需要があれば連載するかも?
「第二回天下一音ゲ祭かー。第一回は地区予選敗退したしなー今回は決勝行きたいな」
駒王町。これだけで何か予想付いた者は居るとは思うが、今は置いておこう。
『一番広場駒王店』というゲーセンに向かう一人の少年がいた。
名は日立 遊。駒王学園一年生であり、このゲーセンの常連かつ有名人である。彼はリズムに乗って叩いたり押したり踏んだりするゲーム……通称『音ゲー』を愛する男である。
今日はどうやら朝から晩まで音ゲーをする予定の様だ……
「おっ、遊くん今日も来てるね。一緒にやらないか?」
「いいですよー僕で良ければ」
「おおう! 遊ちん来てるじゃないですかー! と言うわけで戦えやオラ」
「あ、お疲れ様ですーってその選曲殺す気ですか!?」
「ゆー先輩! 伝導お願いしまーす」
「了解ー」
なんか約1名聞き覚えのあるある声が聞こえたがスルーする。色んな人に一緒にと誘われ、置いてある色んな音ゲーを巡りに巡っていた。
ただ、彼が呼ばれる理由はそれだけではなく、彼の『超能力』にもあった。
「遊くん、知り合いの勝負運占って!」
「遊! 勉強運を占ってくれ! 明日テストなんだよ」
『音ゲー占い』である。音ゲーを利用した占いで、結果がよく当たると地味に評判だったりもする。しかも9割方プラスの結果なため更に評価が良かったりする。
「勝負運は良いですよー信じた所に行けとでましたー。勉強運は……すぐ帰ってやればなんとかなるそうです」
まぁ、それでも1割方は悪い結果が出るが。
「おっ、あいつがいる……」
「えっ、どうしたの?」
「あれ、知らない? 一年の有名人の遊」
「んー、あ、兵藤先輩お久しぶりですー。隣は例の彼女さんですか?」
学園の先輩が来たようだ。名前から察してしまう人も居るだろうがスルー。
「お久、遊。そーそーその通り、俺の彼女天野夕麻ちゃんですよ!」
「あっ、天野 夕麻です。えっと、日立くん、だっけ? どこで私の事を?」
「遊で良いですよー。みんなが『例の三人組の勿体無い変態に彼女出来た』って噂教えてくれましてー」
「待て待て、なんだそのあだ名は。これでも抑えてる方だぞ? そりゃ集中しちまってドン引きされる事はあるが」
「そりゃダメですよー……あ、丁度空きましたし、占いしましょうかー?」
「占い?」
「ああ、こいつの占いはよく当たるって評判なんだよ。ついでに言えば占い無かったら俺は多分死んでるね」
どうやら流れで占う事になったらしい。そのまま洗濯機のようなゲームに向かい、選曲する……っと、緑色のジャケットの曲にしたようだ。
「じゃあいきますよー」
その帰り、兵藤と天野のコンビは無言で歩いていた。
それは、占いの結果が原因であった……
『……先輩方、申し訳ありません……』
『おいおいどうしたんだよ、怒らんから言ってみな』
『……正直に言います。恋愛運を占ったはずなのに……先輩に今日にでも死ぬんじゃ無いかっていう位の死相が出てます。天野さんも今月生きられるのかって言う位の……』
それだけ言って遊はゲーセンから走って出て行ってしまった。さっきの言葉が本気なのに、兵藤は気付いていたからこそ何も言えなかった。
人気の無い公園に付いた2人は、噴水前のベンチに座る。
「……ごめんな、デート中に」
「大丈夫……ねぇ、1つお願い聞いて貰っても良いかな?」
「おう? 良いが……無茶なのはやめろよ」
「そう? じゃあ……」
その瞬間、兵藤は何者かに吹っ飛ばされた。
見ると、遊が覆いかぶさってる……彼が突き飛ばしたらしいが、何故?
兵藤の疑問は、黒い羽を生やした天野と、光の槍に壊されたベンチで氷解した。
「死んでくれ……あれ?」
天野が戸惑ってる内に、2人はかなりの距離を離れていた。
「公園で落ち込んでたら、先輩方がいらっしゃったので隠れてたのですが、僕、夢でも見てるんでしょうかー?」
「あら、夢じゃ無いわよ」
天野はそう答えると、先ほどの槍を創り出し、こちらに向ける。
「本当はイッセー君だけで良かったのに……まあ良いわ、一緒に死になさい!」
と、特大の槍が飛んでくる……
・・・・・遊SIDE・・・・・
なんでこんな事になったんだろう。ほんもぁおかしい。
僕はそう答えるしか無かった。
先輩方の恋愛運を占ったはずなのに、出てくるのは何故か死相。しかも兵藤先輩のは選曲段階で感じられた。
あまりの結果に公園で落ち着こうとしたら先輩方が入ってきて、と思ったら兵藤先輩が天野先輩に殺されそうになった。
なんとか突き飛ばして避けられたけど、今度のはでかすぎて避けられそうにない。
多分こう考える時間があるのは死を目の前にしてるからだろう……
『力を求めたいか?』
……これから生きる位は欲しいかな。
『そうか、無欲だな』
そりゃ、ね。僕は音ゲー出来ればそれで良いし。曲の精とか出して音ゲー指南して貰えれば嬉しいけど。
『お、おう……ここで思う願いじゃないな。だが、それがいい』
……思ったけど、誰?
『お前の神器(セイクリッド・ギア)の片方とだけ言っておこう。話す時間はない』
そう……色々聞きたいけど無理か……
『しばらく会えないと思うが気にするな。そして、もう一つが起動したようだ』
槍が当たる。血が出る。
だけど、その槍は僕と先輩の腹を軽く削ぐだけで殺せなかった。
突風のようなものに突き上げられたからだ。
そして、そこからの記憶は無い……気絶してたらしいけど、先輩から事の顛末は聞く事ができた……
・・・・・SIDE OUT・・・・・
・・・・・一誠SIDE・・・・・
兵藤 一誠だ。いや自己紹介してる暇は無いけど。
夕麻ちゃんに殺されそうになったと思ったら空に居た。何を言ってるか分からないとは思うが……
横には気絶した遊、後ろには空に浮かぶ緑髪のイケメン……なんだろうな、占いで選曲されたあの曲に似ている気がする。まぁそいつに俺らは首根っこを掴まれてた。
「……どうする、死より恐ろしい者を与えるか?」
「あらら、そうに決まってるじゃないの」
「殺す方が、面倒」
「ついでにこいつも一緒の刑にしようぜ!」
イケメンに答えたのは俺でも夕麻ちゃんでもなく、青髪の綺麗な女性、茶髪の少女、赤髪の不良だった。不良は夕麻ちゃんと同じような羽を持つ男を捕まえてた。
「な、な、何者よあんた達!? ってかドーナシークも何やってんのよ!?」
……あ、少女が夕麻ちゃんを気絶させた。んでイケメンは俺を下ろし、遊を寝かせると4人で2人を囲む……あ、地面が光った……って夕麻ちゃんと男の羽が溶けてる!?
数分後、そこには普通の2人の人間がぶっ倒れていた。うん、説明出来ない。
そして、俺はこれが始まりだとまだ気付いていなかった。