インフィニット・ストラトス≪Ⅸノ系譜≫   作:Ariha

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お久しぶりです


Liv:2

気が付けば体が動いていた。

 

脳裏に浮かぶ楽しかったあの学園での日々。一人を取り合うそんな状況でもきっと楽しかったんだ。

 

なのに、今ではその記憶でさえも憎く忘れてしまいたいほど拒否反応が出ている。

酷い時など、何度も吐いたりした。

 

まるで私の中にいるもう一人の私が暴れるかのように心をズタボロにしてくる。

 

「箒!なんで……、なんでこんなことをするんだ!」

 

少年は避け続けるだけ。

仕方ないのだろう。元とは言えずっと共に過ごしてきた仲間である。

攻撃などできないのだろう。

 

しかし、それが命取りになる。

 

それが理解出来ていない。

 

ここは戦場。それ以上でもそれ以下でもない。

 

「私とお前は敵同士。それ以外になにがある」

 

元仲間でも関係ない。

今は敵同士。

それが現実であり、それを受け入れられないのなら少年はそこまでの存在。

 

私には関係ない。

 

「お前はここで消えるんだ一夏」

 

覚悟、ケジメ、過去に別れを告げ、手加減なしで戦う。

 

そもそもが間違いだった。

 

あんな矛盾だらけの学園にいたこと、天災の凡才として生まれてしまったこと。

 

私の存在意義はあの場所にはなかった。

 

そう、私はただの愚かな娘。

 

《うーん?箒ちゃん脳波に乱れが出てるよー?》

 

あぁ、煩いのが話しかけてきた。

 

《やっぱり辛い?苦しい?悲しい?》

 

知ったような口で一方的に話す。

 

《でもね、そんなの目の前にいるその子を倒しちゃえば開放されるよ?》

 

「確かにそうかもしれない。ただ倒す理由は違う」

 

これは私の決めたこと。

 

「私が決別するための戦いだ」

 

その言葉に愚姉は小さく笑い、元気いっぱいに

 

《そう。ならお姉ちゃんとしてちゃんと応援しなきゃね》

 

と言った。

 

「………ふん」

 

意識を目の前の乗り越えるべき壁に向ける。

 

律儀にこちらの動きを待っている。人間など辞めて忠犬にでもなったらどうだろうか。

 

まぁそのためには今ある生を捨てなければならないが。

 

「嬲り殺す」

 

レーザーブレードを展開。

勿論、例の粒子が大量に詰まった特製だ。

 

「………クソッ」

 

一夏もブレードを展開させる。

やっと戦う気になったようだ。

 

「俺が勝ったら絶対に訳を聞くからな!」

 

「聞かせるようなことはない」

 

そう何もない。

 

ブレードを振るい、大地を抉る。

 

チラリと乙女の方を見るが、特に進展もなく充分に首輪付きを足止めしてくれている。

 

相変わらず高速戦闘狂で怖いほど安心する。

 

「よそ見なんて余裕だな!!」

 

アラート音と共にブレードが襲ってくる。

まぁ、恐ろしいほど遅い斬撃だが。

 

「あぁ、余裕だ」

 

呆れるほど遅い。

 

「これが斬撃?」

 

一夏の斬撃をかわしつつ、溜め息を1つ。

 

「斬撃っていうのは」

 

一瞬で力を溜め、ブレードを切り払う。

 

「こういうことを言うんだ」

 

 

鮮血。

 

宙を舞う片腕。

 

「ぐあぁぁあぁぁぁぁあ!!!!」

 

一夏はその場で蹲り、動かなくなる。

 

≪やるねぇ≫

≪流石は箒ちゃんだよぉ!!≫

 

気狂い二人に絶賛されても嬉しくはない。

 

 

「貴様の敗けだ、潔く死ね」

 

思わず笑みが浮かぶ。

 

 

 

死神の鎌が今振り上げられた。

 




箒の話し方をド忘れしました。
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