長かった。。
そしてここから暫くの間、この物語の主人公である朱音くんは戦線離脱します。
もう一人の主人公であるソナタとシオリ、須賀さん、望月巡査のみの登場となると思います。
食事の後片付けも終わり、皆がのんびり寛いでいた時だった。
「須賀くん、いるか!?入れてくれ!!」
事件の始まりは、望月のこの一言からだった。。
「あれ?望月巡査だ。管理人のお兄さん、ちょっと出てくるね」
そう言って、朱音が部屋を出ていく。
なんだろうね?と顔を見合わせるシオリとソナタ。
無言で本を整理し続ける須賀。
と、その時。
ドタドタ!という廊下を走る音が、三人の方へと近付いてきた。
バンッ!!
ドアが勢いよく開けられ、朱音が飛び込んでくる。
「ど、どうしたの?朱音くん」
シオリが驚いて尋ねると、朱音は青白い顔で言った。
「た、大変。。佐久間が、佐久間が・・・!!」
パニックになっている朱音の言葉は肝心なところが抜けており、何が言いたいのか全くわからない。
なんとか聞き出そうとしていたその時、望月もまた部屋に飛び込んできた。
「望月巡査、いったい何があったんですか?」
比較的落ち着いていたシオリが望月に尋ねかけると、彼は予想だにしなかった言葉を口にした。
「佐久真が、佐久間が居なくなったんだ!まだ家にも帰ってないらしくて、てっきりここにいるかと思ったんだが。。朱音くんに聞いたらいないと言われたんだ。頼む、みんな。あの子を、佐久間を探すのを手伝ってくれ!!」
望月の悲痛な叫びが、資料館にこだまする。
この事態に真っ先に動いたのは須賀で、須賀は望月に【分かりました。探しましょう】と書かれたメモをみせ、頷いて見せた。
「・・・ありがとう、恩に着る」
須賀が部屋から出て行こうとした、その時。
「あ、あの!私達も探すの手伝います!」
シオリがそう名乗り出ると、須賀はやっぱり。。と思いながらシオリにメモを突きつける。
【なにもするな。ここにいろ】
「そんなことできません!」
「そうですよ!佐久間ちゃん、大切な友達だもん。ほってなんておけない!」
シオリとソナタが、須賀の言葉に真っ向から反対する。
ギロリと睨む須賀に対し、二人は怯むことなく同じように睨み返してきた。
「・・・」
さすがに部が悪いとでも思ったのか、須賀は唯一の理解者でもある朱音のほうに目を向けた。
彼なら、自分の言いたいことがわかるし、止めてくれるだろうと思ったのだ。
しかし、そんな須賀の考えは、朱音を見た瞬間に崩れ落ちた。
「大丈夫か?朱音君。顔色が悪いぞ?」
望月は心配そうに朱音に尋ねかけ、その小さな背中をそっと擦ろうとする。
「っっ!!!」
望月の手が背中に触れた瞬間、朱音は体をビクッと震わせた。
いつもとは違う朱音の反応に、望月が戸惑う。
【朱音君、どうしたの?】
心配した須賀が、朱音にメモを見せる。
さっきまで須賀と言い争っていたシオリとソナタまでもが、同じように大丈夫かと訊ねてきた。
「・・・ごめんなさい、管理人のお兄さん。。僕、ちょっと行かなくちゃいけないとこがあるんだ。だから・・・だから、シオリさんとソナタに探すの手伝ってもらって?シオリさん、ソナタ。管理人のお兄さんのこと、手伝ってあげてね」
朱音の言葉に驚いたのは、須賀だけではない。
シオリとソナタも驚き、顔を見合わせていた。
初めてあったときと先程の須賀の態度から、朱音にも止められると思っていた。
その時は、ソナタが率先して話をしようと思っていたのだ。
しかし、朱音はいとも簡単に二人が佐久間を探すことを承諾したのだ。
驚いてしまうのも、無理はない話だった。
「いいの?朱音くん。ほんとに……」
ソナタが恐る恐る尋ねかけると、朱音はこくりと頷いた。
それから、真面目な顔で二人を見やると、こんなことを言ってきた。
「ただ、これだけは約束して。もしも森にはいることがあったなら。そこで、なにか恐ろしいものに追いかけれることがあったなら、真っ白い鳥を探して。その鳥のあとを追っていけば、きっと出逢えるから。管理人のお兄さんも、望月巡査もだよ。白い鳥を探して。必ず、出逢えるから……」
朱音はそれだけを伝えると、屋敷から姿を消してしまった。
「・・・須賀さん、お願いします。佐久間ちゃんを探すのを、手伝わせてください」
朱音が去ったあと、シオリは須賀の真正面にたち、静かにそう告げる。
須賀とシオリは少しの間睨みあっていたが、暫くするとシオリの嬉しそうな声が聞こえてきた。
どうやら、シオリの粘り勝ちとなったらしい。
早速探しにいこうとした二人を須賀は一旦引き留め、シオリには夜光石で出来たネックレスを、ソナタにはブレスレットを手渡してきた。
はじめはキョトンとしていた二人だったが、すぐに夜光石がお守りの石であったことを思いだし、須賀にお礼を言ったのであった。。
前書きでもかいたように、暫くは朱音くんは出てきません。
なんか出番少ないな、朱音くん。
朱音くんが何処へ行ったのかは、おそらくわかっている方もいらっしゃることでしょう。
ここから、ゲーム・または小説のネタバレが多数含まれてくると思われます。
また、次話はダイジェスト風にお送りする予定ですので、あまり話し言葉がないかもしれません。
ご了承下さい。