轟音。
轟音。
「あちゃー、これじゃあもう助からないねー」
目の前の天才はピクリとも動かなくなった博士をしゃがみながら指でつつきなからニコニコと嗤う。
その周囲を警戒するかのように、ホバリングするIS。
周辺からは炎が吹き上がり、地獄のような有り様だった。
ほんの一瞬、そう一瞬だった。
「まぁ、いずれ死んじゃうんだし、仕方ないかぁ」
そう天才は言うと立ち上がり、私に近寄ってくる。
――――なぜ、こんなことが出来る?
思わず声が出た。
沸々と沸き上がる激情。
そうか、これが怒りか。
――――答えろ、バケモノ。
「バケモノなんて、やだなぁー」
天才は笑みを深める。
そして、目を細目て睨んでくる。
「自分の障害になりそうなものがあれば前もって潰す。当たり前のことでしょ」
さも当たり前のことのようにそう言った。
「君たちは必ず、私の障害になる。」
――――だから殺したのか。
「うん」
………気が狂ってる。
そうとしか言えない。
「篠ノ之博士、この施設の重要箇所は全て破壊出来ました」
篠ノ之束の後ろからもう一機、ISが来る。
そしてよく見ると、血がついていた。
「うーん!上出来!さーてあとは放っておいても崩壊するだろうしこの子は放置でいっか!」
篠ノ之束はそういうと私に背を向けて立ち去ろうとする。
――――おぼえていろ。私は貴様を許さない。絶対にだ。地獄に落ちようとも。必ず見つけ出して殺してやる。
「出来るものならねー」
篠ノ之束は笑みを崩さなかった。
そう、最後まで。
奴等が消えたあと、私はロボットを捨て、奇跡的に残っていた機械に移り施設から逃げた。
それから私は考えた。
否、考えてなどいなかった。
ただひたすら知識を蓄えていた。
そのうち、私は気付いた。
博士や助手さんは、こんな愚かな奴等のために研究をしていたのかと。
インフィニット・ストラトスによる発展。
否、後退と呼んだ方が正しいだろう。少なくとも私はそう認識している。
インフィニット・ストラトスは女性しか操れない。
篠ノ之束は何を考えて作ったのか知らないが、欠陥でしかない。
これにより、女性は力を得た。
唯の力ではない。兵器としてのだ。
しかもかなりポピュラーなだ。
そして、何よりも厄介なのは、通常兵器が通用しないというところにある。
つまり、世界の軍はある意味無価値となった。
すなわち、男の価値は地に落ちた。
女尊男卑の始まり。
その後も様々な事件があった。
傍観していたが、全てが篠ノ之束が関与している。
全てはISの価値を世界に知らしめる為に行われたものだ。
――――愚かな。
人間は停滞する生き物。
その認識が私の中に生まれた。
ならば、博士や助手さんが行ってきたものは一体なんだったのか。
無駄とは言わせない。
だから、私は革命を起こす。
電脳体として、情報収集を行っているキューちゃん