二つの約束   作:深緑の古龍

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須賀さん、出番ですよ!
ということで、今回は全く出番のなかった須賀さん視点です。
須賀さん、ごめんなさい。。
今回は、あなたが主役なので許してください。。


一章 帰ってきた少女達。

~須賀視点~

・・・ああ、またあの子がいるのか。

聞こえてきた微かなもの音に、僕はため息をつく。

あの子にも、困ったものだ。

毎日毎日資料館に入り浸っている。

別に、それ事態はなにも悪くはないのだけれど。。

(やれやれ。。また、あの人に迷惑かけるな)

そう思いながら、僕は重い腰をあげた。

鍵の束とともに手に取ったのは、愛用している夜光石で作った刀。

近頃は、これがないと妙にしっくり来なくなっている。

・・・・うん、軽傷かもしれない、色々な意味で。。

そんなことを思いながら屋敷のなかを歩き回る。

と、その途中で僕はあることを思いだし、急いで玄関へと向かった。

(ああ、いけないいけない。戸締まりするの、忘れてた。。)

別に泥棒が入ったりするわけでもないし、とられて困るようなものがあるわけではないのだけれど。

どうしようもなく気になるときが、たまにあるんだよね。

 

(あ・・・)

視界のはしにちらりと見えたのは、見慣れた紫色。

・・・見つけた。

僕は、とっさに走り出した。

ダダダダダダダッッッ

「きゃあああああああ!!!」

甲高い声をあげて逃げ回るあの子を意図も簡単に捕まえ、僕は風とため息をついた。

【マスターキー、持ってますよね】

僕がそう尋ねると、その子は勝ち誇ったような顔をする。

「は?マスターキー?そんなもの、あるわけないでしよ!嘘だと思うのなら、探してみれば?」

・・・ああ、他に誰かいるんだな。。

隠そうとしているんだろうけど、すごく分かりやすい。

仕方ない、探そう。

(・・・あ、でもその前に)

僕は携帯電話を取りだし、ある場所に電話を掛ける。

「え、ちょ?!どこにかけてるのよ、管理人!てかあんた、携帯持ってたわけ?!」

・・・いや、さすがに携帯電話がないと不便だよ。。

呆れながらも、電話を終える。

そして、逃げられないようにその子を部屋の中に閉じ込めておく。

誘拐だの監禁だの騒いでいるけど、あの子が悪いのだから仕方ない。

 

部屋を出た瞬間、物音が聞こえた。

恐らく、あの子がマスターキーを渡した相手だ。

慌てて走り出したけれど、タイミングがずれてしまい、部屋の中に逃げ込まれてしまった。

ドンドンドンドンドンドン

【出てきてください。閉館時間を過ぎています。】

ドンドンドンドンドンドン

【あの、大丈夫ですか?返事ください。】

ドンドンドンドンドンドン

【私はここの管理人です。怪我をしているんですか?鍵を開けてください。】

いくら叩いても、返事がない。

次の瞬間、ガシャーン!という大きな音が聞こえてきた。

一瞬窓から飛び降りた?!と焦った。

でも、恐らくそれはないだろう。

(何かを下に落としたのかな。それにしても、どうして・・・!)

どうして、逃げるのだろう。

そこまで考えた僕の目に飛び込んできたのは、自分の服装と手に持っている青白い光を放つ、一本の刀。

ああ、そういうことか。

(・・・怖がらしていたのは、僕の方じゃないか)

きっと、こういうことだろう。

この部屋に隠れている人は、僕があの子を追いかけているのを目撃した。

僕の服装は全体的に黒いし、極めつけに刀まで持っている。

隠れている人が、僕を危険人物と見なしても、仕方ないじゃないか。

隠れている人は、ただ単に僕に怯えていただけなんだ。

やっとその事に気づいた僕は、少し申し訳なく思いながら下の階へ降りた。

どうせ、あの人も管理人である僕を探しているはずだ。

だったら、追いかけ回して余計に怖がらせなくたっていいんだ。

それに、少なくとも泥棒ではなさそうだ。

視線の先にあるのは、夜光石で出来たペンダント。

少し前にはなかったものだ。

きちんと返してくれているのなら、泥棒ではない。

それに、相手は一切の反撃もなくただ逃げ回っているだけだ。

子どもか、女性の可能性が高い。

(ああ、本当にすみません。怖がらせて・・・)

 

キッチンの方から、音がした。

僕はキッチンの方へと歩き出す。

今度は、怖がらせないように歩いていこう。

 

・・・え、嘘だ。

君が、ここにいるわけがない。ううん、いちゃいけないのに。

目の前で怯えているのは、二人の女性。

一人は少女で、涙目になりながらも後ろにいる女性を、必死に守ろうとしている。

そして、その後ろにいるのは。。

(しぃ、ちゃん・・・)

僕は、パニックになりかけながらもなんとか落ち着き、メモ用紙を二人に見せる。

【閉館時間を過ぎています。警察を呼んでいます、広間へ。】

「「え?」」

君は、ここに来てはいけないのに。

【管理人です。広間に来てください。】

 

・・・僕は今、ちゃんと無表情でいるだろうか?




須賀さん視点終了です。
ドンドンドンドンドンドン
の下りは、自分で考えてみました。
須賀さんなら、心配してそうだなと思いまして。

次回、主人公であるはずの朱音君は、出てこられるのでしょうか?
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