例外少女とギルガメッシュのFate/EXTRA 作:雨宮ラキ
エレベーターに乗り込み、校舎へと戻る。
エレベーターの中では、燈月の泣き声だけが響いた。
「っ…し、死ぬって…理解してたのにっ…!
やっぱり…辛いよ…っ私が慎二の人生を奪ったって思ったら…!」
燈月は泣きじゃくったまま校舎に戻ってきた。
エレベーターから降りると、遠坂凛が立っていた。
「一回戦、終わったみたいね……シンジはアンタと戦うって言ってたから、負けて死んだのはアイツの方ね。……って、なんで泣いてるのよ。」
「……一応、友人だったから…やっぱり居なくなったら悲しいんだよ…。」
嗚咽混じりに燈月が言うと、遠坂はハンカチを差し出しながら呆れ言った。
「ここは戦場なのよ?敗者に肩入れしてどうするのよ。」
「わかって、るよ…そんなの……。」
「聖杯戦争に参加した人はみんな、それ相応の覚悟を持ってここに来てるの。
願いたい望みがあるから参加してるのよ。……アンタに目的がないのはいい。
けど、覚悟ぐらいは持っていなさい。覚悟もなしに戦われるのは目障りなの。
死ぬ覚悟も、殺す気概もないのなら、隅っこで縮こまっていて。」
燈月はハンカチで涙をふいてから、顔を上げる。
「覚悟は…出来てるよ。でもさ、遠坂さん。君が、いきなり友人と戦えって言われたらどうするの?」
「そりゃ、殺すわよ。私には願いがあるわ、その邪魔をする人はみんな払いのけるわ。
……ま、口先だけじゃなければいいけど。」
そう言って、遠坂は立ち去ろうとする。
「っ…待って!」
燈月の呼び声に遠坂は振り向く。
「何よ。」
「ハンカチ、明日綺麗にして返すから。」
「要らないわ、それぐらいいくつももってるもの。」
「……あのさ、そういえば、自己紹介まだだったよね?…私は天宮燈月だよ。」
「…いきなり何よ。」
「名前、知らないと話しづらいからさ。」
そう言って燈月は無理に笑う。こうでもしないとまた涙が出てきそうだったのだ。
「……そう、覚えておくわ。私は遠坂凛よ。」
遠坂は今度こそ、去っていった。
燈月たちは部屋に戻り、それぞれ椅子に座っていた。
燈月はちょっと前、購買でかったココアを温めたミルクで溶かし、ホットココアを作りちびちびと飲む。
ギルガメッシュはその横でワインを取り出し、優雅に香りを楽しみながら飲んでいる。
黄金だというのに燈月はそれに目を向けず、赤く腫らした目をココアが入ったことによって温かくなったカップで暖めながらまた、涙を流していた。
「…そろそろ泣き止んだらどうだ。」
流石にギルガメッシュもずっと泣いている燈月を放っておくことが出来なかったのだろう。
ボソリと呟いく。
「……泣いてない。」
「泣いているではないか。…貴様がそんな調子だと明日から身が持たんぞ。」
「…わかってる。」
泣いてないと燈月は言っているが、静かな部屋にはひっくと嗚咽が響く。
燈月は泣きながら飲み終えたカップをテーブルに置く。
もともと手に持っていたクッションを力一杯抱きしめ、ソレに顔を埋める。
クッションが涙のせいか、埋めた部分から涙が広がっていく。
最初の方は嗚咽が続いていたが、時間が経つとそれが寝息へと変わっていく。
「…やっと、寝たか。」
ギルガメッシュはポツリ、とため息まじりに呟いた。
第一回目の対決が終了し、燈月の心を癒やす時間もなく、第二回戦が始まる。
誰しもが、願いを手にしたいと思い、ココに来た。
あるものはこの世界の平和のため。
あるものは自身を満たすため。
あるものは誰かのため。
また…あるものは何も持たずに。
死にたくないから。という願いで前に進む。
どんな願いであれ、皆戦う。それが友人との別れになろうとも。
願いを叶えるために見知らぬ人と戦い、前へと進むのだ。
一回戦終了しました!(デジャヴ感)
いや、べ、別にま、間違えてないですしおすし、一応、前回慎二倒しましたし
さて、ということで次回から2章に入ります!