東方白夜王   作:ザイソン

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ラスト・エンブリオ 拝火教の魔龍アジ=ダカーハ

白夜叉と白雪姫に紅い瞳を向けた三頭龍は、二人に近付いてきた。

 

白夜叉と白雪姫は依然としてそこに佇んでいる。

 

「・・・・」

「・・・・」

 

白夜叉と三頭龍はお互いをみたまま沈黙する。

そして20秒がたったとき、白夜叉が動いた。

 

「・・・あ」

「・・・?」

「あっち向いてホイ」

 

何を言っているんだ?三頭龍は三つの首を上、下、右に向ける。白夜叉の指は上を向いている。三頭龍は首が三つあるから不利だ。というか何してんだこの二人。

 

「・・・げ、元気かの?」

『・・・普通だ。ところで、隣の、おそらく白雪姫だな。窒息してるぞ』

「あ」

 

白雪姫は窒息して気絶していた。口を押さえすぎた。白目向いている。

 

「って、いま白雪姫と・・・どういう事だ?アジ=ダカーハ」

『貴様も私の名前を知ってるでは無いか。問題児シリーズは好きだったか?』

「・・・大好きだ・・・まさかおんしも・・・」

『あぁ。そうだ。憑依転生とでもいうのか?白夜叉も同じだろう?』

「白雪姫は違うがの」

『とはいえ、久し振りの客だ。茶でも出そう。ついて来い』

 

白夜叉は白雪姫を抱えて三頭龍について行った。

 

三頭龍は封印された後、鎖だけ引き千切ってこの地下都市に出てきたという。

三頭龍は元王宮を住処にしていた。

 

「何百年も前の茶だがいいか?」

「いいわけなかろう。というか人型になれるんだの」

 

三頭龍は人型に成って、いや戻っていた。

灰色の髪に褐色肌、紅い瞳をして古代ペルシャの王様の格好をしている。旗はこの姿でも有るが。

 

「こっちの方が気楽でな。さっきは墓荒らしか何か来たかと思って撃退のためだ」

「・・・イメージと大分違うの」

「中の人が違うからな。これでも昔はアジ=ダカーハらしく世界の悉くを敵に回していた。今は封印された身。暴れる意味無し、出ようと思えば出られるが"絶対悪(アジ=ダカーハ)"は世界の終末の時に現れるとされる。それに従うべきだと考えたのだ」

 

絶対悪の大魔王にあるまじき発言。根は良い奴のようだ。いいのか?絶対悪。

 

「さて、なら話は早い。ギフトカードはあるかの?」

 

三頭龍は懐からギフトカードを取り出した。

 

『アジ=ダカーハ/ザッハーク

・ギフトネーム

三頭の龍神

絶対悪の化身

血から眷属を生み出す程度の能力

千の魔術を使う程度の能力

影を操る程度の能力

終末の炎(覇者の光輪)を召喚する程度の能力

擬似創世図:アヴェスター

ゲーム盤:ペルシャの廃都』

 

「これはやはり問題児シリーズ仕様だの。正確には『アジ・ダハカ』とか『アジ・ダハーカ』と表記されるしの」

「そこは別に問題無いだろう」

「まぁの。ゲーム盤があるとは驚きだが」

「試してみたが、破壊した当時のこの都市のある世界に飛ばされる」

 

この時代の人には分からない会話だが、お互い似たような境遇を持つため通じている。

 

「そして分からない事がある。なぜ我々は人類最終試練としてこの世界に産まれたのかだ」

「・・・私は前世にて大学生。しかし、天才やら鬼才やら言われていたのは思い出せる。天文系の学生で・・・いたってフツーのフツーでフツー過ぎるほどフツーだったの」

「私は心理学者。人の善悪について研究していた。まぁ特に思い当たる節はない」

 

二人とも何らかの形で天動説、絶対悪に関わっていたのかもしれない。

 

いかんせん判断材料が足りない。

 

「予想ではあと二人・・・いや、三人、人類最終試練がいるはずだ」

ディストピア(閉鎖世界)コッペリア(第三永久機関)と、退廃の風・・・ディストピアに関しては時代が進めばいなくなるかもしれぬ。会うなら早いうちがいいの」

 

白夜叉はそう言うと懐からスマホのような機械を取り出した。

 

「これは念話機だ。私の番号が登録されておる。おんしは出られんだろうが私はその念話機のオマケの境界門で何時でもここに来れる。また会えるといいの」

「なぜスマホなのだ?」

「趣味。一応この世界でも遊べる仕様にしたパ○ドラとかモ○ストとかまぁ色々ゲームが入っている。充電は妖力なり神力なりを使用してくれ」

 

絶対悪の化身、アジ=ダカーハは根はいい人だった。過去にアジ=ダカーハらしく悉くを敵に回したそうだがそれは試練と化すため。優しい絶対悪。矛盾しているが、これが作者の理想なのは秘密である。

 

 

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