地雷に転生しました   作:柳之助@バケつ1~4巻発売中

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急 展 開


Dance of the eternal witch


だるいわー」

 

 麻帆良学園のあるオープンテラスで私はそう言って机に突っ伏した。いきなり何言ってんだこの幼女はと観劇者の方々から突っ込まれてしまう始まりだが、実際そうであるから仕方がない。

 だるい。

 頭痛い。

 机に突っ伏し、伸び切った自分の両腕を見る。小さい腕だ。柔らかそうな腕だ。大体十歳程度の少女もとい幼女の腕にしか見えない、実際幼女の腕でしかないこの腕が自分の腕なのだ。

 

「ないわーこれはないわー……せめてもうちょっと精神年齢が五つほどあれば見れるのに」

 

 カフェのガラスに映る顔は幼いながらずいぶん整った顔立ちだ。腰あたりまである藍色の髪も綺麗だという自負がある。五年も立てば立派な美少女だ。五年も経てば。しかし今は幼女だ。この違いは大きい。いろいろできる範囲が限られてくる。いやまぁ、この学園ではあんまり意味がないのだろうけど。そういう意味では幼女でも大丈夫か。

 この世界では幼女はステータスなのだ。うん。

 

「はい理論武装完了」

 

 というわけで自分の肉体のことは気にしない。

 気にするべきは状況である。

 現在二〇〇三年五月中旬。

 中等部や高等部は修学旅行は少し前終わり、初等部に通う自分もついこの前遠足があった。みんなで仲良しこよしお手々つないで近くの水族館。忘れたいので流すちなみに言えば私の意識(・・・・)が目覚めたのはその少し前。子供先生かっこわらいで学園中が持ち切りだった頃である。まぁ、展開なんて今更言うまでもない。ことが本格的に動くのは学園祭以降。だからこうやって怠惰に溺れているわけなのだが。

 

「そういえばそろそろヘルマンが来るあたりか……」

 

 机の上にあったティーカップに梅干しを放り込んで、紅茶を口に運ぶ。

 修学旅行以降学園祭前といえばあの変態爺襲撃だろう。フェイト・アーウェルンクスがネギ・スプリングフィールドの品定めのために上級悪魔の一角を送り込んでくるのだが、

 

「どうなるのかしらね……なんかきな臭いし。今回は」

 

 なんかよくわからない変な奴がいるはまぁいい。遠目で見かけただけだが何考えてるかまったく理解できなさそうな変な女とかエヴァンジェリンといつも一緒にいる金髪の超絶イケメンとか。ここら辺は特に不思議ではない。というかエヴァが誰かと一緒にいるというのはそれほど珍しくもないし。十回中五回くらいは糞みたいな男に引っかかって浮気されてもそれでこそとか脳みそお花畑なこといって許しちゃうツンデレロリババアがエヴァだ。百回に一回くらいはガチの化け物にってやばいけど大体がただのツンデレ幼女だ。十回中二、三回はなんか変なのとつるんでるが今回はどうなのだろう。

 あとはまぁ例の子供先生とやらが父親にも母親にも似てないうえにやたら真っ青な目をしていることもいいのだ。そういうことなのだろう。 

 でも、

 

「あれはやばいわよねー」

 

 件のネギ・スプリングフィールド。あれはやばい。なにがやばいと言われても完全な勘でしかないけど、遠くから一目見て全身総毛だった。あんなネギ・スプリングフィールドは初めて見た。これまで一度も見たことがない。ほかのだれも気付いてないだろうけど、自分だからこそ気づいたことだろうけど、あれは本当にまずいと思う。なるべくかかわりたくない。

 

「まぁ、傍観一択ね」

 

 か弱い幼女の自分は傍観一択だ。観劇はできなくとも傍観する権限くらいはある。

 京都の一件には参加できなかったのだ。何があったのかは一通り知っているし、いろいろ拙いイレギュラーが出たのも知っているが生で見るのが一番。安全圏からポップコーンでも食べてオペラグラス片手にのぞいてやろう。思いもよらぬイレギュラーがあるのかもしれないし。そう思うと案外楽しみになってきた。

 あとはなにがあるか。

あぁうん。そうね。

最後に、初見の観劇者の方々のために付け加えるなら私は転生者。前世で死んで最も偉大たる観劇者である神にこの世界に生まれ変わりをさせられた哀れな舞台役者。

 

「我こそは転生者。古津凛華と申します。お初の方はどうぞよろしくおねがいします。喜劇か悲劇か、はたまた惨劇か、演者の私にもわかりませんが、どうぞお楽しみください。くすくすくすくすくすくすくすくすくすくす!」

 

 




ヘルマン編はこんな感じでいろいろオリキャラ大量。
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