お待たせいたしました、更新です。
「朱音くん朱音くん。どうしてお茶をギリギリまで注いでいるの?溢れたら火傷するよ?」
朱音が持っていたお茶に気づいたソナタが、そう言って尋ねてくる。
「へ?あ、えっとね。なんか、嫌な人にはそういうお茶を出すって、前に本で見たんだ。だから、やってるんだよ」
そう答える朱音に、ソナタは感心したように言葉を漏らす。
「へえ~私も嫌な人来たら、やってみよ!」
「パクられた!」「パクってないもん!」
けらけら笑う二人を、須賀とシオリは驚いたように目を丸くしながら見つめている。
・・・この二人、いつの間にこんなに仲良く。。?
須賀とシオリの心が、ひとつになった瞬間だった。
そんな須賀の気持ちに気づいているのかいないのか、朱音が須賀のもとにやってきた。
「聞いてよ!管理人のお兄さん。ソナタってば、僕がよくやってるお茶の入れかた、パクるって言ってきたんだよ?酷いよね」
「パクってないもん!朱音くんがいってたから、やるだけだし!」
「それパクるっていうんだよ」「ええ!?」
朱音の言葉に、本気で驚くソナタ。
楽しそうな二人に、シオリが訊ねかける。
「ソナタちゃん、いつの間に仲良くなったの。。?」
シオリの言葉に二人は顔を見合わせ、同時に答えた。
「「ついさっき?」」
ねえ?というようにソナタの方に顔を向けていた朱音の肩を、須賀がポンポンと軽く叩いた。
「何?管理人のお兄さん」
朱音が訊ねると、須賀はちょいちょいと手招きをしながら、シオリ達から離れた場所に向かう。
朱音は頭にはてなマークを浮かべながらも、素直に須賀について行く。
シオリ達が来ないことを確認しつつ、須賀はメモに何かを書き、朱音に手渡した。
【どうして仲良くなったの?
確か、記憶を戻したくないから、わざと冷たい態度を取るって言ってたよね?】
「・・・分かってる。。ほんとは、駄目なことだって。でも・・・」
小さな声で訴えながらも、朱音は項垂れる。
【分かっているなら、突き通さないといけないんじゃないの?】
【僕だって、しぃちゃんと話をしたい。
でも、僕らは関わったらいけないんだ。】
【しぃちゃん達を護るには、これしかないんだ】
「・・・ごめんなさい。。」
朱音は今にも消えてしまいそうなほど小さくか細い声で須賀に謝ると、そのまま自分の部屋に戻ってしまった。
その場に留まっていた須賀は自分の掌に残された数枚の紙を見直し、空いている方の手で顔を覆った。
(・・・何してるんだ、僕は。。朱音くんの気持ちも考えずに、こんな酷い言葉を……。あの子は、まだまだ子どもなんだ。僕だって、しぃちゃんに優しくしそうになったのに。。あの子が、耐えられるわけがないじゃないか。それなのに、僕は頭ごなしに・・・)
今ごろになって、須賀は自分があまりに酷なことを言ったことに気づく。
大人びてはいても、朱音もまだまだ小さな子どもだ。
今回はタヌキ撃退だけではなく、朱音と須賀も喧嘩?紛いのことをさせてみました。
そして、次回は大変ながらくお待たせいたしました、
天才料理人須賀シェフによるフルコースをご堪能いただけますよ!