例外少女とギルガメッシュのFate/EXTRA 作:雨宮ラキ
燈月はギルガメッシュの方を向き、驚きを隠せない表情をしている。
何時まで経っても何も言わない燈月に苛ついたのか、ギルガメッシュはもう一度問う。
「貴様が我のマスターかと、聞いたのだ。
早く答えよ、雑種よ。次はもう聞かんぞ。」
その言葉にはっとした燈月は恐る恐るコクリと頷く。
「…多分。そうだと思う。」
「多分だと?令呪が使えたのだから多分ではなかろう!」
「……」
燈月は呆れた。
それもそうだ、自分でわかっていることをギルガメッシュは聞いてきたのだ。
「と言うよりも、だな。この問が一種の契約みたいなものなのだ。
しっかりと答えよ。…まぁ、令呪があると言う事はこれを問う必要はない等しいが。」
燈月の顔に出ていたのだろうギルガメッシュが呆れながらも教えてくれる。
が、最後の方、つまりは言ってみたかっただけではないのか?
喉に出かかったその言葉を飲み込み、他の言葉を探す。
「なるほど…そういうこと。
私が貴方のマスターで合ってるよ。……貴方の事はなんて呼んだらいい?」
「ギルガメッシュで良い。我にはクラスは無いようなものよ。」
ギルガメッシュはそんなことを言いながら、片手を前に出す。
疑問に思いギルガメッシュの目線の先を見ると、先ほど燈月が敗北した人形が立っていた。
「ふんっ……我の前で身構えるとはいい度胸だな!」
ギルガメッシュがニヤリと笑うと、人形の真下と真上に穴のようなものが出現した。
燈月がなんだろう。と疑問に思っていると、真下の穴から剣や槍など殺傷性の高い武器が勢い良くでて、人形の体を貫いて真上の穴に吸い込まれるようにして戻っていった。
「……すごい。流石英雄王って呼ばれるほどの実力…。」
「これぐらい、当然よ。」
人形はそこら中に穴が空き、再起不能の状態となり、倒れた。
「手に刻まれたのは令呪……まぁ、もう知っているようだがな。
一応説明しておこう。サーヴァントの主人となった証だ。
使い方によってサーヴァントの力を強め、あるいは束縛する。
……使い捨ての強化装置と思えばいい。」
いきなり、先ほどまで黙っていた声が令呪について説明してくれる。
「ただし、それは同時に聖杯戦争本戦の参加証でもある。令呪をすべて失えば
マスターは死ぬ。注意することだ。
困惑していることだろう。しかし、まずは…
おめでとう。傷つき、迷い、辿り着いたものよ。
主の名のもとに休息を与えよう。とりあえずは、ここがゴールということになる。」
その後も、声は色々と言葉をつらつらと並べ、言葉を締める。
「君に、何者からか祝辞が届いている。光あれ、と。
では洗礼を始めよう。君にはその資格がある。
日常に背を向けて踏み出した君の決断は生き残るにたる資格を得た。
喜びたまえ、若き兵士よ。君の聖杯戦争はここから始まるのだ。」
聖杯戦争…ムーンセルが作り出した最も強き
それが今。開かれようとしているのだ。
「これからの戦いを切り裂くために用意された英霊。それが君の隣にいる者だ。」
英霊…ふと、燈月はギルガメッシュの方を向く。
ギルガメッシュは真正面を向いたまま動かない。
「…長ったらしい話はそろそろやめろ。聞いているこっちが飽きてきた。」
「おっと、済まない。どうやら、怒られてしまったようだな。
では、これより、聖杯戦争を始めよう。
いかなる時代、いかなる歳月が流れようと戦いをもって頂点を決するのは人の摂理。
月に招かれた、電子の魔術師たちよ。汝、自らを以て最強を証明せよ。」
そう、声が言うと、世界が光に包まれ、
その眩しさ故か、それとも、先ほどまではなかった令呪の痛みのせいか…
燈月はふらりと地面へ倒れ、気を失った。