼王奥義・・・四歩決壊』!!!」
一歩、妖力を最高密度で右手に集中
二歩、足型がつくほど地を強く蹴り
三歩、身体を限界まで捻り、その反動と鬼の怪力で拳を振るう。
白夜叉が両手で弥彦の拳を受け止める。白夜叉の足元にヒビが入る。
「ヌッ、四天王を上回る威力!だがこの程度ならどうにでもなる!」
確かにそうだ。これが白夜叉と会うまでの弥彦の限界だった。しかし、これは違う。
今までの奥義にはなかった四歩目がある。
四歩、瞬時に最高密度で右腕にためた妖力を更に一点に収束させ、打ち出す。
「オォォォオ!!!」
「こ、これは・・・!!!」
弥彦の前方に向かって白夜叉を飲み込むがごとく大爆発が起こる。
「・・・ハハ・・・」
弥彦は両手をダランと下げ力なく笑う。
「デタラメ過ぎるぜ・・・まさかあの短時間で技の仕組みを理解してそれを防ぐなんて・・・」
爆煙が晴れるとほぼ無傷の白夜叉がいた。
「『絶対恐怖領域』。妖力を解放させ攻撃を弾く技だ」
「はあ、やっぱ白夜叉には敵わねぇか」
別に弥彦が弱い訳ではない。強さは波の神霊を凌駕するほどである。ただ、相手が悪かった。それだけである。
(せめて、白夜叉の足元に及ぶくらいにはなりてぇよな)
弥彦は新たな決意を胸に秘めていた。
そのころ、日本海を超えた大陸から、驚異が迫っている事を誰もまだ知らなかった。
これで諏訪大戦の章も終わりです。
この作品のお気に入り登録数が100になってるのを見て唖然としましたね。今までこの短期間でここまでなったのは初めてです。本当にありがとうございます。
次回も是非ご覧ください!