――――システム起動
――――全システムチェック
――――異常なし
「やったぞ………、成功だ!!」
うっすらと視界が開けてくる。
ここは何処だ。私は………?
私は誰だ………?
「これで、学会に発表できますね博士!!」
声が聴こえる。
音域が一人は低く、一人は高い。
「あぁ、これで………これでやっと………」
まだ、なにかを話している。
何処か嬉しそうで、感涙しているようだ。
――――あなたは誰ですか?
気が付いたら質疑をしていた。
興味が湧いた。
博士と呼ばれていた人間は私の声に気付くと、私の方を向いて何処か自慢気な表情で私に返答してくる。
「私か?私は君の産みの親だ」
産みの親………?
私を産み出した方。
「そうだな、簡単に言えば君の家族だ」
――――家族………?
家族………
よくわからない。
「難しかったか」
博士は苦笑して、頭を掻いていた。
「まぁ、いずれ理解できるさ。焦ることはない」
――――はい。
よくわからない………が、どこか温かみのある言葉と言うのは理解できた。
――――私の名前はなんと言うのですか?
ふと気になった。
「ふむ、試作9号でどうだろうか」
博士はそういうと、もう一人に声をかけた。
「何だか固くないですか?もっと柔らかーいかんじにしましょーよー」
――――この方は………?
「私の妻だよ」
「どーもです!博士の奥さん兼助手をしてます!」
ビシッと敬礼をした女性。
――――助手さんと呼ばせてもらってもいいでしょうか?
「好きに呼んでいいよー」
助手さんはのほほんと答えた。
「とにかく、君の名前を考えよー」
――――はい。
名前など、本当はどうでもいい。
しかし、あって不便なことではない。
「試作9号………、キューちゃんなんてどう?」
「少し、柔らか過ぎる気がするがまぁいいだろう」
――――ありがとうございます。
キュー。これが私の名前。
「さて、キュー」
――――はい。
「君には色々と教えなければならないことが山積みだ」
博士はどこか嬉しそうな表情でそう告げた。
そのあと私は博士の指導の元、様々な知識を得ていった。
この世界のこと、人間のこと、動物のこと。
貪欲に、貪り喰うかのように、そして、産み出してくれた博士に恩を返すために。
意識が覚醒してから約4年たった。
私がいるこの場所は日本という国の東京の地下。
施設は研究所で博士と助手さんの二人で切り盛りしている小さな所だ。
いつも通り、私は博士の研究の手伝いを終え、テレビとやらを見ていた。
そこで、見てしまった。否見つけてしまったのだ。
≪世紀の大発明!インフィニット・ストラトス≫
このときの私は、このインフィニット・ストラトスを巡る大混乱と大騒動を引き起こすなど微塵も考えていなかった。
今のキューちゃんのフォルム
立方体