黎人が戦場につく
鵞「いよいよ来たな…」
黎「あぁ、待ってろ…
今からこのバイクのエンジン切ってカギをかけるから」
鵞「待てるか!!」
「弱点…だと?」
鵞羅は、黎人が何を言っているのか分からない、という顔をしている。自分の能力に弱点などある訳が無い。鵞羅はそう思っている。
「ふざけやがって…止められるもんなら、止めてみろよ!」
再び腕を伸ばし、斬の風を吹かせようとする。先程の様子から察し少し早く仕掛けた。
だが鵞羅の伸ばした手を、黎人が少しだけ払った。若干右にズレただけで手の先には黎人がいることに変わらない。だが、放たれた風はすぐ近くにいる黎人の方に向かわず軌道がずれて全く関係ない地面に傷を付けた。
「な…⁉︎」
鵞羅の目が大きく開いた。そんなこと今まで無かったからだ。
「放つ時に何でいちいち手を伸ばすんだ、て思ったよ。『斬の風を放つ程度の能力』なら手を伸ばす必要性が無いだろうな、て思った。
だがそれは出来ない。
そうしないと、風が真っ直ぐ飛ばないからだ」
風はもともとかなり強力な力によって飛ばされる空気である。空気に働きかける力、もとい風通しがぶつかりあった時、大きい方の力に従って流される。その中で、気圧によって生じる風は1番強い。小規模な風は飛ばされやすくなる。
だから、鵞羅は最も力が入りやすい体制…腕を伸ばした状態で風を飛ばして少しでも真っ直ぐに飛ぶようにした。そうしなければ、あっという間にかき消されるからだ。
過去で黎人に向かって斬の風を放った時、狙いが定まらず『ブレた』事があった。それは、黎人との距離が近すぎて、腕を伸ばす事が出来なかったからである。
「そんな…バカな」
この事を鵞羅は知らなかった。「あの男」に腕を伸ばして放てと言われたが何故かは知らなかった。腕を伸ばしたほうが狙いが定まりやすくなるため従っていただけなのだ。
「…もしかして知らなかったのか?呆れるぜ。自分の能力くらい自分で解析しないと始まんねぇだろうが」
「黙れぇぇぇ!!!!」
ブチ切れたように鵞羅は黎人を蹴飛ばす。そのまま地面に着地するとき、黎人は受け身をとってダメージを抑えた。
「能力の弱点が分かったから何だ⁉︎俺に勝てる、てのか!!能力だけが武器じゃねぇんだよ!!」
腕を振った。すると周りで飛んでいたガチュリスが黎人に向かって突っ込み始めた。黎人は動じることなく迎え撃とうとした。
すると…
「ピギャアアアア!!!」
聞くに堪えない断末魔とともにガチュリスたちは霧散した。黎人も最初驚いたが、足元に落ちているナイフを見て察した。
「お忘れじゃないかしら?私たちもいるのよ」
黎人の後ろから咲夜が現れた。時間を止め、ナイフでガチュリスを仕留めたまでである。彼女には容赦も躊躇いもない。
「咲夜」
「黎人、周りの虫は私たちで倒すから気にせずあの男と戦いなさい。貴方なら負けはしないわ
と霊夢が言っていたわよ」
「咲夜ーーーーーー!!!」
霊夢は言った覚えがないことまで言われた。伝えて欲しいとも言った覚えがない。実際に言ったのは…
『黎人があの男を倒すためにも、あの虫を倒すべきね』
と魔理沙たちに提案しただけである。
「いいじゃないか、特に問題はないだろ。心から信頼してんだもんな」
横から魔理沙がニヤニヤと声をかけている。
「ちょっと、いい加減に…」
反論しようとするも言葉に詰まる霊夢。青春じゃのぅ…
「分かった。任せたぜ」
黎人は霊夢達のことを信じ、鵞羅のところまで走っていった
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「やれやれ…あいつはいっつも分かってないなぁ」
さっきの事をそのままにして去っていく黎人を見て溜息をつく魔理沙。黎人の鈍感さは誰にも図れないほど酷い
彼女の元にガチュリスが近づいてきたが、弾幕で焼き払った。
「でもまぁ、それは置いといて今はこいつらを倒さねぇとな」
箒に跨り飛び上がった
「…………(怒)」
「…………(汗)」
慧音が妹紅の手当に向かい、魔理沙と咲夜はガチュリスを倒しに行った。なので先程の一連の流れに怒りを募らせている霊夢の近くには妖夢しか居ない。冷や汗がかなり出ている。
「……妖夢」
「は、はいぃ⁉︎」
名前を呼んだだけなのに何故か威風のオーラが感じられる声をかけられ、今にも彼女は泣きそうだ。
「この戦い終わったら宴会するから、手伝いなさい」
「……え、何で私が」
「 手 伝 い な さ い ? 」
「……はい(泣)」
とばっちりとはこの事ですお見事。
その後霊夢と妖夢は魔理沙に続いてガチュリスの大群に突撃した。1人泣いている?知らんな
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「さてと…仕切り直しと行こうぜ」
鵞羅の前に立ち戦闘態勢に入った黎人。準備は万端だ。
「テメェ……ガチュリスがあの女どもに負けるとでも?あれは人を何体と殺してきた危険生物だぜ」
「ガチュリス…あの虫のことか。それなら心配いらねぇよ。霊夢達なら問題なく倒してくれる。それよりも…
テメェは自分の心配してろよ」
剣を突きつける。それは相手に対する戦意表明だ。お前は俺が倒すという
「馬鹿にしやがって…テメェなんざ俺1人でも十分なんだよ!!」
鵞羅は懐からスペルカードを取り出す。だが黎人はその事を、気に留めなかった。
(よくもまぁ平然と嘘がつけるな…)
鵞羅の後ろには大量のガチュリスが潜んでいる。恐らく出方を伺っているんだろうと黎人は感じた。鵞羅がまともに戦う事は期待してないが、ペラペラと嘘がつける所に呆れている
「暴嵐『スパーク-ストーム』!!!」
鵞羅の手から風が吹いた。手を伸ばさずとも使える斬の風。今までよりも早く、数も多い。抜け道など、避けれる場所はない。黎人が動かずにいれば確実に当たる。
だが、黎人は動くことなく攻撃の様子を見ていた。鵞羅の出方を伺っているのか、それとも避けた先の障害(ガチュリス)に気付いているのか…如何なる理由があるにせよ、何もしないでいれば切り刻まれるという場面。それに鵞羅は眉間に皺を寄せる。余りにも黎人の行動が不可解だからだ。
そして黎人に風が当たりそうになった時…
その風は全て黎人が叩き落とした
「んな!?」
驚くのは当然。あの風は良く見えないので当てることすら難しいし、無数にあるから全部叩き落すのは不可能に近い。
だが実際黎人は落としている。何故だどうしてだと鵞羅は考えてしまう
「どうした?どうせならもっとやってみろよ。テメェの目にコレを焼き付けるからよ」
挑発するように黎人は言った。実際挑発している。
「なめやがって…余裕ぶっこいてるそのツラ、刻み込んでやる!」
挑発に乗り、鵞羅は再び風を放った。
だが、次もほとんど落とされる。決して黎人に当たることなく、である。
「そんな…ありえねぇ!!」
避けられたり回復されたり、ということは何度もあった。しかし、叩き落されることは無かった。目の前のありえない現実に動揺し、焦りが生じる。鵞羅は既に冷静ではいられなくなった。
黎人は見えている。風が近づいているのが…いや、何かが近づいてきているのが。黎人はそれを感じていた。
(天狗と戦っているうちに妙な力がついたからな…ホント世話になったよ。腹立つけど)
天狗たちとの修行で風を使う文と交戦しているうちに風が目で追えるようになっていた。黎人としては望ましく思ってはいないが…
(だが見えりゃこっちのもんだ)
風は耐久力が無いため攻撃されれば崩れる。だが、正面から打ち返そうとすれば斬の力でこっちが斬られる。だからこそ、正面から打ち返すのでは無く、側面から打ち落とせば何の被害もなく対処できるのだ
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「ハァッ…ハァッ…それが修業の成果か?」
連続したスペル発動で体力を大幅に浪費している鵞羅。それどころか彼は長期戦などやった事がほとんど無い。体力はかなり落ちやすいのだ。ただでさえ刃燗との戦闘の後なのに、疲れないわけ無い。
「まぁな…何が言いたい?」
鵞羅の言葉に何か感じた黎人は聞き出した。
「あめぇな…くたばんな!!」
すると鵞羅の手から目にも止まらぬ速さで斬の風が吹いた。それは黎人の肩を貫いた。
「!!ちっ…」
右肩を押さえ、半歩下がる。鵞羅は飛ばす風の量を少なくして速さをあげた。咄嗟のことで黎人は反応できなかった。
「修業して身体能力あげたところで何にもなれねぇ!結局は殺す為の武器をどれだけ持ちどれだけ使えるかが勝敗の分かれ目なんだ!さっきからテメェは俺の攻撃を防いでばっかりで突破口を見つけ出してねえ!いくら力をつけても倒せなきゃ意味ねぇんだよ!!!」
鵞羅の怒声が響き渡る。木々は揺らぎ、鳥は一斉に飛び去った。鵞羅の言葉に戦場は一変した。
「そうだ。さっきから俺は何もしてねぇ。時間がいるからな」
黎人が口を開く。その口調は何故か落ち着いて、且つ鵞羅を黙らせるほどの効果があった。
「1つだけ分かった事がある。俺の能力『五行を司る程度の能力』は使っている本人の力が原動力となり、それを強化するのが本来の能力。つまり、力を蓄えるほどその真価が発揮される。
そしてそれを突き詰めると、更に強大な力を手に入れることができる。
その答えが……これだ」
黎人は肩を押さえていた腕を胸の前に移動させた。
すると、黎人の体から異常な煙が発生した。
「な……何が起きてんだ…?」
溢れんばかりの霊力。尋常な熱気。それに変わりつつある雰囲気。
思わず顔を引き攣り動揺するのは当たり前かもしれない。
煙が上がりその先に見えたのは
髪の色が赤くなり、顔に妙な紋章をつけた黎人が双剣を持っている姿だった。
まずは謝罪から
妖夢ファンの方々、すいませんでしたぁぁ!!
妖夢の扱いが明らかに酷いですね…気づいたら苦労人キャラに……
最後の黎人の発揮した能力、もとい変異は一体何なのか?
次回まで待ってて下さいお願い(ry
〜NGシーン〜
すると周りで飛んでいたガチュリスが黎人に向かって突っ込み始めた。黎人は動じることなく迎え撃とうとした。
すると…
「ピギャアアアア!!!」
聞くに堪えない断末魔とともにガチュリスたちは霧散した。黎人も最初驚いたが、足元に落ちているナイフを見て察した。
「お忘れじゃないかしら?私たちもいるのよ」
黎人の後ろから咲夜が現れた。時間を止め、ナイフでガチュリスを仕留めたまでである。彼女には容赦も躊躇いもない。
「咲夜……」
「ふふふふふ……」
「……オイ、咲夜?」
「いい叫び声ね……凄く良いわ。断末魔がこんなにもいいものだとは思わなかった…さぁ、もっとその声を聞かせて、そして私を興じさせて……」
「ヤベエ何かに目覚めようとしてやがる!!」
霊「どSなメイドになったわね」
魔「まさにSMだな」
妖「この小説消されないでしょうか……」