東方白夜王   作:ザイソン

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注意
これは崇高な虐殺と表記されておりますが決して犯罪を助長するものではありません。


崇高な虐殺

「天が呼ぶッ!地が呼ぶッ!!人が呼ぶッ!!!少し冷静にと人は言うッ!!!!」

 

どこからか声が響く。兵士と永琳、輝夜は辺りを見回す。

 

そして、

 

兵士と輝夜達の間に美麗な銀髪をした者か着地した。

 

「・・・いいだろう」

「え?」

「私は輝夜の警護役。私には此処に立ちはだかる義務がある。二人とも、行くがよい」

「あ、貴女は・・?」

「永琳!それは私がするから!」

「さ、させるか!」

 

兵士が白夜叉に銃を構える。

 

「遅い!」

 

白夜叉は絶対恐怖領域で弾いた。

その隙に輝夜と永琳を境界門に押し込んだ。

 

「貴様!」

「・・・何故だ・・・」

 

白夜叉は俯いてそう聞いた。

 

「何故、地上の兵士を殺した?貴様らの力なら殺さずとも無力化は簡単にできたはずだ・・・」

「何故?ハッ、面白いからだ。地上人が全滅したところで、我々は痛くもかゆくも無い!寧ろ興が乗るわ!」

「・・・そうか・・・ふざけるなよ貴様らぁぁぁぁあああ!!!!」

 

白夜叉は鬼気迫る神力と妖力を放ち、銀の髪から陽炎を立ち上がらせて逆立てる。眼光は金色から落日を彷彿させるか赤に染まっていく。そこにいるだけで天災を呼び込むかのような圧倒的威圧感。

そこに温厚だったかつての面影は、無い。

 

「面白いから殺した⁉︎これは戦争では無い!!!妖怪が人間を殺すのとは訳が違うッ!!!これは一方的な虐殺にすぎん!!!!まだ生きたかってのに!!!死にたくなかったのに!!!もっと笑っていたかったのに!!!貴様ら人間だろう⁉︎いや、人間では無いのかもな!!!!」

「え、ええぇい!撃て撃てーーー!神だとしてもそこらの土着神程度の神力だ!」

 

指揮官が一斉射撃を指示する。

その大量のレーザーは、

 

「くだらんッ!」

 

腕の一振りで全てかき消された。

 

「なっ・・・」

「白夜は今こそ極夜の帳と化し貴様らの月の輝きを飲み込んでやるわ・・・!!!」

 

白夜叉の銀の髪が夜の帳を彷彿させるかような闇を放つ。

 

極夜は白夜と対極に位置する太陽の運行を指し太陽が上がらない現象である。

太陽を司り太陽運行をも操る彼女にとって夜の帳を支配するのは容易である。

 

いつもの白夜から極夜と化した白夜叉は、月の兵士たちの希望(太陽)を完全に沈めるだろう。

 

「貴様ら全員くたばれぇぇぇぇぇ!!!!」

 

白夜叉に月の兵士の攻撃など張り子の虎にすらならなかった。兵士はなす術もなく吹っ飛ばされ、地面に崩れ落ちる。

 

その時、月の兵士たちは理解した。星霊最強個体で太陽を司る魔王を相手にしていることに。

 

白夜叉がたった100人の兵士を倒すのに5秒もかからなかった。

白夜叉の服と髪、顔は返り血で緋く染まった。

 

大量に出血し、両手足が折れているが呻き声が聞こえる辺り、死んでは無いようだ。

 

白夜叉は倒れた兵士を全員月人の宇宙船に投げ入れ、発射ボタンを押して宇宙船から飛び降りた。

 

宇宙船は月へと帰っていった。

 

白夜叉は境界門を開いて輝夜達の所にいった。

 

 

 

 

境界門が開いた先は平城京にある家で、永琳、輝夜、白雪姫が出迎えた。

 

永琳と輝夜は返り血で染まった白夜叉を見るなり、

 

「ちょっと!血まみれじゃ無いの!」

「今すぐ治療するから傷を「べつに必要無い。白雪、風呂沸かせ」でも!」

「永琳よ。白夜叉様は傷一つ無い。この血はおそらく・・・」

「か、返り血・・・?」

 

永琳は信じられないといった表情で白夜叉を見た。月の兵団を相手に傷一つ無い。最高神クラスでもちょっとの傷を負う。

白夜叉には、そのちょっとの傷すらない。

 

「白夜叉様、湯殿の準備は既に整っております」

 

そうか。と白夜叉は端的に返事をして風呂場に向かった。

 

「・・・おかしい」

「な、何が?」

「白夜叉様は温厚な性格。調理場が爆破した時よりも・・・いや、その比較にならないほど怒ってらっしゃる・・・一体何があったのだ」

「月の兵士が、地上の兵士を一方的に虐殺したのよ」

「なるほど・・・それか」

 

 

 

白夜叉は風呂場で血を洗い流し、座りながら即席で作ったシャワーの湯を頭からかぶった。

 

白夜叉は落ち着くまでそうしていた。

 

月の兵士は、白夜叉の逆鱗に触れたのだ。

 

白夜叉は妖怪や猛獣が人間を殺すのは仕方の無い事としている(目撃したら助けるが)。戦争で人が殺され、殺すのも戦争だから仕方の無いと割り切っている。

しかし月の兵士は違った。一方的な虐殺。必要の無い虐殺。

 

ザッハークは一方的な虐殺、必要の無い虐殺、無意味な虐殺を繰り返していたがこれは自らを試練と化すため。人類の存続に必要だからの行為。

 

月の兵士はこんな崇高な虐殺では無い。ただ、面白いから殺した。

 

「くそったれ・・・」

 

白夜叉は少し落ち着いたようで目が金色に戻っている。

 

「はぁ」

 

白夜叉はため息を吐いて風呂からあがった。

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