先に前編だけ投稿。
今章は色々異色の戦闘回ですが、理由はあるので。
簪の姿を一夏が認めたのと同時に、【アストレア】を包んでいた光がおさまり、元の傷にまみれた全容を晒した。機体色や装備にも特に変わったところはない。
だがそのことは一夏の関心を引いてはいなかった。
「簪、何で来たんだ!」
被害を学園で拡大させないようにしたのが水の泡だ。一夏が怒りを見せるのも無理はなかった。
だが戦場は危険と隣り合わせ。ここで敵以外に意識を向けることは即敗北につながる。
『もらったよ!』
気の逸れた一夏に【ガデッサ】がビームサーベルを踊りかかった。
「させないって言った!」
だが割って入った簪がビームサーベルを薙刀で受け止め、即座に逆の手のマシンガンで反撃することで武器を戻させる。
普通なら一呼吸置くような、敵の下がったところへも簪は攻め手を緩めない。さらに薙刀を突き出しては銃が後を詰め、浴びせかけられた銃弾を回避すると胴へと串刺しにするかのように正確に薙刀の切っ先を伸ばす。
正道と邪道の入り混じった攻撃は的確に【ガデッサ】を襲って、すみれ色の機体は新たな擦過傷を受けつつも大きく後退してその責めから逃れた。
銃と剣の二種一対となった戦法はいっそ舞のようでもあって、簪の錬度の高さを裏付けている。初めて見にした簪の隠れた実力には、一夏も怒りを忘れて見惚れるほどだった。
「簪・・・。」
「私が決めたこと…私がやらなきゃいけないことだから!」
一夏は知らず、簪本人も認めはしないだろうが、1年以上更識家での修業を積まされたおかげで、簪の実力は他の代表候補生にも決して劣らず、機体の性能も加味すればイノベイターにも張りあえるほどのものだった。
少し離れたところから一夏と簪を油断なく見つめるヒリングたちにもその脅威はよく伝わっている。
『・・・薙刀にマシンガン、学園に存在してる機体にあんな武器使うのは載ってなかったわよ。』
『【甲龍】、【ブルー・ティアーズ】、【打鉄】、【ラファール・リヴァイヴ】、【ヘル・ハウンドver.2.5】、【コールド・ブラッド】・・・外見情報も武装もやはりどの機体にも該当しない。
博士の記載ミスか、あるいは僕らがラボから発進した後に開発された機体か。』
『あの兎女、肝心なとこでいい加減なんだから!』
『しかし学園にいた【甲龍】といい、イノベイターに抗せる人材がここまで育っているとは。アロウズの上層部がいたなら引き抜くのに躍起になっていたことだろうさ。』
『・・・じゃリヴァイブはメガネの子をお願い。アタシは坊やとけりをつけるわ。2対2より1対1が2つの方がやりやすいでしょ。』
『お互いにね。』
会話を終えたヒリングが両の光剣を出力して構えると同時に、声を張り上げた。
『トランザム!』
声に含まれた熱意が色づけたかのように【ガラッゾ】がその全身を赤く輝かせる。
優れた動体視力を持つ一夏でも目で追うのが限度な程の、それこそ残像すら生む速度で【ガラッゾ】は【アストレア】に接近、顔と片腕を掴むとさらに粒子を噴き上げてその場から掻っ攫った。
「織斑く―――!」
身を翻して一夏達を追おうとした簪に散発的に粒子ビームの群れが襲い、足を止めさせた。
「っ、邪魔をしないで!」
『追うのは自由だが、背中を無防備にさらして撃つなとは言わないだろう?』
それに、と【ガデッサ】が顎をしゃくって先を示す。
『心配しなくても、もうそんなに遠くに行かせたりはしないよ。』
示された通りに【ガラッゾ】は既に【アストレア】を解放して、2機ともに武器を構えて対峙していた。
距離にすれば恐らく500m程、全力で向かえば10秒でも余裕で辿り着ける距離だ。
だがそうすんなり追いかけることを許さない存在が簪の前には立ちはだかっている。いや、正確には立ちはだかるというよりは背に食らいつく狼がいると言い換えられる。
『援護は自由、行きたいなら行けばいい。背を向けたなら遠慮なく撃たれることは頭に入れておく、戦場に出た者の鉄則だ。』
左手にビームサーベル、右手に【GNメガランチャー】を構えるその番人のような姿は、簪が追いかけるのを止めるには十分な威圧感を持っていた。
『追いかけたいなら僕を倒せ、死にたくなくても僕を倒せ、同じ相手で張り合いが無くなっていたところだ。あの少年のように頑張ってみせてくれ。』
「あなた一人に構っている暇はないの・・・!」
刀と銃の二刀流という変則的な武装の簪もまた、学園では見せたことのない敵意を前面に出して【ガデッサ】に向かう。
『一応名乗りの1つでも、君にも挙げておこう。元イノベイターが一人、リヴァイブ・リバイバルだ。』
「…更式簪。」
かつての学園最強の妹対新人類の模倣品、お互いの素性も知らない彼らはどこか自分自身と戦う鏡に向かい合っているようでもあった
◇
「いい加減に・・・離せっ!」
空いた手に【プロトGNビームライフル】を装備し、至近距離の【ガラッゾ】へと銃口を押し付けて引き金を引く。
当たればいい程度の見込みで撃った弾丸だったがやはり当たらず、【ガラッゾ】は手を離して後方へと飛びずさった。
「今の赤い光は・・・」
期待への被害状況を確認しながらでも【ガラッゾ】を包んだ赤い光と粒子は、一夏の意識の大部分を占める。
目にもとまらぬ速さを【ガラッゾ】へ与えたように見えたあの赤い発光現象は、6年前に見た光景を思い出させたのだ。
『トランザムのことは知ってるんだ。誰かから聞いた?』
「・・・昔見た技がお前と似てたような気がしただけだ。」
適当にはぐらかすことにした。誤魔化す理由が特段あるわけでもないが、教えてやる義理もない。
『トランザムと似たようなの・・・ねえ?
坊や、ひょっとして赤と黒の【エクシア】を知ってる?』
「イクサを知ってるのか!?」
『イクサかぁ・・・過去を捨て切れないとこがまた人間臭いわ。』
「答えろ!」
『アタシらにとっても知り合いなのよ、そのイクサって男は。第一、そいつは――』
ヒリングが何かを語ろうとしたとき第三者の声が会話を遮った。
(無駄話はそこまでにしろや。)
その声は肉声というよりは頭の中に響いてくるような不思議な感じがした。声の聞こえは不思議なものだが、言葉に含まれる感情は敵対者への明確な悪意が感じられる。
しかもそれは一夏の脳内から出てきたかのように思えた。
「この声・・・どこから?」
『声・・・って、脳量子波!? まさかあの坊や!?』
ヒリングは声がどういうものなのか心当たりがあるようで、周囲を見回しているが誰の姿も見えない。
その行動も嘲るような声がさらに一夏とヒリングの耳朶を打つ。
(そんなに驚くなよ。バケモン同士、オレも脳量子は使えンだってことくらい知ってるだろ?)
ここでようやく一夏もヒリングも声の出所に気が付いた。それは【アストレア】のコア、胸部に詰められた緑のジェネレーター、GNドライヴの核たる部分だ。
『その声はハレルヤ・・・ハレルヤ・ハプティズム・・・! 【アストレア】の中にいたってわけ!』
(あれだけ刺激的な体験させてやったのに忘れてたってか! 2度と忘れられねぇようにもう一度ブチ殺してやる!
さぁ見てろよ一夏ァ!)
声に呼応して【アストレア】のツインアイとGNドライヴが輝きを宿す。コーン状の粒子発生装置と胸のジェネレーターからこぼれだした緑の粒子が機体全体に奔っていくことで、全身の色合いも装備も新たなものに変わっていく。
白くシャープさのあったアンテナは黄色く短い船舵のような形に、肩アーマーは青から白へ、脚は膝関節に飛行機の尾翼に似たパーツが追加され空戦機動力の向上を図る。右腕には【プロトGNビームサブマシンガン】が銃身を一門増やして2列になった【GNビームサブマシンガン】。スパークの散っている左腕には【GNシールド(タイプK)】が装着された。最後に背中の円錐が消えて、後ろに大きく突き出した黒い三角のパーツが取り付けられる。
光のおさまった時には【アストレア】より素早さを重視したフォルム、【ガンダムキュリオス】への変形を終えていた。
『【ガンダムキュリオス】・・・! イノベイターのできそこないには似合いの古臭い機体ね!』
(そのできそこないに負けたんだよなぁ、自称新人類さんよぉ!)
ここで【アストレア】に起きた変化や新たな声の主の出てきた驚きが落ちついた一夏も声を出すことが出来た。
「俺を置いて話進めるな!」
(あ?)
「この声は、お前は誰なんだ!?」
(どうでもいいだろ、ンなことは。理屈こねたきゃ学校で教師相手にやってろ!)
頭蓋の内に響く怒鳴り声が叱りつけたかと思うと、機体の操縦にエラーが生じた。違和感に腕を動かそうとしてももう遅く、一夏の操作をまるで受け付けない
(テメーには生き残るための力がまだまだ足りねえ。俺の戦い方、よーく見とけ!)
◇
一夏の質問をすっぱり切って捨てたハレルヤは、脳量子波で姿を変えた【ガンダムキュリオス】の全コントロールを支配下に置いた。
今までの一夏が戦ってきた記録を見てきたハレルヤには彼の戦い方の無理な部分が良く見えている。生き残るため、または勝つために身を切ってでも戦うのはハレルヤの趣味にも合うが、いかんせん織斑一夏には地の実力が不足気味だ。
キレイごとを叫ぶのはともかく、実現する力を持たないなら無謀でしかない。
(悪いな一夏、アレルヤ。オレは口出しで満足するほど謙虚じゃないんでね。)
脳量子波にも乗せない独り言としてそうごちる。
敵はイノベイター。
まだ戦闘経験の浅い一夏に全てやらせるにはいろいろ面倒な相手だ。ここ20分ほど戦っているが2機相手に未だに勝ち星を挙げられていない。
ティエリアやライル辺りなら口で指示を出して成長させるだろうが、彼は生来、人にものを教えた経験などない。中々煮え切らないもう一人の自分の尻を焚き付け続けたことくらいか。
〈君た…は…時代で…いっく…に…【アスト…】を…よろし…頼…だよ〉
(機体渡してオレ達の役目は終いつってたか、あの女。
お生憎だ、オレはお行儀よく消えてなんかやらねえ。このガキに俺の殺りかた、刻み込んでやるよ!)
とある事情で、ハレルヤを含めたこの機体にいる者たちはいつまでもこの世界に留まることが出来ない。
ならば、この機体を継いでいく男に自分の力を残していこうと心に決め、牙を研いで待ちわびていたのだ。伝えるような過去も、体験も、知識も、全て殺戮と自分が生き残る術にしか脳の無い彼には無縁のものなのだから。
(センチな感傷なんざらしくねえ・・・消えかけの残りカスになって俺もボケたか。
まぁ小難しい理屈なんてどうだっていい・・・敵が目の前にいるんだから殺る、そんだけだろうが!)
『もう一辺聞かせろよ、命の全てを絞り出した断末魔ってやつを!ぎゃははははは!』
『そっちこそ地獄に帰りな!』
一夏の言うことを聞かなくなった【ガンダムキュリオス】が欠け落ちた片目に赤、健在の方の目に緑の光を点して【ガラッゾ】に迫る。もし橙色の機体から聞こえる高笑いを聞く者がいたなら、この【ガンダムキュリオス】こそを悪人の乗る機体だと思ったことだろう。
ハレルヤは生前と同じ悪鬼の形相で【ガラッゾ】に襲い掛かるのだった。
◇
避けきれなかった銃弾がすみれ色のボディに当たって火花をあげ、後方へと飛んでいく。着弾した海面には水柱が大小問わず吹き上がり、小さな虹があちらこちらでアーチを作っては景色を彩っている。
ゆったりとしたムードの中で見たなら思わず心奪われるような美しさだが、リヴァイブは目もくれることなく【GNバルカン】で接近しようとした【打鉄二式】の進路を阻んだ。
だが敵も負けてはいない。
ビーム加工された薙刀の先端を突き出し、深手になると判断した弾丸だけを払いのけて速度を緩めず接近、腰より下から逆袈裟懸けに斬り上げる。
(バルカンでは間に合わないか)
ビームサーベルを抜いて受け止める。
桃色の光刃と薄水色の白刃が凄まじい速度でぶつけられ、衝撃と轟音が両の機体を包む。
【GNメガランチャー】は悠長に狙いを定める時間が無いと判断して腰へと戻し、ビームサーベルとバルカンでの機動戦を演じている。
リヴァイブにとって眼鏡をかけた少女は完全に予定から抜けていた存在だった。
(武装は実弾一辺倒。薙刀とマシンガンだけが全てではないだろうが・・・)
『君も代表候補生の一人か?』
「だったら何!」
『無名の生徒に互角の勝負をされては面目ないからさ!』
薙刀を払い除けて体勢を崩したところにバルカンを放とうとする。
敵も一方的に銃弾を浴びせられるのを防ぐために白刃を時には大上段からの降り下ろし、時には下段からの突き上げと次々軌道を変えては切り込み、自機に狙いを絞らせる暇を与えようとはしない。
では接近戦だけかと思えば、【ガデッサ】に蹴りを入れて自ら距離を離させてマシンガンによる弾丸の雨をみまう。
さらに手元に半透明のキーボードを出現させたかと思うと、マシンガンでこちらの接近を阻みながら、片手で猛烈なスピードでそのキーを叩いた。
すると【ガデッサ】の目の前の空間が揺らいだ直後、円筒の形をした物体が現れ、リヴァイブが動くより早くその蓋を開いた。
『ミサイルか!』
筒の中身を察するやいなや、その射程圏から逃れるべく機体を引かせようとしたが、その【ガデッサ】に後ろからミサイルが衝突して爆発した。
「くぅぅぅ!?」
わざと目の前に出現したミサイルポッドは囮だったのだと気が付いても、激しく全身を揺さぶられているリヴァイブには何もできない。
後方からのミサイルが直撃して動きを止めた【ガデッサ】に追い打ちをかけるように、前方からもミサイルが機体へと次々に殺到し、命中した。
(空間転送・・・ISの持つ特殊能力の一つだったな。)
前方へ出現させたミサイルに意識を引き付けて後方からも放つ。手元に出ていたキーボードで操作したのだろうが、軽くできるようなことでもない。
一夏の自爆まがいの攻撃で焦げた箇所が目立っていた機体はさらに黒く焼け、もう元の色がすみれ色をしていたことなど誰にもわかりはしまい。
装甲の耐久限界を超えた部位もぞろぞろと目立ち、破片がまたこぼれ落ちる。実弾防御が高く設定されていなかったら、無数の金属片に変えられて海に散っていただろう。
(隙の無い確かな攻め、【甲龍】のような特殊装備も持たずに白兵能力だけを高めたタイプとは・・・。技術だけなら僕の知った中でも上位に食い込むか。)
リヴァイブとてイノベイター。機体が万全で相手が素人ならその攻めも意に介さない。また【甲龍】、【ブルー・ティアーズ】といった特殊兵装に頼みを置く敵はその性質を理解すれば、容易に対処できる。
学園内では【甲龍】を圧倒できたのもパワーに物を言わせるのではなく【衝撃砲】で不意を突くことを狙った考えまでが読めていたからだ。
だが愛機の【ガデッサ】は敵と同ズペックまで性能が下げられ、相手もおそらくは何らかの武術を学んだ実力者ときている。
カタロンのMSを鎮圧するような簡単な仕事になってくれないのには頭が痛くなる。
事情や敵の内情がどうあろうと、織斑一夏より距離を測った戦い方が出来る点では彼よりも強いと言ってもいいだろう。
あくまでも今のところに限った話で、しかもその動きにリヴァイブの目にも明らかな違和感は拭えなかったが。
(武術の心得がある、が本人の才能にマッチしてはいない。動きが手強くこそあってもどこか合わないぎこちなさがある。・・・それにこれは焦りか?)
【打鉄】の改良型と思しき敵機は怒涛の攻めで【ガデッサ】を討ち取ろうとしてはいるが、あっという間にやられてしまうほどリヴァイブは弱くない。
ミサイルによる罠こそ受けたが、薙刀をビームサーベルで払いのけるたび、マシンガンを回避してバルカンで撃ち返すたびに敵の動きに粗が目立ってきたのを鋭敏に感じ取っていた。
「お姉ちゃんには出来た・・・私だって・・・!」
抑えられてはいても漏れ出した声を片耳に挟む。
(身内へのコンプレックスというわけだ。姉といろいろ比較されてきたのか。)
どっちだろうと負けてやる理由にはならない。
距離を問わない戦い方が出来ても、肝心の戦闘経験から来るスタミナ枯渇や失調への対策が出来ていないのは織斑一夏に劣っている。さしずめ教科書を理解するのは速くても実戦は苦手と言ところだろう。
(学園での僕らの性能を目の当たりにしてなお、助けに駆け付けた勇気は褒めるほかない。だが焦ったせいで選択肢を取り違えたね。)
少女の戦い方や武装から見れば支援の方が性格的には向いていると見える。前衛を務められる仲間でも連れていれば勝ち筋もあっただろうが、一人で勝てるわけもない。織斑一夏が間違えたのと同じミスを助けに来た者も犯してしまったわけだ。
(長引かせすぎた。そろそろ終わりにしよう。)
そこまで考えて【GNメガランチャー】を抜こうとしたところで、交戦している少女ともヒリングと一夏の戦っているのとも別の方向から数条のビームが【ガデッサ】を襲った。
「・・・言っている傍からか。ヒリングの言う通り、時間をかけすぎたな。」
視線の先、いつの間にか思っていたよりも近くなっていた日本の海岸線から新たに【打鉄】・【甲龍】・【ブルー・ティアーズ】の三機がスラスターの噴射炎を背に近づいてきているのが見える。
しかし更式簪より遅れて現れるのなら、まだ時間的余裕があると見込んでいたのだが・・・。
どんなからくりかと疑念が生じたところで、簪の口元がわずか、ほんのわずか得意げに持ち上がったのに気が付いた。
『・・・君の狙い通りか。』
「私一人じゃ…あなたは倒せない。戦い続けても…皆が来るまでには時間がかかってしまう。だから攻撃を避けるのに合わせて少しづつ…ほんの少しずつ海岸に向けて移動していた。両側から近づけば…かかる時間は半分で済むから。」
『腕も立つのに頭も回る・・・敵にはしたくないよ。』
いくらイノベイターでも性能差の少ない敵を四機も相手取るのは勝算が絶望的すぎる。
(しかし易々と通しては私の面目も立たない。)
交戦状態に入って織斑一夏の実力の程も知れたので任務遂行状態はほぼ完了に近い。勝てる見込みのない戦闘を続ける義理も、押し付けられた敵を引き付け続ける義務もない。
さりとて、放り出しても後味が悪いだろう。
(よくて一人倒せるか。窮鼠猫を噛む・・・私がネズミになる日が来るとは。)
眼前には合流を果たした4機のIS。
倒すには手間取る武装と技術を兼ね備えた更式簪。
学園で戦った因縁からか、怒りの混じった視線でリヴァイブを睨む【甲龍】とその操縦者である小さい少女。
キャリアから飛び立った6基のビットで包囲網を形成、後衛への備えを万全にした【ブルー・ティアーズ】の金髪の少女。
ブレード【葵】を両手で握り構える【打鉄】に乗る黒髪の少女。
この場へと来る以上には実力者なのはまず間違いない、ならなおのこと受けてたとう。
勝っても負けても、後のためには不足の無い相手だと言えるのだから。
出来るだけ次も急ぎます。今絶賛執筆中なので。
ハレルヤと【キュリオス】も次回で活躍。
前回と同じような終わり方で申し訳ない。
一応書いておくと、キュリオスはトランザムを使えません。
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