その料理店にはムニエルの達人といわれている料理人がいた。
その料理人がムニエルにかけた思いとはなにか
あなたは一つの物事に対し一生懸命動いたことはありますか?
そんなことを書きました。
ここはイタリアにあるとある5つ星料理店
名前は「ブタリアン」
この料理屋の名前の由来はただ単にここのコックの一人が豚が好きという理由なだけである。
だがそのような簡単に考えられた名前も覚えやすく子供からお年寄りまで幅広い年代に知られ、今や世界の豚といっても過言ではないほどの人気度を誇っている。
名前のおかげで豚を食べにここを訪れる人が多いのだが豚は少ないのである。
ただ好きなだけで作ることもできないし仕入れさえしていないのだ。
だからといってお客様を見捨てるわけにはいかない
そう思ったある1人のコックがとった行動
それは・・・
ムニエルを作ることだった。
彼は昔からムニエルが大好きであったのだ。
それだけで簡単に作れるはずないのだが何故か大学時代ムニエルについての研究をしていてどう料理すれば一番美味しいムニエルを作ることが出来るのかも考えたそうだ
イタリアの地中海には多くの魚介類が住んでいる。
何故か彼はムニエルに特化した料理人であった。
その人気はブタリアンという名前には叶わないがヨーロッパのムニエルといわれるほどになっていた。
今の世の中一つの最強というものができてしまってはそれを越すことはできない
が、それと同等になることは可能だ。
それを彼、ダニエルは目指したのだ
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今から約9年前
そこはイタリア北部のとある民家
そこでダニエルは産まれた
金髪で綺麗な白い肌の母バザーと色は少し濃いが優しい笑顔をいつも絶やさない父マーケットの間に産まれ周りの豊かな自然に囲まれすくすくと育つ元気な男の子であった。
ある日
母バザーがいった。
「ダニエルーごはんですよ~」
母のいつもと変わらぬ綺麗で高い声が家に響き渡る。
「はーい」
僕は元気に階段を降り母のいるリビングに足を運んだ。
「今日はムニエルですよ~」
嬉しかった。ダニエルは昔からムニエルが好きだったのだ
「わーい」
元気な声をあげまだ幼さを残す手つきで平らげていた。
その頬張りようは本当に可愛くついバザーは笑ってしまっていた
「何かついてるの?」
「いいえ、あまりにおいしそうに食べるもんだからつい」
母はこう思った。
この日々が一生続けばいいのに、と
悲劇は急に彼を襲った
それはムニエルを食べて数日経ったある日のこと
「ダニエル!?ダニエルーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
母の甲高い叫びが僕の耳にジンジン伝わってくる
僕は病室にいた。
何故だかわからず気づいたらベッドに寝ていて母がお腹の近くで僕の手を握りながら泣きわめいていたのだ
「ママ、僕は大丈夫だから」
「まだ喋っちゃダメよ、今はゆっくり寝ていなさい」
母の声は少し低かった。その声には少し心配しているであろう感情がこもっていた。
ダニエルはムニエルの中に入っていた魚の骨が喉に刺さり喉が詰まってしまい意識不明になっていたのだ
目が覚めた
そこは前母を見た部屋と全く変わっていない
母は僕のお腹で蹲りながら寝ていた。
僕は少し安心した
そして僕は決心した。
「ムニエルの骨を取り除き母が感動する完璧なムニエルを作る!」
と
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そして今に至るのであった。
彼はいつもと変わらぬ手つきで包丁を使っていく
バスッ シュッ バッ
綺麗なさばく音とともに包丁を動かしているダニエル
それを見るコック長のパン
「おぉ」
あまりの感動に声が出てしまった
そして周りのコックたちも次次に声が出ていた
「おぉ」
「すげぇ」
汗がまな板に垂れるほど暑くなっていた調理場
コンロから出る熱と蛍光灯の明かりでダニエルの顏にはものすごい量の汗が流れていた
ダニエルは汗や鼻水を無視し周りの目も無視しかれこれ10時間以上キッチンにいた
「はぁ・・はぁ・・・」
つい荒い息がもれる
ぜいぜいはあはあ
ぜいぜいはあはあ
息はだんだんあらくなる
汗はより早く地面に垂れる
そしてそれから数分後
「完成だ」
みな少し眠たそうな顏をしていた。
完成した時間は夜中の2時だったからだ
「やっとできたのか?」
目をこすりながらコック長がいった
「はい」
元気だった。夜中なのにさすがだった
早速ダニエルはその完成したムニエルを母へ届けようとバイクに乗った。
それはまるで出前のおじさんみたいであった。
ムニエル片手にざるそばを持つ人のように真似て持ちバイクを走らせた
ブーン ブンブンブーン
猛烈にデカイバイク音を出しながら母のいるマロン病院へいった
受付で質問されたが予備の差し入れをお姉さんに渡し部屋番号も聞かず走った
はぁはぁはぁはぁはぁはぁ
息は料理している時よりも荒く荒くなっていた
イタリアの病院は24時間開いているのでこういうとき便利であった
208号室 それが母の病室であった
ザ―シャン!というドアを開ける音が鳴りダニエルはムニエルを持ちながら足を運ばせた
がしかし
母はもういなくなっていた
そこへさっき差し入れに持ってきた出来損ないのムニエルを片手に走ってきた受付の女の人がやってきた
「すいません、呼んでも止まらないものですから知っているのとばかり思っていて」
「その・・・」
「なんで・・・」
「え?」
女性は言葉を失った
「なんで」
「なんでなんでなんでなんでなんで?!」
「お客様冷静に」
「なれないよ!!」
凍りつくようなその声に受付女性は体が固まった
その言葉には悲しみと苦労の重みがあったからだ
彼女は黙ってしまった
ダニエルは静かにバザーの元へより彼女の手を取った
ダニエルは泣いた
その涙は今までにないくらいの思いがあった
周りの者はただ見ることしかできなかった
そしてダニエルはバザーの手にムニエルを握らせ病院を出た
外へ出てダニエルは空に向かってこう叫んだ
「いつかもっとおいしいムニエルを作るからね」
言い放った後またあの食堂へ戻っていった
いかがでしょうか?
時に笑いあり涙ありの小説だったと思います。