東方羅戦録〜世界を失った男が思うのは〜   作:黒尾の狼牙

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前回のあらすじ
ダイガン登場
《デデーレデレレデッデーデ!!》
ダ「待たせたな」
鵞「待ってねぇ!!」


57 裏の動き

「髪の色が赤色に…?それは聞いたことないが…本当なんだな?」

「間違いない。俺も確認した」

 

一連の動きをダイガンに説明した。だが、ダイガンは鵞羅の報告が信じられない。シュバルが言わなければ、鵞羅の言うことが本当のことだと思わないだろう。

 

 

「一体何故そんな聞いたこともない力が目覚めたんだ?」

「俺の方が聞きてぇよ。テメェらの情報が不十分だったせいで、俺もボロボロになったんだ」

「……それは不運だったな」

 

 

 

鵞羅の悪口にも動じない。負け犬の遠吠えは彼の耳に入らない。

 

 

 

 

「仕方ない。斐川黎人はこちらで手を打とう」

「……何だと⁉︎」

 

ダイガンが呟き、鵞羅は眉間に皺を寄せて立ち上がった。ダイガンの言った言葉は鵞羅にとって聞き捨てられないものだった。

 

「どういうことだテメェ‼︎」

 

「そのままの意味だ。お前では力不足なようだからな。こちらで手を打つとしよう」

 

「勝手なことすんじゃねぇ!!!」

 

鵞羅はダイガンの胸元を掴んだ。

 

「奴は俺が殺すんだ!でないと俺の気がすまねぇ!!あそこまでコケにされて黙ってられるかよ!!テメェらごときが手を出すもんじゃねぇ!」

 

「勝てもしないのにか?」

 

「勝てるかじゃねぇ!!殺すんだ!!俺が絶対…」

 

鵞羅は既に復讐心で埋め尽くされていた。黎人に負けたという事実が彼にとって何よりも許しがたいことだった。だから彼は自分の手で黎人を殺すことに拘っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「残念だ」

 

ダイガンがそう呟いた…と直ぐに、鵞羅の首元を掴んだ。

 

 

「が…⁉︎アァ」

 

かなり強力な握力で首を掴まれ、ダイガンの胸元を掴んでいた手を離した。首を掴んでいる腕を掴むも、鵞羅の力ではビクともしなかった。

 

 

 

「怒りで目的を忘れたか…俺たちの目的は彼の破滅ではない。その為だけに力を注いで、俺たちの目的は果たされない」

 

鵞羅を掴んでいる手を上げ、鵞羅をぶら下げた状態にする。

 

「何の為にお前に『2度目の命』を与えたと思っている?世界に憎しみを持つお前なら俺たちの計画に協力すると期待していたからだ。しかし大した成果もあげず、挙げ句の果てには言うことまで聞かない。どうやら過大評価してたようだ」

 

 

ダイガンは腕に力を入れた。

 

 

 

 

《グギ!!》

 

 

骨が折れた時の鈍い音と同時

ダイガンの腕を掴んでいた手はダランと落ちて、

鵞羅は絶命した。

 

 

 

「小さい事しか見えないお前に、この先は無い」

 

ダイガンは鵞羅の死体を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えげつないわね」

「……」

 

リーフは口では非難するようなことを言ってるが、実際は全く鵞羅に同情してなかった。シュバルに至っては何の反応も無い。

 

 

 

「さてそれよりもこれからの事だが、黎人の情報が余りにも少ない。無闇に攻勢に出るより先に、彼について知りたいのだが…」

 

ダイガンは次なる計画を練っている。黎人が急激に進化し、対策が全く打てないのだ。つまり、黎人について調べる必要がある。その為には…

 

「誰かを黎人と戦わせてみるしかないか」

 

黎人の戦闘相手を出して、それを基に情報を集める必要がある。

 

「しかし、誰かいるの?そんな都合のいい役なんて」

 

この作戦は、黎人と戦う捨て石が必要となる。それも、半端な相手では集まらない。リーフが言うのも最もだ。

 

「ならば…『先生』に頼んでみるか。あの方なら素晴らしい結果が出せるだろう」

 

彼らの戦略はより凶悪になっていった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「つまり…彼らの目を欺く為に嘘をついたと」

「そうです。鵞羅だけであの場に行かせるのは妙だと思い、監視に警戒して手を打ちました」

「そしてエルサの思惑通り、相手は出遅れたというわけですね」

 

ディルとエルサは黎人が勝っている様子をモニターで見ながら話し合っていた。

 

「しかし、相手も馬鹿ではない。今回の事が起きて、何か手を打つはず…こちらも何かしなければなりませんね」

 

口に手を当て、考え始めた。戦略は先に考えなければ意味がないのだ。

 

 

 

 

 

 

《PRRRRRR...PRRRRRR...》

 

突然、電話が鳴った。ディルは焦ることなく受話器を取った。

 

 

 

 

「はい、何ですか?」

 

(毎回あの取り方はどうかと思いますが…)

 

ディルの電話の取り方はいつも異常なようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『好き放題しているようだな、ディル』

 

「…」

 

受話器を一瞬見た。その声の主が自分のところにかけてくるとは思わなかったからだ。

 

『例の能力で人を戦場に立たせたようだが、どうしてそこまで引っ掻き回す?巻き込まれるのはお前ではないんだぞ』

 

次から次にかかる叱咤の声。だが、ディルは顔を全く変えない。その男から言われるのはいつものことだから…

 

 

 

 

「あなたに干渉する許可は出してませんよ……イシュー」

 

 

 

 

 

 

(イシュー⁉︎)

 

エルサは動揺した。その男は『神界』においては偉大な人物だからだ。

 

 

『干渉……か。別にそれをしようとは思ってない。ただ文句を言いに来たのと…伝達を兼ねてな』

 

 

 

 

 

 

 

神界において3人の天才がいた。

若くありながらその才能はあらゆる神の上に立ち、

即座にあらゆる権限を得た。

その3人を神界ではこう呼んだ。

 

 

 

『神の三児』と

 

 

 

 

「伝達…?随分用意がいいんですね」

 

その内、次男は隠密作業に優れており、周りからは『暗闇の有権者』と言われていた。

 

 

『当たり前だ。お前みたいに高台にいるわけではない。根源は常に闇の中にある』

 

 

イシュー・ムラフェル

 

 

 

『闇を知らなければ、光は語れん』

 




すいません。今回かなり短いです。かなり区切りが良かったので…
神の三児の次男、イシューさんが出ました。一体彼から何が明かされるのか⁉︎
次で2章の本編はラストです。そのあとはいよいよ…フフフ


〜NGシーン〜
《PRRRRRR...PRRRRRR...》

突然、電話が鳴った。ディルは焦ることなく受話器を取った。




「はい、何ですか?」

(毎回あの取り方はどうかと思いますが…)

ディルの電話の取り方はいつも異常なようだ。






『好き放題s…』





《ガチャン!!》

おもむろにディルは受話器を置いた。

「ディル様⁉︎」

「不愉快だったので切りました」

「自分勝手すぎる!!」





イ「幾ら何でもそこまでする必要ないジャン?」
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