いつからだろうか。
IS社会に宣戦布告したテロ組織、M.R.Cは身を潜めるように表舞台には全くといっていいほどに姿を現さなくなっていた。
しかしその反対に、一機の所属不明ISが戦場で頻繁に確認されるようになっていた。
幽鬼のようにただそこに立っているだけ。
しかし、その視線は常に戦闘だけに向けられていた。
このISの目的は何なのか。
危険性を警戒しどの組織も接触はしなかった。
そして、その日も
「傭兵!早くしてくれ!追撃されている!」
「わかってるから騒ぐなよみみっちい」
「いくら何でもその言い方はよくないぞ首輪付き」
いつものように、訓練と称してワンサマーを連れ簡単な任務に来ていた。
今回の任務は護衛。
対象はインテリオルの資源輸送車。
まぁ、作戦領域に到着した時点で攻撃されているから救助のほうが正しいか。
俺はただ見てるだけ。
全てワンサマーが処理を行う。
でないと訓練の意味がない。
敵はノーマルUNISと戦闘用ドローン。
どちらも装備を見る限り粗製のとるに足らない存在。
ただ不安要素として巷で噂の例のISが上空でこちらの様子を伺っていることがある。
警戒は怠らないようにしなければ………。
あっけなく敵を蹴散らし意気揚々と報告に来るワンサマー。
ここは戦場だと言う事を忘れているようだ。
まあ無理もない、このところ自身の機体をやっと思うように動かせるようになってきたのだ。浮かれても仕方ない。
しかし、今回はワケが違う。
《可能性は殺す》
どこからともなくノイズ混じりの声が聞こえてくる。
《殺さなければならない》
音の発する方向を見る。
そこには鬼がいた。
「ほ、箒なのか……?」
ワンサマーが嬉しそうな表情を浮かべる。
そしてアホみたいに鬼に近寄ろうとする。
「まて少年!」
少年の肩をつかみ引き止める。
流石によくわからんあのへんなものに少年を近づけるのはまずい。
ましてやこちらを、殺すとまで明言している。
「離せよ!箒がいるんだぞ!」
腕を振りほどき、鬼のところへ行ってしまう。
どうやら、少年はとんだ愚か者のようだ。
「箒、俺だよ!」
………あぁムカつく。
私が死んだほうがましと感じるほど苦痛に塗れた状況にいたのにこの男はなんだ。
己の勝手でIS学園を捨て、あまつさえこんな汚れた戦場で楽しむかのように武器を使う。
《どうやら彼は状況を理解してないみたいだね》
内蔵のインカムから一夏や首輪付きに聞こえないように財団が話し始める。
「そうみたいだな」
普段から人を煽ることに全力を尽くす財団が呆れるように呟いた言葉に同意せざるを得ない。
自分が少しでも気にかけていた奴がここまで糞だとは思わなかった。
《殺すも生かすも君次第だけd「殺す」……そうかい》
財団は少し間を置き、私の意見に同意してくれる。
《流石にイレギュラーも同時に相手にするのはキツイだろうから乙女を援護に付けさせてもらうよ》
「了解」
過去との決別のためにも、彼にはここで消えてもらう。
〔お久しぶりです。彼は任せてください〕
背後でステルス迷彩を解いた乙女が姿を現す。
「あぁ」
私はLiv
昔の弱い少女はもう死んだ。
今ここにいるのは、ただの機械だ。
菱形のビットを展開し、少女だった者は裏切り者に襲いかかる。
よき戦場ライフを!