つまようじが思っていることはなんだろう?そう考えると少し怖い、少しワクワクする

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爪楊枝の感じていることがわかりますか?
皆さんは考えたことがありますか?


つまにようじができました

「おはよう」

 

とはいってもだれも反応はしてくれないんだろうなぁ

そんなこんなでもう5年が過ぎた。

 

「やあみんな俺の名はつまようじの洋二だ」

 

冷たい風が体にあたり体を震わせるも少しだけ回転するだけの爪楊枝さ

5年の間俺はずっと誰かに対して「おはよう」という言葉を放った。だがそれは誰にも聞いてもらえず誰にも理解されない言葉になっていた。ただ「おはよう」と元気に言葉を放ち「あっおはよう」と元気に返ってくることを期待しているのだが返答は来ない。

みんなは何故俺が一人なのだと思う?爪楊枝なら普通50~80本でケースに入っているんじゃないの?と思っているだろう。だがそれは違うんだ、何故かって?俺の今いる環境が違うんだよ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ほんの5年前

 

その時はみんなでケースに入っていつものように元気に会話をしていたんだ

 

「今日誰が使われるんだろうね」

 

「洋二~お前じゃねーの?」

 

「なんで俺なんだよ」

 

「子供に舐められるのが一番嫌だぜ」

 

「俺は中年男性に舐められるのが嫌だな」

 

「あ~それわかる。男性は嫌だ嫌だ」

 

そしてその時ガチャッという引き出しを開ける音がした

 

「お?」

 

みんなその時は嬉しそうに、まるで水を得た魚のように飛び跳ねていた

正直使われると友達が減り話す相手が減っていく。そう思うと俺は使われない方がいいとは思う。

が、逆に使われてこそ道具だし使われなければ作られなかっただろう

そう思うときもあった。

 

爪楊枝というのはあまり2度3度と使う人は少ないし使った後は大抵汚くなるので捨てることが多い。

うちの家のゴミ箱は引き出しの下にある。つまり下から俺達を見ることもできないどん底へと使用された場合捨てられることになるのだ。

俺はそれがどうしても嫌だった。まだこの家の主人があまりゴミを捨てないせいかゴミがたまるのが遅い、だから10年前まであった週1のゴミ捨てはなくなって今では1年や3年に一度までとなった。

しかもゴミ箱も昔は普通のお米の袋だったのだがほんの1年ほど前に綺麗なビニール袋になったのだ、だから爪楊枝の俺達もそこまで苦しむこともないし2度汚くなることはそうそうなかった。

 

それが何よりも嬉しくて何よりもありがたかった

 

そして引き出しを開けたご主人、今日は誰を使うのか、今日は誰を使ってしまうのかという俺達のもやもやをなくすことはなかった。主人は何もせずただ俺達も見るだけだったのだ

 

「母さん綿棒知らんか?」

 

主人は爪楊枝より綿棒を探していたのだ。

その時俺は少し安心した。そしてはあと息を漏らした。

ほかのやつに目をやると必ずしも嬉しがっているわけではなく時に悲しい顏を見せるやつもいれば俺と一緒で嬉しそうなやつもいた。

 

主人は2,3日に1度の爪楊枝を何に使うかわからないが取っていく。そして俺達が残り数本になったらスーパーに買いに行き新しい爪楊枝を追加する。しかも空いたスペースに入れるのだからうまくいけば何十年も使われることがない爪楊枝もいるわけだ

 

だがもしその爪楊枝になったとしてその爪楊枝はどう思うのだろう

俺みたいな少し気楽に生きてるやつはただ嬉しいのかもしれない。が、やはり仲間や親友が消えていくのに俺だけ消えずに「ただ見ていろ」感があるのは辛いと思うやつもいるだろう

ただ見ているだけが一番つらいと俺のじいちゃんが言っていた。じいちゃんは爪楊枝の中で一番長くここにいた。それであまりに辛くなったから引き出しがあいていた夜、どん底へ落ちていったんだ。

たまにこういう自殺行為をするやつもいる。人間も同じでこれが社会問題となっている。

 

爪楊枝にはあまり影響ないだろって?それがあるんだよ。

考えてもみろ、家にある道具や必要なスプーン、箸、フォークが次の日なくなっていたり壊れていたらどう思う?

また外へ行き買いに行かなくてはならないのだぞ?面倒だろ?それと一緒だ。

 

だが爪楊枝の場合数が多い。あまり減ったという感覚がなければ自殺し放題だ。しかも何年も使ってもらえない奴というのはあまり周りのやつと絡んだりに来たり仲良くなること自体あまりないからみんな知らないのだ。

知らない奴が死んでどう思う?何も思わないだろ?それと一緒さ

 

そういうやつのことを考えると悲しくなるよ。もし自分が使われなくて知らない奴が多くなって挙句の果て自害

 

そして今日は誰も減ることなく、だれも使われることなく1日が終わった。

 

 

2日目

 

 

今日もまた主人の足音が引き出しへと近づいてきた

足音を聞くたび俺の体はビクッと反応してしまう

 

さすっ さすっ さすっ さすっ

 

靴下が床をさする音がする

 

近い

 

近い

 

近い

 

近い、近い・・・近…い 近い!!!近い 近い

 

ドキドキが止まらない

これは恋なんかじゃない。恋じゃない、恐怖だ

 

ゾクゾク感が、緊張感が、そわそわ感が

俺達を刺激し足音が近づくにつれみなは黙り込み汗がダラダラと流れ落ちる

 

「くるぞ」

 

「今日は誰が使われるんだろう」

 

そして引き出しは開かれた

 

 

 

 

 




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