例外少女とギルガメッシュのFate/EXTRA 作:雨宮ラキ
ふと、誰かの声が聞こえた。
辺りを見回すが誰も居ない。いや、それには語弊がある。
そこにはなにかの気配があった。
サーヴァント…なのだろうか。だが、1人で勝手に動いていいものなのだろうか。いや、それはマスターによりけりだろう。
なにかは分からない。だが、魔力の流れを感じたのだ。
そして、微かに甘い香りがした。
なんだったのか、燈月が首を傾けると霊体化して先を歩いていたギルガメッシュが声をかけてきた。
「何をしている。早く行くぞ。」
「いま、そこを誰かが通った気がして…。」
「なんだ、サイバーゴーストか?」
「ゴースト…なのかなぁ…」
「我は見てないから分からぬが…。」
「ふぅん…そう、なんだ。」
少し、頭に引っかかるものを感じたが気にすることはないだろう。
屋上に着くと、凛は居なかった。
お昼前だし食堂だろうか。
そう思い、屋上を後にした
***
1回の廊下に着くとありすがいた。
「あっ、お姉ちゃんだ!」
「おはよう。」
「おはよ!今日は何して遊ぶ?かくれんぼがいいな!」
背後でギルガメッシュがため息をついた。
仕方ないのかもしれない昨日の今日だ。
またあの怪物のようなものを出されてはたまったものじゃない。
「か、かくれんぼ?アリーナで?」
「あそこはダメ!は隠れる場所なんてどこにもないし!」
「じゃあ、校舎で?」
「うん!今日もお姉ちゃんが鬼でいい?」
「いいけど…。」
こんなことをしていていいのだろうか…。
という不安が頭をよぎるが、ありすはそんな事をお構い無しに廊下を走って居なくなってしまった。
「全くもって童子というのは人の話を聞かんな。」
「あはは…」
「だが、好機と考えてもいいかもしれんな。」
「…好機?」
「ああ、探りを入れてみるといい。もしかしたら情報を貰えるかもしれぬぞ?」
「ああ、なるほど。」
かくれんぼなので隠れる時間も必要だと思い、1分ほど待ってから探し始める。
あたりを見回しながら歩いているとありすらしき人物を見つけた。
途中、ラニや一成に呆れられたりしたが犠牲はつきものだ。
それが自身の印象だというのが1番腹立たしいが。
「…ありす。」
燈月が声を掛けるとありすはこちらに少し振り向き見つかっちゃった。と少ししょんぼりしながらも笑った。
「お姉ちゃん見つけるの得意なんだね!」
さて、廊下の隅にうずくまっているのを隠れているとは言えないだろうが褒められているので良しとしよう。
……苦笑い以外出てこないが。
「じゃあ、お姉ちゃんのお願いごと、なにか聞いてあげる!何がいい?」
そう、ありすは聞いてきた。
まさか、聞かれるとは思ってなかったため、燈月は思案する。
「なんだ。悩んでいるのか?そう悩む必要などあるまい。」
それも、そうだ。情報を引き出す。
それが燈月にとって今、一番大切なことだ。
「お友達…だっけ?どかしてくれないかな?」
「それはあの子に聞いてみないとわからないわ。」
ありすは首を横に振った。だが、少し考えてから「じゃあ、こうしよう!」と自分で頷きながら言った。
「今度は宝探ししよう!"ヴォーパルの剣"を見つけられたらきっとあの子も退いてくれるわ?特別にヒントをあげる!ヴォーパルの剣はアリーナに行っても見つからないよ。だって架空の剣だもの!」
ありすはクスクスと笑いながら燈月に手を振り去っていく。
「頑張ってね。お姉ちゃん。」
と一言残して。
だが、燈月はヴォーパルの剣など聞いたことも見たこともない。
どうしよう。と眉をひそめつつ元来た道を戻っていると凛が声をかけてきた。
「あら、どうしたの?難しそうな顔して。」
凛ならば知ってるかもしれない。そう思い燈月は事の経緯を話した。
「それで、ヴォーパルの剣って言うのが必要みたいで…何か知らないかな…。」
「ヴォーパルの剣?確か…理性のない怪物に有効な
「錬金術…。そっか、ありがとう。誰か探して見るよ。」
「そうしなさい。まぁ、あなたの対戦相手、なかなかに厄介そうだから手伝ってあげる。何かあれば言って。」
燈月は頷き、その場を後にした。