「フン、やはり負けるんだな」
負けて戻ってきた神奈子に対して建御雷神がそう言い放った。
「・・・」
白夜叉は神奈子と建御雷神を睨んで無言の圧力をかける。
「・・・建御雷神、後で覚えてろよ・・・」
「・・・負け犬ww」
「よろしい。ならば戦争d「よろしい。ならば戦争だの」ハイスイマセン」
なんとか喧嘩を抑え込んだ白夜叉はため息をつく。
(神奈子と建御雷神は喧嘩するなら片方だけ連れて来ればよかったの。代わりには・・・弥彦に神格持たせれば神奈子ぐらいにはなるの)
この作品では割と残念な扱いを受けている酒呑童子 弥彦だが実際は白雪姫より強く並みの神霊と比較しても遜色無い。
三回戦、建御雷神 対 降三世明王
「俺は日本の雷神で軍神の建御雷神という。お前は?」
「私は降三世明王。そこの大黒天を倒した明王だ」
降三世明王。五大明王の一人。三面八臂で背中に赤い炎を携える筋肉質。八本の腕の内六本は剣二本、槍一本、弓矢を持っている。
「俺から行くぞ!」
建御雷神は刀を抜き雷の如く降三世明王に斬りかかる。
建御雷神の能力は『雷を司る程度の能力』であり、雷の速度で移動できる。スピードならば白夜叉を除き日本一である。
「速い!が、」
「む?」
建御雷神の刀。剣で受け止める降三世明王。
「単調!」
「グォッ!」
建御雷神はモロに槍で刺された。さらに、その傷口が明らかに深すぎる。
これは降三世明王の能力、『神を調伏する程度の能力』である。神であるならば降三世明王の全ての攻撃は効果抜群である。
「負けるかオラァ!」
建御雷神は腕の筋肉に雷を流し腕力を強化した後、雷の如く降三世明王を斬りつけまくる。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
何処かで聞いたことのある掛け声だが気にしない。
建御雷神の降三世明王は互角の勝負をしているかのように見えるが有利なのは降三世明王にある。何せ、腕が八本あり、顔が三つあるのだから。
神奈子曰く、『愚直単調馬鹿』である建御雷神には力とスピードでゴリ押しする以外の攻撃はあまりできない。
できるとすれば、
「せいや!」
無駄無駄ラッシュとオラオララッシュし合っている降三世明王を自分ごと雷で撃ち抜くことだけである。
え?そんな事して大丈夫かって?
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
あまりダメージはない。むしろ降三世明王にダメージが蓄積する。
「まさか自分ごと雷で撃ち抜くとは・・・正気か貴様ッ!」
「雷神である俺に雷など効かぬわ!ボケ!」
余談ではあるが、戦闘している場所は無人島の海岸である。そして建御雷神と降三世明王の足元には海。そして降三世明王は背中の炎を消している。更に何度も雷を落としているという事は海にも何度も雷が落ちているという事。
さて、ここからが本題。キーワードは炎、海(水)、雷(電気)であるが、化学が得意な人はここで分かるかもしれない。
水に電気を流すと水素が発生する。それは海水でも同じ事。水素は炎に触れると爆発します。雷が海水に触れれば大量の水素が発生するのは確実。つまり、
降三世明王が、
「よっと」
背中の炎を出せば、
「こ、これはッグハァ!」
大爆発が起こる。
これを降三世明王は狙っていた。建御雷神にダメージは与えられずとも一瞬だけ動きを止めるのは確実である。
「終わりだ!『神入滅』!」
建御雷神に向かって降三世明王は極太レーザーを放つ。建御雷神は遥か彼方に白目むきながら吹っ飛んでいく。
勝者、降三世明王。仏教側、二勝目
「・・・建御雷神も負けてるじゃないか・・・バーカ」
神奈子はそう呟いた。相手が悪かった。ドンマイとしか言いようがない。
「 月夜見!次はおんしだぞ。頑張るんじゃぞ!」
「白夜王、あまり月夜見に圧力をかけると・・・」
白夜叉が月夜見に声援を送ると天照が咎めた。その理由は、
「うっ、お腹が・・・」
プレッシャーに弱かった。
(やばい・・・月夜見負けそう・・・)
〜月夜見。トイレ中〜
そして一時間後
四回戦、月夜見 対 不動明王
「はぁ、やばかったぞ」
「こ、この対戦相手大丈夫か?」
強面の仏、不動明王が強面の面に似合わないセリフを言う。
「よし、やるぞ!」
「お、おう」
不動明王は背中から蒼炎を、月夜見は刀を抜いて、
「「そらっ!」」
不動明王ら蒼炎を、月夜見は刀の斬撃を飛ばしそれを合図に戦いが始まった。
蒼炎と月光が混じり合って美しい戦いが起こっている。
不動明王の能力は『炎を司る程度の能力』。蒼炎を使用するのは不動明王にとって扱いやすいからである。
「大 炎 上 !」
不動明王は自分を中心に蒼い爆発を起こし月夜見を消し飛ばそうとするが月夜見は月の光で爆炎を切り裂いてそれを防ぐ。
月夜見が不動明王を月光レーザーで撃ち抜こうとするならそれを大火力でおしかえす。
不動明王が炎の玉を連続で撃ち出すならそれを全て斬り伏せる。
月夜見が近づこうとすると不動明王は爆発する。
このように二人は完全に互角であった。
そして小一時間ほど拮抗した戦いが続いた後、遂に不動明王が切り札を出した。
「おい、月夜見とやら。今から俺はお前に私の持つ中で最強最大の攻撃をする。それを防がれたら俺はもう打つ手がない。つまり、」
「攻撃を防いだら私の勝ち・・・いいだろう!」
不動明王は合唱し、口を開いた。
「『火生三昧』起動 煩悩燃やし尽くし烈火の如く廻れ 疑似創世図・・・!」
(疑似創世図・・・⁉︎)
試合を見ていた白夜叉は目を見開いた。
疑似創世図。仏教であるならば三千世界、道教であるならば木星の鏡像である仮想惑星の太歳といった世界観を宿した力である。
元ネタの問題児シリーズでは数個確認されているがこの『火生三昧』は確認されていない。
不動明王の双掌に炎が渦巻き収束され、
月夜見にその炎が振り下ろされる。
疑似創世図『火生三昧』の効果は凄まじい大火炎により悉くを焼き尽くし、あらゆる概念を凌駕しあたり一帯を火の海に変える。
勝者、不動明王。仏教側、三勝目
「月夜見⁉︎生きてますか⁉︎」
真っ黒に焦げてしまった月夜見を必死に水をかけて起こそうとする天照。かわいい。
「神霊はこの程度では死なぬ。まだ生きておる。あとは・・・私の権能をちょいと使えば・・・!」
白夜叉は『全ての権能を収める程度の能力』を使用し、月夜見を回復させる。ただし、気絶したままだが。
(さて、こちらは三連勝しないと後がない。大変だの・・・迦楼羅天と梵天、帝釈天・・・これは負けるかもしれんの・・・)
疑似創世図『火生三昧』は完全なオリジナルです。