東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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どうも、ゆっくり狼牙です。

最近グータラしています。朝起きるのも結構ダルい。
大学始まった時どうするのか…

「神は言っている…だったら早起きしろと」
あ、ムリっす。
神「…(´・ω・`)」

それでは、ゆっくりしていってね。


23 武器に込める想い

前回のあらすじ

黎人と妖夢の一騎打ち

黎「あんまりって…ないわけじゃないのか。」

妖「火とか水とかの無形物は斬れませんよ。」

霊「そんな現実的な問題だっけ?」

 

 

 

「お〜あれは私を打ち破った能力じゃないのぜ。」

 

魔理沙は黎人の姿に見覚えがある。

以前魔理沙を打ち破ったのが「土」であったため、覚えがあるのだろう。

 

「ところで、あの黎人の武器壊れたが…もしかして、黎人をここに連れてきた理由ってこれか?」

 

魔理沙は霊夢が言ってた「妖夢とは相性が悪い」の意味を推測してみた。

 

「いや、違うわよ。」

 

だが、ハズレだったようだ。

 

「まさか武器が折れるなんて思ってなかったけど、たとえ武器が壊れなくても関係ないわよ。見てれば直ぐに分かると思うわ。」

 

霊夢が魔理沙に説明している間、勝負の方は熱戦が繰り広げられてた。

 

 

 

「ハァッ‼︎」

 

妖夢の斬撃が黎人に伸びる。

黎人は棍で剣を止めた。

 

ーーキィィ…ン

 

そして黎人は、剣を軸に棍を振る。

 

ーーブオン‼︎

 

妖夢は屈んで回避した。

黎人は棍の勢いを止めず回しながら縦に振り下ろす。

 

ーードシィィ…ン

 

妖夢は後ろに思いっきりジャンプして距離をとる。

着地した後、再び剣を構える。

 

 

(クソッ全然攻撃出来ねぇ。)

 

 

「土」では移動速度が極端に遅いため、距離を取られた時対処できない。

もう一度攻撃を待たなければならないのだ。

 

「どうやら、遠距離が苦手なようですね。ですが、容赦はしません‼︎」

 

妖夢は刀に力を込める。

 

「人符『現世斬』」

 

妖夢は高速で黎人に斬りかかった。

 

「……ッ‼︎」

 

「土」の防御力より、尊大なダメージは入ってないが、結構痛い。

黎人の腹部に一筋の切り傷がついた。

 

「ぬぅ…中々硬いですね。今思いっきり踏み込んだんですが…」

 

妖夢の方も思った以上の効果が無いことに驚いていたが、動揺は無い。

どう見たって、攻撃手段が無い黎人の方が不利だ。

このままでは負けてしまう。

 

「止むを得ねぇな…使うか。」

 

黎人は棍を縦に持ち上げる。

 

「土符『フラット・ボルケイノ』‼︎」

 

すると、棍を地面に叩きつけた。

途端、そこから地割れが起きた。

そして、妖夢の方に進む。

 

「……‼︎」

 

直感的に、危険だと察知した妖夢は、空中に飛び上がった。

そして、妖夢がいた地点までたどり着いた時

 

赤いマグマのような弾幕が地面から突き上がった。

 

妖夢はその弾幕を避け、一難を避ける。

体制を立て直した時、上空の方から何かが落下する音が聞こえた。

上を見上げると、先ほど打ち上げられた弾幕がまばらになって降り注ぐ。

 

妖夢は上空から振る弾幕を、避けるか斬るかして、被弾を避ける。

この時、妖夢は上空に視線を向けていた。

 

 

ーーギュウン…

 

避け切った途端、前方から音がする。

その方を向くと、青色の目をした「水」の黎人が、銃口をこっちに向けていた。

 

「これが現段階の最大火力だ。水符『ウォーターキャノン』‼︎」

 

拳銃の先に大きな光が現れる。

そして、巨大な水のレーザーが発射される。

そのレーザーは妖夢を包み込んだ。

 

 

 

 

ここで、黎人は「土」となった。

このスペルカードは、6発分の弾幕を…正確にはためている弾幕を込める技だ。

込める弾幕が多ければ多いほど、威力は倍増する。

黎人は6発分の弾幕を込めたが、逆に言えば現段階では弾幕が放てないことになる。

再び「土」となって様子を見るようだ。

 

 

土煙の中から、妖夢が現れた。

 

 

「ハァッハァッ…恐ろしい火力ですね。魔理沙さんの『マスタースパーク』並じゃないですか?」

「そりゃどうも」

 

(クソッ思ったほど喰らってねぇ)

 

無傷とは言わないが、軽傷という感じだろう。

倒せるとは思ってないが、傷を与えられてないのは少しショックだ。

 

「それでは、今度は私から行きます。」

 

妖夢は白楼剣を構えた。

 

「断命剣『冥想斬』」

 

白楼剣に緑色の光が灯った。

そして、黎人に振り下ろされる。

 

ーーガギィィ…ン

 

黎人はその剣を受け止めた。

しかし…

 

(…ッ‼︎ダメだ、弾かれる。)

 

妖夢の斬撃を受け止めきれず、弾いてしまった。

 

ーーズバッ

 

「グアッ…」

 

黎人は妖夢の攻撃に為す術が無い。

 

 

 

 

「うわー…一方的だな。」

 

妖夢の攻撃をひたすら避けるか受けるかしかできない黎人を見て魔理沙が言った。

「水」のスペルを発動してから黎人は攻撃できてない。

 

「しっかし…さっきから何で『土』しか使ってないのぜ?あれは確かカウンター主流だろ?攻撃しようがないじゃないか。」

 

魔理沙は「土」しか使ってない黎人を見て言った。

黎人の手札の中で、「土」は唯一の防御特化。

移動速度が遅いため攻撃出来ないのは当たり前だ。

それでも「土」のままでいる理由。それは…

 

「『土』しか使ってないんじゃ無くて、『土』しか使えないんじゃない?」

 

幽々子が推測した。

霊夢は頷く。

 

「おそらくそうよ…黎人が持っているのは『火』『土』『木』『水』なんだけど…『火』は武器が使えなくなったからダメ。『水』はさっきのスペルカードで弾幕を全て失ったから使えない。」

「じゃあ、『木』は?ていうか、それだけ一度も使ってないぜ?」

 

確かに『木』は一度も使ってない。だがそれは…

 

「おそらくそれは一番最初にダメになった奴よ。『木』は相手の弾幕及び気を吸収して強化するらしいけど…妖夢は弾幕はあまり使わないし、鞭なんてぶった斬られるわよ。それに…もし使ったとしても後々面倒になるから黎人が無意識に使ってないのよ。」

 

霊夢が説明した。

 

「なるほどなー」

 

魔理沙が話を聞いて考えた時、もしかして、と思い霊夢を見た。

霊夢は頷いた。

 

「そういうことよ。黎人は妖夢のような相手には太刀打ち出来ないのよ。だから妖夢とは相性が悪い。」

 

戦闘方には大きく2つのスタイルがある。

「特化型」と「万能型」

前者は得意分野では威力を発揮するが、苦手分野では遅れをとる。

後者は全ての場面で対処できるが、自分の強さを存分に発揮できない。

黎人は「万能型」に見えるが、「特化型」である。

しかも、得意分野がコロコロ変わるので、純粋な「特化型」ではない。

因みに妖夢は「万能型」。

全ての戦闘に対処できる。

 

さて、黎人は相手の戦法によってスタイルを変える。

だが、妖夢のような万能型、つまりこだわりのない相手だと適切なスタイルはない。

今黎人は手詰まりなのだ。

 

(でも…あいつはここで何かを得る。勘じゃなくて確信がある。だって、今までそうだったから…)

 

霊夢の想いを他所に戦闘は続く。

 

 

 

 

「ハァッハァッハァッハァッ…」

 

数十分くらい経ち、黎人の息が上がっていた。

ずっと防御しかしてない。

しかも、妖夢の斬れ味は上がっていってる。

自分の硬さに慣れてきたようだ。

 

(どうする…このままじゃ)

 

その時、妖夢が声掛けた。

 

「確かに強いですが、あなたは一つ、大きな過ちがある。」

その言葉に黎人が顔を上げた。

 

「あなたは武器に対して何も思ってません‼︎あなたは、武器を道具としてしか見てない‼︎だから、あなたは武器の本来の強さを引き出せずにいる‼︎」

 

なぜ妖夢がそんなこと言うのか。それは…

 

(妖夢…本気を出させるつもりね)

 

幽々子が察した。

 

「私はお爺様から預かった白楼剣が、妖怪に鍛えてもらった楼観剣がある‼︎私はこの2つの名刀を信じている‼︎あなたも、自分の奥に眠る力に向き合えば、もっと強くなれる筈です!!」

 

その言葉を聞いて、黎人が悟った。

 

「そうか…そういうことか。」

 

黎人は目を閉じて、自分自身に意識を高める。

 

 

ーーこの力を覚醒した時から、

 

ーー俺は自分のやるべきことはすでに決めていた。

 

 

 

ーーだから、もっと強くなりたい

 

ーーそして、幻想郷を守りたい

 

 

ーーだからこそ

 

 

 

ーー俺に、力を、貸してくれ‼︎

 

 

 

 

 

 

その時、黎人の身体が白く光った。

 

目を開けると、白色になっている。

 

右手には、白楼剣と同じ長さの刀が握られていた。

 

胸には新たな紋章が刻まれる。

 

 

 

 

ーーーー「金」ーーーー

 




如何でしたか?
「万能型」とか、「特化型」とかは何となくで書きました。
怒らないで、イタイイタイ。石投げないで。
それっぽい小説にしたかったんです。ごめんなさい反省はしてます。
黎「後悔は?」
してない
黎「ダメだこりゃ」


今回2つのオリジナルスペルを使いました。
一応各能力ごとに3つずつ作る予定です。
終わりまでに全部作れればいいなぁ。

さて、次回は最後の「金」の力を紹介します。
是非待ってて下さい。

それでは、さようなら〜
黎「次回までゆっくり待ってろよ。」

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