東方白夜王   作:ザイソン

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日食と極夜

『う・・・白・・・夜叉・・・?』

 

「この馬鹿野朗。無謀な戦いに打って出るとは・・・鬼と言えば鬼らしいが・・・」

 

白夜叉はやれやれと首を振った。

 

「まぁやはり八岐大蛇の息子というのは本当らしい。というかあれだけの天災を集められる妖怪は日本の地には少ないからの」

 

白夜叉は弥彦を地面に降ろした。

 

そしてルーミアを見た。

 

「ふむ・・・おんしが空亡か・・・」

 

「援軍?まぁどうでもいいわ。私はルーミアよ。神がやって来るとは想定外だったわ・・・でも、私は倒せないわよ?太陽神 白夜王」

 

ルーミアは白夜叉の事を既に調べ上げていたようだ。

ルーミアはニヤリと白夜叉を睨んだ。

 

「確かにの。太陽神である限り・・・私は倒せない。ルーミアよ、いや空亡。おんしの正体は・・・日食の具現だの?」

 

空亡は暗黒太陽という厨二感丸出しの異名を持つ。暗黒太陽、つまりは黒い太陽。それは日食という現象を指し、太陽を喰らう"日食の星霊"である。

太陽と真逆の存在でありながら太陽の化身である、極めて特異な存在である。

 

星霊であるルーミアを完全に殺すには無限に存在する世界を破壊し続けるようなでたらめな力が必要である。

・・・白夜叉ならできそうな気がするがそんな事をすると世界がオワタ\(^o^)/になるのでしないだろう。

白夜叉の刀は確かに星霊には効果的であるが完全に殺すまでには至らない。

ペルセウスの持つ、"星霊アルゴール(メデューサ)"を殺した鎌、"星霊殺しのハルパー"を持ち出せば話は別だが。

 

日食の星霊であるルーミアはまず対太陽神、対太陽星霊という特殊能力がある。白夜叉でも迂闊に手が出せない。

 

だから、

 

最初からガチで行くことにした。

 

ロリバージョンから大人バージョンに移行し力を底上げする。

 

「あら・・・これはこれは。中々楽しめそうね!」

 

ルーミアは闇の大剣を振りかぶって白夜叉に振り下ろした。

 

それをギフトカードからだした白極夜刀で受け止める。

 

「ぬっ⁉︎」

 

圧力で白夜叉の足元が割れる。思いの外力は強いようだ。

 

そして白夜叉は弾いてルーミアの腹部に掌底を打ち込もうとするが闇に阻まれダメージは無かった。

 

ルーミアの大剣が龍の顎の様に変容し、白夜叉の腕に食らいつこうとする。

 

それを妖力を暴発させることで弾き、

 

「コロナ砲!」

 

摂取200万度の熱線で吹き飛ばした。

 

熱線がルーミアを飲み込み、周囲の木々や地面は昇華し、残った部分は溶け始めた。

 

(やってないか・・・)

 

ルーミアは無傷でそこに立っていた。大剣で太陽の光を切り裂いたのだ。

 

(太陽、白夜力だけでは此奴を倒すのはちと厳しいか・・・負けることは無くても勝つことは無い・・・)

 

おそらく太陽の力を無効化する術でもあるのだろう。恐らくは太陽神の力を無効化する術かもしれない。

 

今の白夜の力ではルーミアを倒す事は出来ない。

 

なので、力を反転させる事にした。

 

銀の髪が夜の帳を彷彿させるかの様な闇を放ち始めた。

 

(私と同じ闇の力・・・?)

 

ルーミアは余裕な気配を消して警戒し始めた。太陽神たる白夜叉から放たれる闇、夜の力に驚きを隠せなかった。

 

極夜の力。太陽運行を司る白夜叉の裏の力だ。

 

とは言っても攻撃力が上がるとか破壊力が上がるとかそんな事は無い。攻撃の性質が変わるだけだ。

しかしこの場においてはかなり効果的だ。

 

極夜はそもそも太陽が上がらない。この状況では日食すら起こらない。太陽関係に関しては強力な性質を持つ。

 

「開けぬ夜の力・・・極夜の力を思い知るがよい!」

 

ルーミアの闇の性質の根本は日食、太陽関係だ。故に極夜には敵わなかった。

 

闇で防ごうとしても白夜叉の拳はそれを打ち砕き、攻撃してもカウンターで返り討ちにあう。

 

(こ、こいつ・・・!!!!なんて強さ・・・理不尽すぎよ!!!!)

 

性質が変わるだけでこうも違うものなのか。ルーミア優勢だったこの戦いは、一瞬で白夜叉優勢になった。

 

太陽を食らう日食。そして、それを打ち砕く極夜。

 

「おんしは確かに強かった・・・ただ己の力を過信し過ぎた!日食の闇の力を!上には・・・上がいるものだ!地平線に沈むがよい!」

 

白夜叉はルーミアの頭を掴んで、地面に叩きつけた。

 

ルーミアは重傷を負ったが、生きていた。

 

そして、白夜叉の背後から声がかかった。

 

「上には上がいるね・・・自分の力を過信し過ぎているのは白夜叉じゃねーのかよ」

 

「私は私より上の存在を知ってるしの。弥彦・・・もう大丈夫なのか?」

 

「問題ない。ま、こっちの鬼の姿の方がやっぱしっくりくる。・・・あ、あいつらにはナイショにな」

 

鬼とは思えない発言だがまぁいいだろう。

 

そして、弥彦はルーミアを見た。

 

「俺としてはこいつを殺したいところだが・・・死なないんだろう?」

 

「そうだの・・・星霊は無限に存在する世界を破壊し続けるほどの破壊力があれば死ぬぞ?」

 

「うん無理」

 

白夜叉は取り敢えず赤い封印の札を出して髪に結べた。

 

「封印か。その札、取れないのか?」

 

「大丈夫だ。まず札自身に弥彦が引き千切ろうとしても破れぬ耐性を、地獄の業火に放り込んでも燃えぬ耐火性能とか付与したしの!あとその他もろもろ」

 

「やり過ぎだよ!」

 

「さらに此奴の髪を一生伸びない様にして弥彦が引っ張っても抜けない様にした!」

 

もう何も言うまいと弥彦は思った。

 

「ところで、なんで子供になってんだ?」

 

ルーミアは封印の影響か何かで子供になっていた。

 

「いや、封印中って分かりやすくした方がいいと思っての」

 

二人はルーミアをほっといて幻想郷に帰る事にした。

 

帰ったら、宴会だ。

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