東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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はい、活動報告に書いてあった通りです
調子取り戻しました
あんなのもう二度と体験したく無い……(ブルブル)
今回で魏音との戦闘は2/3です
まぁ、次回はあまり戦わないような気がしますが…
それでは、ゆっくりしていってね


34 黎人vs魏音 ②

前回のあらすじ

黎人、絶体絶命

魏「安心しろ。痛みは一瞬だ」

黎「嘘こけ!てかマジで言ってんのか⁉︎」

※本人はネタのつもりではありません

 

 

 

 

 

 

 

此処は永遠亭

1人の患者、刄燗の治療をしている

 

「まぁ、1日経てば治るでしょう」

「そうですね、師匠」

 

たった今、治療が終わったようだ

あれほどの傷を一瞬で完治させる辺り流石永琳だ

 

「それよりも、問題は…」

 

そう言って、応接間の襖を開ける

そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ッ!うゔ……」

 

 

壁に寄りかかって座り、泣いている霊夢がいた

 

 

 

 

 

 

 

「全く、あの男は……博麗の巫女を泣かせるなんて」

 

あの男とは……いや、もう予想はついてるだろう

 

 

 

数分前に霊夢が刄燗を連れてきた

「治療してやって」とだけいい、そのまま応接間に入る

その後、壁に座り込んで「なによ……」と言って泣き始めたのだ

詳しくは知らないが、黎人と何かあったことは間違いなさそうだった

 

 

 

 

 

 

 

「全く、世話がやけるわね」

 

永琳は応接間に入った

 

 

 

 

 

 

 

『お前が居て何の役に立つんだよ!!!』

 

その言葉が、霊夢の頭をループする

実際その通りではある

あの狂気の男とは、戦える確信どころか、自信も無い

だが黎人に邪魔扱いされたことは、霊夢にとって悲しみ以外の何者でも無い

 

 

 

 

 

 

「随分ヒドイ目にあったみたいね」

 

隣から声が聞こえる

そこには永琳が座っていた

 

「あなたがそこまで泣くなんて、空から矢でも降ってくるんじゃないかしら?まぁ、それだけあの男があなたにとって掛け替えのない者だ、てことなんでしょうけど」

「……うっさい、泣いてなんかいない」

「強がらなくってもいいじゃない」

 

医師は怪我や病気の治療だけすればいい、て訳ではない

患者の心のケアも立派な仕事だ

少なくとも永琳はそう考えてる

 

「そうね……私は、色々な患者の治療をしているんだけど、診察の時に一番して欲しくないことがあるの」

 

永琳は語り出した

 

「それが何だか、わかる?」

「…知らないわよ。反発か何か?」

 

永琳は微笑んだ

 

「我慢、よ。本当は苦しいのに、強がって、何でもないと言われるのは凄く嫌なの。ここでは、ありのまま話してほしいと思っているから」

「……」

 

霊夢は俯く

 

「苦しくなった時は、ぶつければ良いのよ。大丈夫、あの男は受け入れるから」

 

永琳は確信していた

黎人は霊夢の想いを受け止める、と

そして、一歩先に進む、と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ハァッハァッ…」

 

黎人は息切れする

あまりにも激しすぎる攻撃に防戦一方だ

 

「ハァッ‼︎」

「チィ‼︎」

 

魏音が爪を突き刺す

黎人はそれを回避

そして、その爪は後ろの木に刺さった

 

「うげ、炭になった……どんだけ熱いんだよ、あれ」

 

刺さった部分は黒くなり、ボロボロと崩れた

それがその威力を物語っている

 

「畜生、火符『熱線ロッド』」

 

炎の槍を展開

そのまま一直線に魏音に伸びるが

魏音は鱗を纏い槍を受け流した

 

(……!)

 

「無駄だ。貴様の攻撃では、俺にダメージを負わせることは出来ん」

 

魏音は翼を纏った

 

「風翔『嵐砲翼』」

 

翼を羽ばたかせると、強力な風の衝撃波が現れた

黎人はそれに直撃する

そのまま大木に激突した

 

 

 

 

 

 

 

魏音は黎人に近づく

足音が響き渡る

黎人は立ち上がろうとしていた

 

 

「まだ立つのか?呆れたものだ。勝てないと分かって戦うバカなのか、今の現状が分かりきってないのか…いずれにしても愚かなものだ」

「ウッセェ」

 

黎人は立ち上がった

 

「別に勝てるつもりで戦ってんじゃねぇよ。俺は、平然と人を殺そうとするテメェの神経が気にくわねぇだけだ。バカと言われようが愚かだろうが…お前を倒さねぇと気がすまねぇんだよ」

 

魏音は立ち止まった

黎人は「金」になった

攻撃出来るように

 

 

 

 

 

 

「貴様らはいつもそうだ」

 

すると、魏音が口を開く

 

「人間は平然と有りもしないことを言う。愛だの理想だの正義だの誇りだの希望だの…口からはそんなものがペラペラと出る。実際現実どうなっているのかも知らず、戯言ばかりほざく。俺は認めん。人間が描く世界を、人間が作る世界を…人間を」

 

魏音は爪を展開した

先ほどの紅斬手だ

 

「それは貴様も例外ではない」

 

そして、魏音はその爪で

 

ーーズシャ…

 

黎人を貫いた

 

「ガ……ハ、ァ」

 

血が流れる

煙が上がる

黎人の口からは血が止まらない

 

「さらばだ、斐川黎人。理想など、あの世で永遠と語るがいい」

 

 

 

 

そのまま、爪を引き抜いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーガシッ

 

その手を黎人が掴んだ

 

(……!こいつ、まだ)

 

「……ハハ、さっき熱線ロード出した時に分かったんだが…

 

 

 

テメェ、同時に2種類の変化は無理なんだな」

 

 

鱗を出した時、魏音が爪を戻したのを見て、黎人はもしかして……と思った

そして、同時に秘策が思いついた

 

「それがどうした」

「大有りだよ。つまり今、鱗は出せねぇんだろ」

 

 

秘策とは、爪を自分の体で受け止め、鱗を出させないようにすることだった

 

そして魏音の掴んだ右手とは逆の左手で、剣を振りかぶった

 

 

 

魏音はその時初めて、動揺した

この掴まれた状態で手を離したら、熱した黎人の体で自分の手が火傷する上、そこから鱗を出す時間も無い

完全に詰みの状態になった

 

 

黎人は霊力を最大まで貯める

 

「覚えておけ…追い詰められたネズミほど、怖いものはねぇんだよ!」

 

そしてそのまま剣を振るい、

 

 

ーーザシュッ!

 

 

「金」の最骨頂「銀風」が発動した

 

 




黎人、起死回生
え、あんなもので身体貫かれたら普通死ぬだろ、て?
大丈夫です。ファンタジー補正です(便利)

次回で終盤
戦いの行方はどうなるのか、そして霊夢はどうするのか
是非次回も見てください

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