インフィニット・ストラトス≪Ⅸノ系譜≫   作:Ariha

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乙女と母と戦いと。

【財団、私はいつまでこんなことを続ければいいのですか?】

 

秘匿回線を開き至高の存在に話す。

 

私は完成された存在であったはずだ。

しかし、至高の存在は私に社会学習をしてこいと命じてきた。

 

解せない。

何故私がこんな下等な存在とともに行動しなければならないのか。沸々と怒りが沸いてくる。

 

しかし、それも後少しの辛抱………だと思う。

 

「うん?そんなこともわからないのかい?」

 

至高の存在は落胆したように声音に侮蔑が混ざる。

 

いけない、私の評価が下がる………。

 

【いいえ、でも不思議で】

 

「君には世界を変える力がある」

 

【それは貴方から耳にタコができるほど聞かされてます】

 

「そんなに言ってたかい?まぁ、いい。君はその力を振るうには余りにも幼稚すぎる」

 

【幼稚………ですか?】

 

「滑稽に見えるほどにね」

 

さすがに、そこまで言われては黙っていられない。

 

【流石にその発言は認められません】

 

「そう言うところだよ。彼らにあって君にないものを僕は学んでこいと言ったんだよ?」

 

若干、イライラしているのか至高の存在は早口で捲し上げる。

 

「とにかく、君には期待しているんだ。よろしく頼むよ」

 

何がよろしく頼むよだ………。

 

 

【はい】

 

通信を切られる。

 

私はただただ怒りが沸いてくるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初はこんな感じだったが、まぁ、なんだ。

 

諦めにも近いが、妥協という形で私の気持ちは落ち着きを取り戻した。

 

誰よりも人間を愛している4号さん。

戦いに己の存在価値を見いだした5号さん。

案外、甘い性格の6号さん。

冷徹に見えて意外としっかり者の7号さん。

不器用だけど誰にも負けない信念を持ってる8号さん。

 

いつも、手助けをしてくれるナインズ。

 

そして9号さん。

 

 

私はこんな素敵な人たちに出会えたことに感謝してる。

 

それこそ至高の存在でも羨むくらいに成長できたと思う。

 

 

だから、私は――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点の上空。私は娘の独白を聞いていた。

 

――――そうか、それがお前の答えか。

 

目の前の娘は頑なに答えを変えなかった。

 

良い方向、悪い方向、どちらにでも我々を振り回した可愛い我が子。

 

でも、それも今日で終わり。

 

 

【お母さん】

 

――――お前に母と呼ばれる筋合いはない。

 

【今までありがとうございました】

 

――――私は何もしてない。

 

【いいえ、とても。とても貴重な体験が出来ました】

 

――――そうか。

 

【でも私は至高の存在のために存在するただの機械です】

 

――――お前にとってあの男は神なのだろう?

 

【はい】

 

――――なら、何故利益にも繋がらないことをする?

 

【わかりません。ですが、私がしたいのです】

 

苦笑気味に笑う。

 

やはり、こいつは私達と同じだ。

 

私達よりも知識があろうと戦闘技術が上であろうと根本は同じ。

 

――――仕方のない奴だ。

 

【面倒な娘でスミマセンね】

 

――――まぁ、いいさ。

 

私はブレードを構える。

 

娘はライフルを構える。

 

本当に面倒だ。私もお前も。

 

 

最後の娘に対する手向けだ。全力でいかせてもらう。

 

それが、礼儀だ。

 

 

こうして、私と娘のささやかな見送りは始まった。

 

 

 

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