東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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さて、いよいよアイツが復活します
それでは、ゆっくりしていってね


51 予告外れ

前回のあらすじ

刃燗(ばらん)は波乱(はらん)の道をいく

刃「…………」

…すいませんでした

 

 

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「どうりゃあ‼︎」

黎人はその刀を思いっきり振った。それを受け止めようとする天狗も刀ごと吹き飛ばされる。

 

 

 

「流石ですね…昨日より一段とパワーが上がっている。しかも、剣の捌き方も達人並…ではないですけどそれでも様にはなってます。本来の剣の振り方を習得した、ということでしょうか」

 

修行を続けること2週間、惣一の言う通り黎人は上達していってる。実は2日目以降に天狗たちとの試合の時に縛りをつけた。一試合に使える形態は一つまで。しかもローテーションで変えていくというものだった。1日目はアッサリと天狗たちを倒した為その縛りを追加したのだが、それ以降黎人は泣きを見る。

特に「水」と「木」は酷かった。「水」では弾切れになれば打つ手なし。「木」では命懸けである。敗北の数は100以上は数えてない。

しかし…

 

 

 

「うらぁ!!!」

 

今では「水」のリロードにかかる時間が減り、「木」の戦闘もスムーズに出来るようになった。

 

(黎人さんの能力は日に日に進化している…それも急激に。戦闘センスも最初の時と比べ物にならない。この成長速度はもはや、才能とかしか言えないですね)

 

黎人の成長の様子は、目を見張るものがある。そう感じていたのは、惣一だけではなかった…

 

 

 

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「見事なものですね…よくも2週間でここまで仕上げたものだ」

 

誰もいない暗闇の中

モニターでディルは黎人の訓練の様子を見ていた。

 

「流石としか言えないでしょう。やはり、ディル様のおっしゃる通り、といったところでしょうか」

 

すると後ろからエルサがその部屋の扉を開けながら話す。

 

「そうですね…私の目に狂いは無かった。あの男に能力を与えたのは正解だった、ということでしょうか」

「また自分に酔いなさる」

 

ディルが自賛するのはいつものことだ?しかも間違ってないから否定は出来ない。その様子にエルサはただただ苦笑するしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでエルサ……貴方はなんで嘘をついたんです?」

 

 

突然、ディルの声のトーンが低くなった。エルサはその様子に一瞬怯んだが、すぐに持ち直した。

 

「嘘…ですか?黎人にかけたあの言葉のどこにあると…」

 

状況的にあの時黎人と会った時しかありえない。それにエルサは実際、嘘を一つだけついてた。

 

 

 

 

「黎人にかけた言葉に嘘があるとは言ってません。私が言いたいのは、封印の期間です」

 

ディルは分かっていた。エルサが作為的に仕掛けた罠に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「封印の期間は1ヶ月では無く2週間。つまり、今日解き放たれるではないですか……」

 

 

 

 

 

 

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ーーピシッ

森の奥でヒビが生える。誰もいない土地、誰も寄らない場所で突然割れ目が入る。そのヒビは徐々に大きくなる。

 

 

 

 

ーーピキッ…バキバキ、バリッ

やがて穴が空いた。その中は黒く、禍々しい空気が漂う。そしてその中から手が現れた。

 

 

 

ーーバリィィィ……ン!!!

 

その手は穴を広げるように動いた。現れたその姿は若干黒く、嫌な雰囲気を漂わせる。それは穴を出るように動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(クソっ……クソっ)

 

頭に思い描くは自分を封印したあのローブの人物。自分を追い詰め、手も足も出させなかった。その怒りを表に出すように叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「クソォォォォォォォォォォ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

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遠くの森に反応して、惣一のポケットに入れていたレーダーの音が鳴った。

 

「な…馬鹿な、まだ一ヶ月には…」

 

惣一はポケットに入れていたレーダーを取り出すと、間違いなくあの森にマークしてある。

 

「どうした?」

 

その様子に嫌な気配を感じて黎人は声をかける。

 

「…このレーダーは、特定の場所に端末を置いて、そこ付近で起こった異常事態を知らせるものです。特に、巨大な音声、尋常でない覇気に反応します。距離にして20メートルまで」

「…相変わらず異常だよな、お前の持っている物はは」

 

一体何をどうすればそんな便利なのが出来上がるのだろうか…

しかし、惣一はそれを聞いている余裕は無かった。

 

「私は、黎人さんが最初に説明を聞いた後、その鵞羅といった人が封印されたという森に複数の端末を設置しました。そこは、人間どころか妖怪や動物は居ない…いえ、そもそも妖怪や動物はそこに入れないようになってます」

 

黎人はそれで一つ納得した。あの時自分を追ってきた蜂が突然追っかけて来なかったのは、あの森に入って来れないからであった。

 

 

 

 

「人間はそこに入れます…が、もとより森というのは人間は入ろうとしない。なのでそこに来れるのは、いや、そこにいるのは『その場所に入った人』だけです」

 

そこまで聞いた時、黎人は察した。惣一が何を言いたいのか。正確には、何が起こっているのか。

 

「データを調べた結果、そこに入った人物は…黎人さんに霊夢さんや刃燗さん、そして魔理沙さん…それを抜かしてあと1人」

 

惣一は知らないだけで正確にはもう一人いるのだが、それである可能性は全く無いだろうと分かった。エルサは何もなしにそんなところに来る訳がないのだから。

ということはつまり…

 

 

 

 

 

「それは、黎人さんが言っていた鵞羅という人で間違いありません」

 

 

 

 

「くそ…!どういうことだ。一ヶ月もたってないじゃねぇか」

 

聞いていた内容と違い、焦る黎人。一ヶ月だとエルサは言ったのに、半分もいってない。訓練も充分とはいえず、まして準備も整ってなかった。

 

「場所は分かるか?」

「…ここからかなり遠いです。それに、険しい道を行かないといけませんから、時間にして3時間は掛かります」

「そんなノンビリしていたら、とんでもねぇ事になるじゃねぇか…そのレーダーを貸してくれ!何だったら飛んででも…」

「飛べば体力を消費して…ですが、急ぐためにはそれしか」

 

 

 

 

《ブーッ、ブーッ》

 

 

惣一が身につけている電話が鳴っている。惣一はその電話をとった。

 

「はい、稲田です」

『おっす盟友。私だよ〜』

「にとりさん⁉︎」

 

相手はにとりだった。

 

『以前言っていた奴が出来上がったから、報告しとこうと思ってね』

 

前ににとりに渡した設計図に描かれているものが出来上がったらしい。

 

「丁度いい…今すぐそっちに向かいます」

 

惣一は電話をきった

 

 

「おい、どうし…」

「黎人さん…少し、一緒に来て下さい」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

長い間、暗闇にいた。どう足掻こうと、能力を使おうと

ビクともしなかった。いや、効果どころか手応えが無かった為、苛立つどころのレベルじゃない。漸く出た頃には、黎人を始めとしたそこにいた者は全ていなかった。

 

(ふざけやがって…)

 

鵞羅は色々と我慢の限界だった。ここまで鬱憤が溜まったのは、理不尽な言いがかりで仕事を辞職させられたあの時以来だった。この怒りを晴らすには、ただ殺すだけじゃ足りない。存分に痛めつけ、泣かせ、救いを乞うぐらいまでにしないと収まらない。それぐらいの怒りが鵞羅の中に詰まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなところにいるのは…やっぱりテメェか、鵞羅‼︎」

 

すると、背後から声をかけられた。振り向くとそこには…

 

 

 

 

 

 

「お前の好き放題にはさせねぇぞ。アニキがいない今、俺がお前をぶっ飛ばす!」

 

封印される前に黎人と共にいた、刃燗だった。

 

 

 

 

 

 

 

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「なぁ、ここは?」

「にとりさんのラボです。彼女は、機械を作ったりするのが得意ですので」

 

妖怪の山のある場所、立派とは言えないが、木だけで家が建っているのは素晴らしい物だ。黎人はコンクリート造りの家かレンガ式の家しか見たことないので少し違和感を感じている。

 

 

 

《ガチャ》

 

「にとりさん、惣一です」

 

扉を開けて惣一は声を上げた。

 

「おお、よく来たね。まぁ、上がってくれ」

 

奥から上がって良いという声が聞こえ、惣一は部屋の中に入る。それに続いて黎人も中に入った。

 

 

 

 

部屋の中に入って、黎人は衝撃を受ける。

 

「な…何だ、これ…」

 

そこにあったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

「向こうの世界で言う、バイクみたいなものです。しかし、機能がかなり付いてますので別物だと思って下さい」

 

全体が金色でコーティングされているバイク、近い車種で言えばスクーターである。シートが前後に長く、車体が軽いので小回りが利きやすいのが特徴だ。

 

「で…まさかこれで行けと?」

「その通りです」

「俺免許なんて持ってねぇぞ」

「大丈夫です。ここでは免許がいるという制度ありません」

「お前が言うのか…」

 

現実世界なら逮捕並だが、幻想郷ではそもそもバイクが無いため、それに乗ったところで珍しいものに乗ってるぐらいの認識なのだ。

 

「それに先ほども言った通りこれはバイクとは違います。GARDでは移動手段として様々な環境でも全力で駆け抜ける為にこれが作られていました。あまりに操作が難しいので乗りこなせる人はごく少数ですが」

「それに俺が乗りこなせるとでも?」

「ええ。黎人さんなら、必ず」

「…お前って、根拠の無い自信を持つタイプだったんだな」

 

フゥ、とため息をつく。呆れはあったが、吹っ切れた。惣一が言った言葉には、根拠は無い。だが、信じてみたいとは思う。それだけ、惣一の事を信頼しているという事だった。

 

 

 

 

「先に行ってる。後で来い」

「…はい」

 

それ以上の言葉はない。発破をかけたり、心配したりという事は無かった。

 

 

 

 

 

 

ヘルメットを被り、準備する

ロックを外す

エンジンをかける

バイクが振動して、何時でも出発できるようになった

 

 

バイクの前に立つ壁が開く

そこには木が生い茂る道が見える

ハンドルを持ち、握り締める

そして、アクセルを踏んで前進した

それは一気に加速し、一瞬で目の前から消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石ですね。あそこまで仕上げるとは」

 

労いの意味を込めて、惣一はにとりに話す。GARDで作られる製品は、業者の中でも限られる。にとりの実力を見て頼んだが、作り上げる様を見て改めて賞賛する。

 

「ま、いつもやってることだしね。それよりも君はどうするんだい?」

「先ほども言いましたように、彼の後を追います。どうなるかは、まだ分かりませんので」

「そうかい。じゃ、後は任せたよ」

 

にとりは部屋を出た。惣一は黎人の出た道を見る。

 

 

(黎人さん…貴方なら必ず、この世界を救えます。頼みましたよ)

 

 

 

 

 

 

 

森を駆け抜ける。そのスピードは速く、周りの景色はほとんど見れない。だが黎人の目には、障害物や道がしっかりと見えている。だから、細かいハンドル操作は慣れていた。その心にあるのは、たった一つの意思

 

 

 

 

 

(待ってろよ鵞羅…テメェとの決着、今日で終わらせてやる)

 

 

 

バイクは更にスピードを出した。

 




如何でしたか?
…え?これ仮⚪︎ライダーじゃねぇか、て?
いやー、似せる気は無かったんですけど間に合わせる為にはこれしか無かったかなー、て
黎「言い訳乙」
…はい、すみませんでした



なんとエルサは嘘をついてたんですね〜
なんで嘘をつくんだよ、と思う人は暫く待っててください
エルサの意図は後ほどわかります




次回、刃燗vs鵞羅
萃香に鍛えてもらった刃燗は鵞羅に勝てるのでしょうか?
それでは次回までゆっくり待っててね
あ、それから新企画があります






〜NGシーン〜
「流石ですね。あそこまで仕上げるとは」
労いの意味を込めて、惣一はにとりに話す
GARDで作られる製品は、業者の中でも限られる
にとりの実力を見て頼んだが、作り上げる様を見て改めて賞賛する
「ま、いつもやってることだしね…



ただ一つ上手くいかない事があってね」
突然にとりが暗い顔になる
一体どうしたんだと惣一がにとりの顔を見る
やがて観念したようににとりは口を開いた








「あのバイクはね…




曲がれないの」


《チュドーーーーーン!!》←木に当たって大破


惣「黎人さんが死んだ!」
この人でなし‼︎




〜ディルの部屋〜
エ「初っ端から大波乱ですね」
ディ「くっ事後処理が…(泣)」
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