二つの約束   作:深緑の古龍

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夜明け鳥様~~~!!


二章 ことりおばけと佐久間とタヌキ

【オイデ オイデ オカーサンガマッテルヨ】

【アタラシイ オネーチャン】

【コナイカナ コナイカナ ハヤクオイデヨ】

・・・今日は、子供達が騒がしいな。

そのようなことを考えながら、私はいつものように肩にとまった小鳥を愛でる。

この頃は、子どもを見ることがなくなったな。

……子供達はよく見るが。

それにしても、おいでとは。。

「……ふむ、嫌な予感がする。少し森を散歩するとしよう。お前も来るか?」

私がそう訊ねかけると、小鳥はチュンと小さく一声鳴いた。

小鳥を肩にのせたまま散歩をしていると、ある光景を見かけた。

「・・・子どもか?こんな森の奥に。。さては、あの子供達はあの子を?」

見つけたのは、一人の少年。

少年は辺りを見回しながら、森の奥深くへ。

・・・ことりおばけの棲まう湖へと歩いていく。

まずい。

そう考えた私は、少年の前に姿を現した。

「森に入ってはいけないよ。ここには、ことりおばけが棲んでいる」

声をかけると、少年は顔をあげて私を見た。

その瞳に写るのは、驚きと好奇心、そして寂しさ。

なんとも大人びた表情をした少年は、なにも言わずに私を見る。

「私は、夜明け鳥。子ども達を見守る神だ。これ以上先に行ってはいけない」

「知ってるよ。湖にお母さんがいること。でも、僕は行かなくちゃ。護りたい人がいるから」

少年は、私の目を真っ直ぐ見つめながら、そう言った。

・・・不思議な子だ。しかし、嘘偽りのない真っ直ぐな目をしている。

少しその少年が気になった私は、もう少し話をして見ることにした。

「少年よ、護りたい人とは、誰のことだ?」

「僕の、とてもとても大切な人。今は、全部忘れてるんだ。村のことも、僕のことも……。でも、我慢するんだ、僕。辛いけど、寂しいけど、その人が思い出したらきっと今よりずっと辛いから。。だから、僕は護らないといけないんだ。約束したんだよ?護るって」

「そうか。。その人のことが、大好きなのだな」

私がそう言うと、少年は嬉しそうに笑った。

「うん、大好き!~~は、僕が護るんだっ!!」

少年が口にした護りたい人の名を聞いたとき、私は一瞬時間が止まったかのような感覚に襲われた。

なんという運命を背負っているのだろうか、この少年は。。

がらにもなく、少年を抱き締めたい衝動に刈られた。

さすがに驚かしてしまうと思いとどまり実行はしなかったものの、私はこの子を放っておけなくなった。

神として、これはあってはならないことだ。

私は、この村の子ども達を護る存在だ。

ことりおばけが生まれ、少し経ってから私はこの地の神となった。

ことりおばけから、子どもを護るためだ。

そんな私が、一人の子どものみを守護することは、本来であれば赦されることのないこと。

けれど、そんなことはどうでもいい。

「ときに、少年よ。お前の名前は?」

「あ、ごめんなさい。忘れてた。。僕の名前は、雅朱音だよ」

「朱音、か。いい名前だ。・・・朱音、私と約束《けいやく》を結ぶ気はないか?」

私がそう問いかけると、朱音は前ほどと同じように、私の目をじっと見つめてきた。

「約束《けいやく》したら、夜明け鳥様が困るんじゃない?駄目なんだよね。夜明け鳥様は、子ども達を護る存在だから。一人の子どものみを守護することは赦されてないでしょ?・・・僕は大丈夫だから、心配しないで?」

まさか、こんな小さな子どもに心配されるとはな。。

それに、賢い子だ。

歳に似合わない賢さを、この子は持っている。

だからこそ、心配になるのだな。

この子が、この運命を耐えきれるとは思えない。

「心配しなくていい。そのくらい、どうということはない。……私は、お前の力になりたいんだ」

「・・・分かった。じゃあ、僕と約束《けいやく》して。~~を、護るために」

 

私は、朱音と約束《けいやく》を結んだ。

願わくば、全員が笑い合えるときが・・・




夜明け鳥様登場です!
ここで、二人はある約束《けいやく》を結びました。
その約束《けいやく》がなんだったのかは、後々わかることでしょう。。
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