財団から計画を持ち掛けられ数日後。
彼から一体のUNISが送られてきた。
ただ、外見がほとんど人間の姿形と同じで目を凝らさないとわからないレベルで偽装されている。
彼曰く、
「君たちの為に端正込めて作り上げた子だ、是非とも活用してくれ」
との事だ。
奴の性格上、まともなものではないと簡単に予想がつく。
『………でこいつはどうするつもりだ』
【さすがに捨て置くのは出来ないでしょう】
<ともかく、起動してみないことには何とも言えないだろう>
〔どうせロクデモナイ代物さ、諦めて起動しちまえよ〕
《まぁ、いいんじゃない?監視だろうがなんだろうがここではあっちに情報を送ることなんて不可能なんだしさぁ》
好き放題意見を述べて責任は私に押し付けるか………。
まぁ、それも仕方ないか。
この修羅道に引きずり込んだのは私だ。
仕方ないことだ。
――――起動しろ。
さて、蛇がでるか。
[おはようございます]
………………うん?
[おはようございます]
――――おはよう。
[はじめまして、お母さん]
――――お母さん………?
後ろで控えている兄弟が吹き出した。
後で仕置きだ。覚えていろ。
[はい。財団からそう伺っています]
――――何故私がお前の母なのだ?
[それは貴女の思考ルーチンを元に財団が再構築したからです。云わば私は貴女の娘に当たります]
………まるで意味がわからんぞ。
[財団は、私のことを《乙女》と呼称していました]
――――乙女か。
[はい]
財団には後で文句をつけるとして、こいつをどうするのかが問題だ。
恐らく、実験のためにここに送り込まれてきたのだろう。
戦闘技術、性能どちらも私たちと同等か、それ以上と簡単に予想できる。
とりあえず、保留。
我々の障害となるのであれば財団ごと報復に出ればすむ話だ。
[お母さん]
――――せめて私のことはキューと呼べ。
[嫌です]
―――………勝手にしろ。
こういうタイプは放っておくに限る。
――――とりあえずお前は、私の兄弟に施設の説明を聞いてこい。
私は多忙なんだ。こんな小娘に構っている暇などない。
[わかりました]
………どことなく不満そうな声音だが、無視する。
財団め………、厄介な物を送り込みおって………。
私は、兄弟に後を任せ、この施設のターミナルへと向かう。
世界情勢とISのことを念入りに調べなくては。
評決の日は着々と近づいている。
やれることはやっておかなければ。
≪失礼いたします≫
――――なんだ。
≪乙女が、四脚に興味を示していますが戦闘機体は四脚タイプでよろしいでしょうか≫
――――別に構わないさ。好きにさせてやれ。
やれやれ………。
とにかく今は財団に言う文句を考えよう。
まだ時間はある。