注
1. 東方翔霊録を見てない方は是非見てください(見てない人でも分かるように努力はします)
2. コラボキャラが崩壊しているかもしれません。ご了承ください。
それでは、始まりま〜す。
59 別世界からの来訪者
ここは、黎人たちがいた幻想郷とは全く別の幻想郷、所謂パラレルワールド。同じ世界でありながら、全く別の戦いが行われていた。
だが別の世界が今、互いに交わろうとしていた。
「え〜〜っと……あ、あった!人里外れのボロボロの家」
幻想郷の人里の外れ、ある男が歩いている。彼の名は神代 翔聖(かみしろ しょうせい)。かつてこの世界の危機を救った男。
翔聖は、渡されたメモに書かれた家に入っていった。ボロボロな家なせいか、ドアの開ける音が酷い。
その中には男性が1人
「遅かったな、翔聖」
翔聖と同じく世界を救った、守森 秦羅(かみもり しんら)。その容姿から、女性とよく間違えられる。
「秦羅!やっぱり君も呼ばれてたんだ」
「あぁ、姉さんからこの紙を貰った」
「僕は博麗神社で見つけたけど…」
2人は突如届いた紙に従って来た。因みに秦羅の言う『姉さん』とはアリス・マーガトロイドである。彼はアリスの義弟だ。
2人の手紙にはこう書かれている。(翔聖代表)
『神代 翔聖へ
突然な手紙で申し訳ない。頼みたいことがある。よろしければ人里の南の外れにあるボロボロの家に来て欲しい。
なお、付き添いは遠慮して頂きたい。』
「名前を書かずに何を言ってるのか、て感じだが…」
「まぁ困ってる様だし放っとけないかな」
「相変わらずお人好しだな」
秦羅は呆れたように呟く。
「漸く来たか。神代 翔聖、守森 秦羅」
彼らの後ろから低めの声が聞こえた。電気が付いてないから顔は良く分からないが、1つだけハッキリと分かる。
(で……デカイ…)
約2メートルの身長を持っていることだ。対して翔聖は身長が低いため思い切り顔を上に上げとかないといけない。物凄くキツそうだ。
「立ち話もなんだ。奥の机で話そう」
そうして奥にあるテーブルの席に座った。
「何か飲み物はいるか?とは言っても、そんなにメニューがある訳じゃ無いが」
その男が出したのは飲み物が書かれたメニューだ。そこに書かれているのは…
オレンジジュース
紅茶(ミルク)
コーヒー
コーラ
麦茶
「…寂しいな」
秦羅が突っ込んだ。
「そんな事言わないで…これでも頑張ったんだから……」
「いや泣き言言われても…」
顔がよく見えないはずなのに、涙が見える気がした。
「それじゃ、コーラで」
「お前はまたマイペースに…まぁいい、麦茶くれ」
「翔聖はコーラで秦羅は麦茶だな。了解した。ちょっと待っててくれ」
◇オッサン準備中…
「それでは本題に入るとしようか」
注文された飲み物のペットボトルを取り出し、グラスに注いで2人に出し、席について語り始めた。
「先ずは自己紹介だな。俺はイシュー・ムラフェル。種族はいわゆる、神だ」
「へぇ〜…神奈子や諏訪子みたいな?」
「雰囲気は全然違うけどな…」
神奈子や諏訪子は神々しさがあったが、イシューは威厳に満ちている感じがした。
「更に言っておくが、俺は『君たちの』幻想郷にいるわけでは無い。別の幻想郷から来た」
「…?どういう事?」
「パラレルワールドという事だ。何回も遭遇しただろ」
「あぁ〜…成る程」
翔聖は納得した。
「で、主題だが…そのパワルレラールドの幻想郷が今危機に満ちている」
「ちょっと待て、今おかしな単語が出てきたぞ」
「…横文字は難しいもん」←英語苦手
「いやカタカナだろ」
なんか締まらないな、と秦羅は感じた。大体名前はカタカナなのにどうして苦手になるのか…
「危機に満ちている、てどういう事?」
翔聖が話の路線を元に戻した。
「そこでだ…君たちに手を貸して欲しい」
イシューが真剣な表情でそう言った。
「…で?何で僕たちが?」
唐突すぎる要望に対して秦羅がそう聞くのも当たり前かもしれない。
「…無関係という訳では無いのだ。俺のいる幻想郷で、君たちの世界に干渉している者がいる」
「…!!干渉…⁉︎」
「神力と言ったか…あれは力としてかなり高価な物なのだ。普段より大きな力が発揮できる…そういうシンプルな力が絶対的なものだ」
能力がどうとか、技術がどうとか言うよりも、力が強いというのが『強い理由』になる。
「でも…そう簡単に手にするものではないよ…」
翔聖のいうのは最もだ。神力は神から与えられる力、万人が手に入れるものではない。ごく限られた人に限る…
「そう思うのは当然だが…世の中にはあらゆる異例が存在する。通常ルートで手に入れず、別のやり方でやろうとする人間も存在するという事だ」
イシューの言葉を聞いて、秦羅は考える素振りをした。
「…特殊能力か?」
「そう思って構わない。幻想郷に限らず、色々な能力を見てきただろ。運命や時を操るような能力のように、能力そのものについて何らかの作用をする能力もある」
イシューは自分のコップに入れたコーヒーを飲み干す。
「つまり神力を奪う、若しくは作り出す物も存在するのだ。未だ断定は出来ないが…それでも、9割がたそうなるだろう。」
「…残された1割は、あって無いようなものか…」
「そして干渉してる以上、君たちの世界に何もしないとは限らない。だからこそ、協力をお願いしたい」
数秒の沈黙の後、翔聖が口を開いた。
「分かった。手伝うよ」
それは、承諾だった。
「言うと思った。ま、僕も付き合おう」
秦羅も承諾するようだ。
「感謝する。こちらも後ほど増援を送るつもりだ。今は少し手間取っててな。
それから、1つだけお願いがある」
「なんだ?」
「??」
イシューの意味有りげなセリフに2人は首を傾げた。
「出来る限り、物を壊さないでほしい」
……
………
…………
「いや……何でだ?」
「だって被害が出そうで危ないジャン…?」
「何を今更」
「正直始末書を書くのが面倒くさい」
「いきなりぶっちゃけたな」
「タダでさえ給料が少ない私から一体何を奪い取ろうというのだ…」
「中年オヤジの仕事の泣き言かよ」
泣き始めるイシュー。側から見れば彼を神とは思えないだろう。
「そ、それじゃ気をつけて行ってくるよ」
「…まぁいいか」
翔聖と秦羅は奥の扉に手をかけた。
「向こうの世界では、斐川 黎人と稲田 惣一と言うのが手助けしてくれる。他にも色々いるが、取り敢えずその2人にあって欲しい」
「分かった〜」
「了解した」
2人はそのまま扉の向こうに消えていった。
「さてと…」
《コンコン》
翔聖が出た扉とは逆の扉からノックが入った。
「来たか…輝く月の巫女」
◇
「うわぁ…僕たちのいた幻想郷と全く変わらない」
別世界の幻想郷にたどり着いた2人、余り変わってない風景に翔聖は嬉々としている。
「本当に別世界?信じられないな〜」
「はしゃぐな、とっとと博麗神社に行くぞ」
《グイ!》
「ぐえ…!ちょ、パーカー引っ張らないで…」
翔聖が着ていたパーカーの首を引っ張って博麗神社に向かった。
◇少年移動中…
「ここも変わってないな」
「ハァッハァッ…そうだね」
博麗神社の前の階段について翔聖は漸く解放された。
「それじゃあ登るぞ」
「うん」
2人は頂上を目指して階段を上った。
《ドドドドドドドドドド…》
「…ね、ねぇ。なんの音…?」
「…上から何か…」
何かが転げて落ちていく音。だんだんと大きくなり2人は顔を上に向けた。その時二人が見たのは…
「ああああアアアアアア!!!!!」
《ゴロゴロゴロゴロ…》
誰かが転がって落ちてくる姿だ。
「え?ちょ、危なくない!?」
「…何で転げ落ちてるんだ?」
翔聖は焦り、秦羅は訝しげな顔をしている。
「ちょっとー!誰かそいつ止めてーー!!」
階段の上から声が聞こえた。
「あの声は霊夢?…取り敢えず、どうにかしないと…」
「僕に任せろ」
秦羅が前に立った。
「言っとくけど、刀はダメだよ」
「分かってる。ちょっと落ち着かせろ」
そう言って秦羅は目を閉じる。彼が行っているのは、精神統一。超神速を持つ彼だが、集中力はかなり長けている。強大な敵を前にした時のように、自分の力を極限まで高め、集中を研ぎ澄ましている。
やがて目を開けて、すでに目の前にいる人間に向かって…
《ドゴーーーン!!!》
(蹴り飛ばした!!)
力一杯蹴り飛ばした。
蹴り上げられた男はそのまま上空へと上がり、木に激突した。
「ちょ、何で蹴り飛ばしたの⁉︎」
「その方が確実だろ」
「他にやり方あったよね⁉︎」
翔聖は焦っているが、秦羅は涼しげな顔だ。
《ヒューーー……ドシャッ》←木から転げ落ちる音
「黎人が死んだ!」
この人でなし!!
「…黎人?」
霊夢が言ったその単語に反応した秦羅。その名前はイシューが言ってた…
「まさかこいつが…斐川 黎人?」
世界を超えた男たちの人間の出会い。それは更なる運命を引きつけ
やがて、狂い出す。
てなわけで翔聖くんと秦羅くんが来ました〜
彼らの好みの飲み物は来翔さんから聞きました。(翔聖は炭酸、秦羅は茶)
彼らと上手くやっていけるでしょうか?それでは、次回まで待っててくださ〜い