せーの、禿げたぬき爺~~!!
今回は、誰目線はありません。
(ふう。なんか、疲れちゃったな。。今日はもう、終わりにしようかな?そろそろ閉館時間だし)
そう思い、シオリは痛む頭を押さえながら、一階に向かって階段を降り始めた。
もう少しで、一階に辿り着くというところで、シオリの耳に嫌悪感のある下世話な声が聞こえてきた。
その声を不快に思いながらも、シオリは声のする方へと足を運んだ。
そこにいたのは、須賀さんと見たことのない男性。
禿げ頭に丸々太った体。
一瞬たぬきを想像してしまったシオリは、クスッと小さく笑ってしまった。
「だからねぇ、君。何度も言ってるじゃないか。この歴史資料館を壊して新しい建物を建てれば、君にも村にも都合がいいんだ。あとは、君が頷いてさえくれれば、この件は承諾されると何度も言っとるだろ。いつまでしょうもない昔話に振り回されてるんだ!」
たぬきは言いたいことだけをぎゃんぎゃん吼え倒し、須賀の意見は聞こうとせずに何とか頷かせようとしているようだった。
須賀が首を横に振ると、たぬきはじれたようにいい放った。
「だからなぁ!ことりおばけなど、迷信にすぎないんだ!あんなものが現実にいるわけないだろ!馬鹿馬鹿しい!!いつまでそんな幻覚まがいのものにとらわれ続ける気だ!いい加減にここを渡せ!お前が変なことを言いふらすから、他のやつらも変に影響されて、森にはいるなとか言いやがるんだ!嘘も大概にせんか!!」
ガタンッ
チャキッ
須賀は堪忍袋の尾が切れたのか、勢いよく立ち上がって模造刀に手をかける。
さすがのたぬきもそれにはゾッとしたようで、数歩離れた場所から叫びだした。
「な、なんだ!?お前がそんなことをしているから、余計に人が寄り付かんのだ!」
しかし、須賀は模造刀には手をかけず、その横にあったメモ用紙を取り出すと、なにかを書き始めた。
それを見たたぬきは、ほっとしたように須賀を罵り始める。
「全く、これだからお前と話をするのは嫌なんだ。。何かあると、すぐそうやって人を怯えさせて言うことを聞かせようとする。それに、ここに住み着いているあのがき、あいつも大概だな。いつもいつも人のコップに溢れんばかりの熱湯茶を淹れやがって。。今日はいないようだかな。とにかく、お前達は近いうちここを立ち去ってもらうぞ。せいぜい、今のうちに仕事を探すんだな。・・・まあ、お前達のようなやつら、どこにも雇ってもらえないだろうが」
流石に酷すぎる。
そう思ったシオリがたぬきの元へ行こうとした瞬間、いつの間にかとなりに来ていたらしい佐久間が、たぬきの元へと走っていった。
「おお、佐久間さんのところの娘じゃないか。君も、こんなところにいないで学校に行きなさい。君がここに入り浸っているから、佐久間さんも首をたてに降ってくれないんだ」
そう言って笑いかけてくるたぬきに、佐久間はピシャリといい放った。
「死んじまえ!たぬき爺!!」
それだけを言うと、佐久間は走ってどこかへいってしまった。
佐久間の言葉に顔を真っ赤にして怒っているたぬきに、またもやいつのまにかシオリの隣にいたソナタが、静かに近寄った。
顔をしかめているたぬきに、ソナタは静かに言葉を紡ぐ。
「文句を言う資格、あなたにはないと思います。須賀さんや朱音くんを罵ったり、無理矢理ここを潰そうとしたのは、あなたの方ですよね?そんなあなたに、佐久間ちゃんを侮辱する資格はないし、そんなもの私が与えない。皆に、謝ってください。それができないのなら、今すぐ出てって」
またもピシャリと言い切ると、たぬきはあろうことか、ソナタを叩こうとしてきた。
とっさのことに反応できずにしゃがみこむソナタを助けたのは、少し前に買い物から帰ってきていた朱音。
「大丈夫?ソナタ。変に手をだそうとしたら、危ないよ」
たぬきの腕を掴みながら、朱音はそう言ってソナタに笑いかける。
「う。。だって……」
うまいいいわけが思い付かなかったらしく、ソナタはそこで押し黙った。
そこで朱音はソナタを説教するのをやめ、たぬきの方に顔を向けた。
「暴力沙汰ですね、おじさん。ここは、おとなしく帰ってくれませんか?じゃないと、こちらとしても心苦しい対応をとらざるを得なくなりますから」
どうですか?と愛らしく笑う彼の目は、一切笑っていない。
冷や汗を流すたぬきに止めを指したのは、この資料館の持ち主の孫である、シオリだった。
「あの、好き勝手なことを言っているので口を出させて貰いますけど。。ここは、私のおじいさんがすんでいた場所です。私は、この資料館の持ち主である神埼敬一郎の孫です。そして、この資料館をあなたに渡す気も、取り壊す気もありません。お引き取りいただけますか?」
堂々と言い切るシオリに、たぬきは「臆病者達め!!」と捨て台詞を吐き捨て、そそくさと帰っていった。
うーん。。
詰めこみすぎたか?
ぐっちゃぐちゃになってますね、すみません。