後半は戦闘が殆どです
相手は天狗のあの2人です
それではどうぞ〜
前回のあらすじ
黎人タヒかける
黎「笑い事じゃねぇぞ…」
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「午後は実際に戦って行きます」
「ああ、成る程な」
黎人が気を取り直してしばし、昼食を食べ終えて少し広いところに出た。何しろここは、天狗たちの訓練所も兼ねているそうだ
「天魔さんに頼んでみた所、使用許可が得たついでに天狗たちも一緒に戦ってくれるです。なので、これからしばらく彼らと実践形式でやってみてください」
「分かった」
「それでは私は少し外れます」
惣一は外に出た。と同時に天狗たちが一斉に来た。天狗たちとのサドンデスマッチ、一人側はかなりのリスクと疲労を負わせる代わりに戦闘に必要な物全てが鍛えられる。一人側の方にかなりの実力がないと成り立たないが、黎人はかなりの上達者である。異論は無く、直ぐさま訓練が開始された。
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訓練は順調である。特に何か問題がある訳でなく黎人は天狗たちを倒していく。山の警護をするだけありかなり強者ばかりだ。相手にとって不足はないが、不満はある
「誇るがいい。我と対峙する運命ガハァッ」
…妖怪って厨二病と決まってんのか?
「分からんのか。もう既に決着がついたということゲブハァ‼︎」
「さぁ目覚めよ!我がブラックシャドウムーンドバァ‼︎」
「ふ…貴様がいつまで戦っていられるノヴァ‼︎」
「オンドゥルルラギッタンディスカー‼︎…ワダァ‼︎」
ウルセェというのが黎人の感想である。ていうか最後は絶対仲間はずれがいるよな…
「いい加減にしろよ…いつまでこんな相手とやらせる気だ」
大概イライラしている。無理もない。
「次は私が行きます」
そうして出てきたのは山に来たばかりの時に黎人を襲った…
「……椛か」
である
両者構える。椛は天狗たちの中では下っ端の方らしいが、実力で言えば上級。ひょっとするとトップに入るんじゃないかと天狗たちの中では言われていた。
(油断は禁物…か)
黎人は慎重に、「金」で距離を詰める。
先に仕掛けたのは、椛だった。愛用している剣で相手の顔面を斬りつけようとする。刀でそれを防ぎ、暫く耐える。その後椛は剣をひき、別方向から振りかぶる。防がれれば、また攻撃し直す。暫くは椛が一方的に斬りつけていた
「どうしたんですか…⁉︎仕掛けないといつまでたっても攻撃出来ませんよ」
いつまで経っても仕掛けない黎人に違和感を感じたのか戦闘中に諭す。だが黎人は構わず、攻撃を受け続けていた。それは、機を伺っているようで…
「そのままでいる気なら、容赦なく行きますよ!!」
ついに吹っ切れた椛、剣を払ってその勢いのまま刀を振る。それが黎人の顔面に近づく一歩手前だった。
「金符『風神の鎧』」
それは阻まれた。刀を防いでいるのが見えるわけでは無いが、実際動いているわけでは無いから黎人が何かしたのは間違いない。
「な……くっ」
体制を立て直そうと後方に飛ぶ椛
だが、それがいけなかった。
「金符『禁なる金縛り』」
黎人から白色の光が発せられる。それは後方に逃げている椛を追いかける。スピードは若干その光の方が速く、椛はその光に追いつかれる
「な……これは…⁉︎」
十字架に張り付けられたかのように固まり、動けなくなる
そして、椛の目先に剣を突きつけられる。
暫し時が進む。この状況を打開する術は持っていない。
一応訓練であるから殺傷は避けるべきである(気絶はセーフ)そのルールで剣を突きつけられた時は…
「……参りました」
勝負がついた事を示す。
「すごいですね〜。あの椛をおいつめるとは…」
その様子をバッチリ写真に撮り、感嘆の声を出す文がいた。
「茶化すんじゃねぇ。邪魔してぇのかテメェは」
怒りを露わにする黎人
「まさか!感心してただけですよ」
黎人は察した。この鳥は、焼かなければ分からないらしい
「あの…一体何が」
椛が恐る恐る聞いてみた。攻撃を受け続けたのは機を図るためだというのは分かる。だが急に攻勢が変わったことは何故か分からない
「……ガキの頃通っていた師範が言っていたがな…大きく踏み込み過ぎて防がれた時に人はかなり体制を崩す。それが格好の的になるらしい。それに…」
黎人はここで一呼吸置いた。一体何が…と思うより前に黎人は口を開く。
「お前のように真面目で堅い奴はそれが顕著になるらしい」
「な……!?」
「…ぶっ」
「文さん!?」
思わず吹き出してしまう文。椛は顔が真っ赤になる
黎人はそのやり取りを無視して続けた。
「だから基本的には回避できるような体制で戦うのが良いと言われている。ここから先また戦うことになるだろうが、覚えておいた方がいいぞ」
「…分かりました。ありがとうございます」
話はついたようだ。
「それじゃあ引き続き戦ってください」
文が続きを促した。
「……………」
突如黎人が文を冷めた目で見る。
「え?どうしたんです…」
「お前…空気読めねぇのか」
よく見たら椛も文を同じ目で見ていた。ていうか天狗たちが一斉に文を見ている
「あれ?みなさん、何で私を見るんですか⁉︎」
考えればすぐ分かる。堂々と安全地帯で観察している同胞がいると分かれば思うのは一つ
『何でテメェは戦ってねぇんじゃああぁぁぁ!!!』
「あ、あははは〜では私はこれで」
戦略的撤退を試みる文、だがそれを見過ごすはずもなく…
「戦え、文ァァァァ!!!!!」
「ヒィィィィィ!!!!!!!」
天狗たちによって強制的に戦場に立たされた。
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「ハァッ私は戦うのは好きでは無いんですけどねぇ」
「いやそんなの通じる訳がねぇだろ」
しぶしぶ黎人の前に立つ文。サボろうと思ったのかマヌケがぁ、と言う声が聞こえてくる
戦闘が始まり構える。文は階級的にも実力的にもトップに立つ存在。その戦いに見ている天狗たちも興奮し、熱い応援が飛び交う
「頑張れー黎人さーん!!」
「文を打っ飛ばせーー!」
「Σ 私に応援は無いんですか⁉︎」
「…よっぽど人望が無いんだなお前」
まぁ、サボろうとする上司を応援する人はいないか…
黎人は「火」となり文に飛び掛かる。こういう時には先手必勝だと習った。
「おっと!危ないですね」
だがそれは敵を捉えず空をきる。文は遠くに移動したようだ
「逃がすかよ‼︎」
黎人はその方向に向かって飛ぶ。それは文より素早くあっという間に追いついた。
「な……速っ⁉︎」
「ハッその程度のスピードで逃がすわけねぇだろ」
剣を握って攻撃を仕掛ける。
ーーーバゴーーーン‼︎
「ホゲーーー!!!」
「………」
全員沈黙。物凄い勢いで大木に激突した黎人はそのままぶっ倒れた。流石に木にもヒビが入っている。よそ見禁物、ダメ絶対
「えーと…大丈夫ですかー?黎人さん」
流石に文も驚いた。あのスピードで木にぶつかれば痛いどころでは済まない。
黎人は起き上がった。
「テメェ…やってくれたじゃねぇか」
「いや何もやってないですよ!?」
顔面が完全に腫れ上がっており鼻血まで出ている。寧ろ鼻血で済んだことに驚きたい。
「仕切り直しだ…続けようぜ」
「あのー…本当に大丈夫」
「いい、つってんだろ‼︎」
「でも『ホゲーーー』って」
「言うなー‼︎」
応急処置で取り敢えず何とかして試合続行。顔面に包帯していて大丈夫そうには全く見えない
「もとより訓練だろ。この程度の傷でいちいち止めていたら全く先に進まねぇだろうが」
だが、黎人の言う通り時間がないのも確か
多少の傷が出ても出来うる限りは挑戦すべきである
「分かりました…それでは続けましょう」
文も決心したようで試合続行の意を示す。すると、文は上空に飛び上がった。
(よし…)
先ほどの愚を犯さぬよう慎重に木を登る。この時に「火」は本当に役に立つ。
先ほどのことで分かった。生半端なスピードでは追いつかれる。木にぶつかってくれたおかげで何とかなったがそうでなければ一瞬で決着がついたであろう。ここは全力を出さなければならない。木のてっぺんに黎人が立った。やはり速い。
「御見逸れしました、黎人さん。中途半端に手を抜けば、私が確実に負ける。だからこそ、全力で行かせて貰います」
ここからが本番
文はここでスペルを発動した。
「幻想風靡」
文が超光速で駆ける。人の目には追いつけぬ速さで、黎人の周りを惑わすように移動し続ける。
(速っ…⁉︎)
目で追いつけない為「水」であっても追いつけることはない。いや、目で追おうとしてもすでに居なくなってる感じだ
途中、黎人を囲むように弾幕が襲いかかってきた。
「げ…打ち続けてたのかよ」
文の動きに意識が行きすぎたせいで弾幕に気付けなかった。
「チ…火符『フレイムウォールプール』」
周りに渦巻き状に弾幕を出す。そして弾幕どおしがぶつかって相殺される。
(くそ……このままじゃジリ貧か…なら)
黎人は意を決した。
「火符『熱線ロッド・剛射』」
黎人の手に炎の槍が一本だけ出される。普通の熱線ロッドなら二本だが、威力と霊力を一本に集中させたのが剛射である。加えて、片手ならスピードが出る
(速くなっても2人になったり消えたりするわけじゃねぇ…意識を集中しろ!文の行く先だけでも捉えれば‼︎)
集中力を高める。文の姿…いや、行く先を捉えることだけに。目を光らせ、全方向に意識を向けた。
そして…
「そこだぁぁぁ!!!!」
捉えた黎人はその方向に槍を飛ばした。その槍はグングンと伸び…
「あやや!?まさか…」
しっかりと文を捕らえて爆風を引き起こした。
「ふう…」
何とか倒した。ほとんど奇跡に近い。一瞬のブレがあれば外してた。上手くいって良かったと安堵する黎人
だが、休む暇は無かった。
「文さん!!」
椛の声にハッとする黎人
上空で倒されればそのまま地面に落ちる。あの高さで落ちればただ事では済まない。
「不味い‼︎」
木から木に飛び乗り文の落下地点に急ぐ。だが黎人が文のところにつくより前に文が先に落ちる可能性がある。
(くそ…!もっと出せよぉぉぉ!!!!)
黎人はその足に力を込めた。
天狗たちが上空で文が倒れるのを見た瞬間大慌てで文の落ちるほうへ駆ける。あの性格ゆえ非常に腹たっている天狗もいるが、決して嫌っている訳ではなく、文が死ぬのは望んでいない。急いで駆けるも虚しく、みるみる内に文と地面の距離が小さくなる。
「文さーーーーん!!!!」
そう叫んだのは何かを期待した訳ではないが、それに応えるように彼らの横を超高速で何かが駆け抜け、文を救い出した。それは上空に飛び上がり、その姿がハッキリと分かった時に、天狗たちは思わず絶句した。
「ハァッハァッ…間一髪だった」
文を何とか捕まえて、黎人は彼女を抱えている。彼女は完全に気絶しておりビクともしない。
「ん?」
突如天狗たちが驚いた表情でこちらを見上げていた
(一体どうし…た……)
何に驚いているのか。考えてる途中で気がついた
今自分は下を見ている。だから天狗たちは見上げて彼を見ているわけである。更に、彼の足元に何かあるわけでもなく、何かに引っかかってるわけでもない。
つまり、今の状況は……
「飛んでる!!」
「Σ 気づくのオソッ‼︎」
絶賛飛行中である。
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「ある程度霊力が高まれば、空を飛ぶことぐらいはできますよ。ほら、私も霊夢さんもよくやってるでしょう?」
「…いや、まさか自分が飛べるようになるとは思わなかったしな…」
訓練終了後、早苗から説明をしてもらっている黎人
このことは惣一には全く分からない為彼女に説明してもらったほうが良い訳だ。天狗たちはあの後仕事に戻ったため説明してもらえなかった。
「まさか文さんを救うために飛び方を習得するとは…」
「俺もビックリしたよ」
死ぬ気になればなんでもできる、と誰かは言った。その言葉、正しいのかもしれない。
「ただまぁ、飛び方には慣れないけどな」
「でしたら…明日から飛ぶ方も練習したほうがいいですね」
惣一が明日から練習メニューを追加することを宣言された。
「それがいいですね」
「私にはさっぱりですので…早苗さん、よろしくお願いします」
「任せてください」
「…悪りぃな」
別に異論はない。飛び方を教えてもらえるなら願ったりかなったりだ
「さ、夕飯にしましょう。もう夜遅いですから」
「そうですね」
「あぁ」
彼らは夕食をとった。
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ほとんどの人が睡眠についた頃、黎人は外で何かを始めていた。それは…
(身体能力だけじゃねぇ。能力の方もしっかり使いこなせねぇと強くなったとは言えない)
能力使用の特訓だ。実践形式で能力を使ったりはしたが、それだけでは使いこなせない。もっと時間をかけて自分の能力に磨きをかける。そして、実力を高めておくべきだと黎人は考えている。いや、正確には…
(アイツは自分の能力を知り、その上で戦い方を磨いた。使いこなせなけりゃただの飾り同然…!)
あの夜に自分と戦った『あの男』は、自分の能力をフルに使っていた。あの域に達するまで研鑽を積まなければならない。その思いを胸に特訓を続けた
その後就寝したはいいが、夜中までずっとやったせいで翌日なかなか起きれなくなり爆弾で起こされるハメになるのだが…
天狗との戦いで更に磨きをかける黎人
彼は修行後どの様に成長するのか
……へ?もう一人居ただろ、て?
あっ(作り終えた後で気付いたパターン)
今回で修行を載せるのは最後です
飛ぶ方の訓練は出せたら出します(適当)
次回は黎人から離れてあの人視点で流します
それでは、次回まで待ってて下さい