東方白夜王   作:ザイソン

42 / 63
零華と学ぶ妖怪

初代博麗、博麗零華は巫女である。

 

博麗神社の祭神、白夜叉が春に見つけ、育てた。

つまりは白夜叉の子と言っても過言では無い・・・と思う。少なくとも白夜叉はそう思っている。

 

素直で優しい子だ。

 

そんな博麗零華の一日は日の出と共に始まる。大抵日の出時刻が彼女の起床時間になる。

 

とっくに起きている白雪姫に挨拶をして、白夜叉を起こす。と言っても太陽の星霊だからか窓を開けて日光を浴びて浴びせると大抵起きる。

 

「白夜叉様?」

 

しかし今回は起きなかった。昨晩鬼(弥彦)達と酒盛りをしていたのできっと二日酔いにでもなったのだろう。

泥酔し、ぶっ倒れた白夜叉を運んできた鬼の四天王もとい山の四天王虎熊隼人日わく、

 

『酒樽二つ空にした後に本物の鬼殺し一升瓶を一気飲みで空にした』

 

そうなので仕方ないといえば仕方ない。普通の人間なら死んでるレベルだがそこは白夜叉なので問題無い。鬼殺しはアルコール度数うんぬんの関係では無い、もっと別の要因が働いているのかもしれない。これを一気飲みできるのは幻想郷内では鬼の四天王と頭領の弥彦、白夜叉だけらしい。

 

白夜叉曰く、『酒の神霊なら飲めるかもしれん』とのこと。

 

零華はもう少しだけ寝かせておく事にし、朝食を作り始めた。

 

献立は二日酔いに効くとされるシジミの味噌汁(※民間療法です)と、梅干し(※民間療法)と白ご飯とその他オカズを用意した。

 

(トイレ)の方向から凄い音がするが気のせいに違い無い。きっとそうだ。

 

しばらくすると、白夜叉が頭を抑えながら青い顔で居間に現れた。

 

「あー・・・あたまガンガンする・・・」

 

「朝食食べれますか?」

 

「其処は大丈夫だ・・・これがあるからの・・・」

 

そう言って白夜叉は能力でウコン(ウコンの力ではなく普通のウコン)を生み出して、丸かじりした。

 

「え・・・ちょ、」

 

白雪姫と零華は心配そうな目をして見守る。

 

そして、白夜叉はウコンを食べ終わった後、水を一気飲みした。

 

「辛ッッ!」

 

そう、ウコンは辛いのだ。だがおかげで白夜叉の二日酔いは直ぐに完治した。プラシーボ効果も作用してそうだ。

 

さて、この幻想郷において博麗神社の巫女、或いは使者(神主とは呼ばせんぞ、断じて)は重要な役割を持つ。

人里に掟を破って人里を襲う妖怪を退治することである。

 

人里に住むのは人間だけでは無い。少数の人間大好きな妖怪も住んでいる。中には人間と結婚して半妖の子を産む者もごく稀にいる。

 

話がそれた。基本的に人里内では人間を襲うのを禁止しているが、それが嫌だという不届き者も少なからず存在する。

 

そいつらをボコるのが役目である。そのためには力をつけねばならない。白夜叉が零華を直接指導するのが日課である。

 

「はい、妖怪について説明せよ」

 

「妖怪とはその殆どが人々の恐れによって発生します。例として河童なら不審な水音、不幸な水難などの恐れが凝縮して発生します」

 

「概ね正解だの。発生した妖怪は普通の生き物のように繁殖する。無論、妖力を集めるために恐れられる必要があるがの。例外として自然発生する者もおる。例えば、妖怪の山の鬼だの。そもそも鬼は広義には鬼種と呼ばれる種族の一種であり、その種その種によって霊体なのか獣のように系統樹に依存するかは違う。妖怪の山の鬼は系統樹に依存するの」

 

自然発生する妖怪は他にもおり、沖縄のキジムナーが良い例だろう。恐れを集める必要が無いが冬が近づくと妖力(妖怪達の生命エネルギー)を集めにくくなる。

 

星霊は自然発生する妖怪に分類され、白夜叉は太陽活動によって妖力が左右される。

 

白雪姫は蛇の妖怪であるが元々は神様であるがゆえに恐怖は関係無い。

 

「殆どの妖怪にとって人間の肉というのはごちそうであるがその理由を答えよ」

 

「えっとですね・・・人間には今まで味わった分の恐怖が凝縮されており、妖力を高め、集めるのに効果的だから・・・だった気がします」

 

「正解だの。人の恐れから発生する妖怪ならそうだ。とは言うものの、食人種は必ず食わなきゃいかんが、その他はそうでは無い。他にも食べ物があるしの。ちょっと脅かせば猫騙しでも恐怖(びびった)を集めることが可能だからの。人間だって同じように最高級の食材食わなきゃ死ぬって訳ではないしの。とまぁ、妖怪についての復習はここまでにして、次は神霊の倒し方」

 

「え、それは何故・・・?」

 

「もし疫病とかの化神とか悪神とかが暴れた時の対処としてだの」

 

白夜叉は神霊についてわかりやすく図式化した紙を壁に貼る。

 

「そもそも神霊は人が信仰する事によって発生する。そして、人間はその神霊の恩恵を受けて進化する」

 

「え?それだとどちらが先にある生まれたのですか?」

 

白夜叉は零華の質問にどう答えようか考え、

 

「それは・・・わからん。この逆説は誰にもわからんのだ。話を戻すぞ。神霊を殺したいならそれ専用の武器を使うか人類史を一撃で破壊し尽くす位の攻撃を浴びせれば良い」

 

「無理です」

 

「知ってる。信仰で神霊となった者は星の年代記である以上その霊格は年代記を保持しようとする強制力で蘇ることが可能であり、生半可な方法では命を奪うことはできないのだ。つまり、神霊を殺すには年代記に沿った倒し方を用意することが一番手っ取り早いの。例えば異国の神霊、魔眼のバロールは必中必勝の能力を持つ槍、"ブリューナグ"に目を貫けば死ぬ。このバロールは後天的神霊であるため似たような者も後に現れる可能性があるが・・・同じように必勝の能力を持つ槍で貫けば倒せるだろうの」

 

「いちいち用意するのはムリですよ・・・」

 

「そこで今回御紹介するのはこちら!対神用のお札!これはですね神に貼れば強烈な電撃が相手を襲うというものなんです!実際に悪神が自分に試したところ『効いた』と証言しております!今ならこの札、36800円!39800円です!」高◯社長風

 

「えっと・・・どこが事実なのですか?」

 

「実際に悪神が自分に試して効いたという部分が」

 

因みに、この悪神はザッハークの事である。

 

その後は零華の頭がパンクするまで知識を詰め込んだ。もうじき実技だから頑張れ。実技もつらいけど!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。