IS×00 夢を目指す者   作:王天君

46 / 62
 さて今回はお待たせした分、結構長くなりました。前書きと後書きにもストーリーが乱入している上、戦闘まで少しやります。
 とりあえず、本編をどうぞ。





 ラウラはIS学園に向かうタクシーの車中で、重い瞼をこすって眠らないようにしていた。眠るとまた不可思議な夢に連れて行かれそうになるからだ。
 だが結局押し寄せる睡魔には勝てず、眠りに落ちた。





 満足に回らない頭で現状把握をして最初に目に映ったのは、視界いっぱいに塗られた白化粧と、見慣れたドイツ建築の家々だった。
 白化粧は深々と降り続く雪が街を染めてできているから。
 景色を見ていて気付いたが、今の自分の目線普段よりもかなり低い。元から背の高い方でないラウラより低い視界ということは、この体の持ち主はまだ子供といって差し支えない年齢だろう。
 履いた長靴に踏みしめられた雪は柔らかいようで硬い不思議な感触がする。
 舞う様子は幻想的で美しい景色、地に積もれば踏むだけで音を立てる。一足、二足、違う音が奏でられて、地面が楽器になったみたいだ。

『♪~』

 その雪の楽しさに心が惹かれたようで、思わず走り出しそうになったところで手を引っ張られた。

『こら、外に出たときはボクから手を離しちゃいけないって言っているだろう?』
『や!』

 不満を態度に隠すことなく引っ張った相手を睨む。
 手を握る相手はこちらより少し背丈が高い女の人だ。身長にして150㎝あるかないか、今のラウラとそう変わらない。
 長い銀の髪をたなびかせて、黒色の外套に身を包んでいる。そして自分もまた同じ色の子どもサイズの外套を着ていた。雪の降るような寒さを感じないのはこの服のおかげだろう。
 体の持ち主はぶんぶん腕を振るって逃げようとしているが、小さな子供が大の大人に力で敵うはずもない。町ゆく人たちの視線が微笑ましいものを見るような生暖かい熱を帯びる。
 観察していると女性がこめかみに手をやった。やれやれと口に出さなくても思っていることがよくわかる。
 ここまでの会話だと大したことはない。ラウラも変な夢を見たで片付く。そういかないのが、

『嫌、じゃないよ。()()()()()()』のために言ってるんだ。』
『むー!』

 自分の名前、ラウラを呼ばれるから。
 この夢は自分とかかわりがあるのではないかと気になってしまう。しかしそれは科学的にありえないのだ。
 ラウラは試験管内で成長して、今の150㎝近くの身長になって生まれてきた。つまりこの目線で生きているわけがない。生家の、すでに廃墟となったオラーケル研究所に残った資料からも確かだと証明されている。これが間違いならラウラの出生そのものが国に偽造するほど大変なことをしていることになる。
 その不可解さゆえに今でも悩まされているのだ。

『頬を膨らませてもダメだよ。・・・全く、4歳になっても、子どもというのは理解が出来ない。感情というのを理解するにはまだまだという事かな。
 ――って言ったそばから!』
『たーーー!』
『外で真似するのは危ないからやめろと言っただろう!?』

 手を離すのは諦め、女性をつないだまま走り出す。外套を翻して、手を大きく広げながら走り出す。何の真似かは知らないが飛行機にしか見えない。
 手を握っている人の顔だけは靄がかかったように輪郭が薄れている。しかし以前に似た夢を見たときよりは個人の特徴を見つけることが出来る。
 夢が存在感を持ち出すのは吉兆なのか凶兆なのか。
 走る体が息を切らせ始めると、だんだんラウラも頭がぼんやりとしてくる。覚醒が近いのがなんとなくこれまでの経験で分かった。

『●●、早く早く!』
『やれやれ、転んでも知らないよ。』

 いよいよ薄れゆく視界で、体が子供から分離する。手を引いて走っていく子どもを見ることが出来た。体格からして4、5歳の小さな体から元気を一杯に溢れさせている。後ろから遠ざかっているせいで顔は窺えなくても、笑顔でいるのだけはわかった。
 連れられる女性も呆れているようだが、どこか慣れたことと受け入れている気がした。口元もほころんでいる気がする。
 だが、何と女性のことを呼んでいるのか、それはいまだにはっきりしない。
 それがはっきりしそうになるたび、頭が否定しにかかる。
 ああ、それでもやはり・・・・



 走る子どもは女性を『()()』と、そう呼んでいた。








「お客さん、着きましたよ。」
「着いたか。ご苦労。」
「毎度あり~。」

 数分してラウラはタクシーの車内で意識を起こした。
 当然窓の外に雪も降っていないし、ドイツでもない。皺が少しよった制服を伸ばしながら、頭を覚醒させるために軽く振る。

「・・・また夢か。いったい誰なんだ、貴様は。」

 あの女の正体。見るようになってから調べては見たが、残念にも思い当たるフシはどこにもない。
 手がかり一つつかめないまま時間だけが過ぎたせいで、ラウラも半ば以上は得体の知れない夢としか考えないようになっていた。それでも見続けるせいでコンディションに悪影響が出ているのだが。

(教官にお会いすれば何か変わるはずだ。あの人のおかげで一度、私は立ち直れたのだから。)

 きっと変わるはず。
 何もわからないなら、いっそ幻想だと振り捨てるだけ。教官に師事することだけを考えてあんな夢の事は忘れてしまう方がいい。





第三十一話 お前が嫌いだ

 

 

 突然だが、旅にトラブルはつきものという言い回しを知っているだろうか。

 例えば空港。荷物の受け取り口から自分の荷物が流れてこない。

 例えば山。綺麗な景色が見られると思って登ったはいいが、悪天候で全ておじゃんになる。

 このように何か凝った意味があるわけでもなく、綿密な計画を立てて旅を始めても予期せぬトラブルに見舞われることは当たり前だという意味だ。

 考えた上で行動してもこうなるのだから、考えずに行動するとどうなるか、用意がままならないうちに行動に移すとどうなるか、結果は想像するまでもあるまい。

 母国ドイツから遠く離れた日本、IS学園でラウラ・ボーデヴィッヒもまた旅の始まりからトラブルに見舞われていた。

 

「・・・数日前に日本を発った?」

「はい。行くこと自体も数日前に決めてしまって・・・。一応、ボーデヴィッヒさんたち転校生が来ることもお伝えしたんですけど。」

「そんな・・・」

 

 シャルルと別れた翌日、事故もなく日本へ来日したラウラはその足でIS学園に到着していた。機内でうたた寝をした間にまた覚えのない夢を見たなど、全く何事もなかったわけではないが、ひとまず無事に到着はできたわけである。

 そして案内役と思われる女性教諭に織斑千冬へ挨拶がしたいと言ったところ、今のような会話になったわけだ。

 ラウラにとって織斑千冬の不在はかなり予定外だ。

 自分に嫌気がさしているラウラもドイツを離れるには抵抗があった。心機一転を図るとはいっても、知人もいない土地に行くのが15歳の子どもに簡単に決断できるわけがない。

 千冬がいるから、それが留学するうえでそれなりに心の支えになっていたのだ。夢のことも自身の不調のことも信頼して相談できる人間がいないとなると、この学園にいるのもかなりの苦痛だ。

 

「1週間から2週間くらいで戻ってこられるとは思うんですけど・・・」

「もう結構だ。おられないなら戻られた時に挨拶する。」

 

 教官がおられないならこの教員と話していても意味がない。そう判断したラウラはバッグを担ぎ直してスタスタ歩き出す。

 

「あ、待ってください!施設の案内をするので、それに私の名前もまだ!」

「いらん。土地勘を鍛えるのも合わせて自分で勝手に見て回る。休日で授業もないのだから問題ないのだろう?」

「それはそうですけど・・・。」

「失礼する。」

 

 食い下がる様子を見せる教員を残したまま立ち去る。悪印象を与えているかもしれないと僅かに頭をよぎったが、織斑千冬に会えなかった失望感と疲労でそれどころではなかった。

 

――20分後――

 

「地図で確認していたのとはずいぶん違う。見回った甲斐があったな。」

 

 迷ってはいないが敷地の広さに巡るのが嫌になってきていた。

 校舎は見終わり、部活動の盛んなグラウンドの方も見終わった。最後に模擬戦などで使うらしいアリーナを見て寮に向かうとしよう。

 広いと言っても所詮は学園の一部、時間を特にかけることなく最後のアリーナへと到着する。下駄箱や引き戸の扉にも安全設計が考えられていて、軽くノックしただけで高い耐久性を保持していることが察せられた。

 マシンガンの弾程度なら直撃したところで、へこみはしても破壊されないと思われた。

 

「学内で銃器の使用程度は念頭に置いてある・・・。過保護だとは思わないのか。」

 

 指導していただいたころの千冬は徹底した効率主義を貫いていた。甘さの一切ない鬼のような指導は恐れられたが、相手の力量を一人一人見極めたやり方から慕われてもいた。

 その千冬が教えるにはこの学園は甘えすぎている。設備への投資ではなく、安全の確保などする必要が感じられない。

 優秀な人材の結集する地といっても、ここまで金をかける必要があるのか疑問だ。

 

「教官もおられないしこの留学も徒労に終わりそうだな。」

 

 憂鬱さに押されて息を吐いたところで、アリーナの内部から音が聞こえてきた。

 

「む?ここは部活動には使われていないはずだが・・・」

 

 基本的にISの使用を前提にしている施設のため、ここは授業やイベント、模擬戦にしか使われないそうだ。

 その場所から物音ということは・・・

 

「模擬戦でもしているのか。ちょうどいい、この学園のレベルを知るいい機会だ。」

(緩みきった国の実力など、どうせ知れているがな。)

 

 バッグを肩にかけ直して中へと入りこむ。

 見るに堪えない酷い戦いをしているならそれを馬鹿にしてやろう。溜まりに溜まったストレスもあって、この時のラウラはそんなことを考えていた。

 それから10分としないうちに一つの因縁に突き当たるとも知らず。

 

 

 

 

 同時刻、一夏も大きく息を吐いていた。ただし吐息は漏れないように細心の注意を払って。

 今、一夏は仕様を改造されたアリーナである相手と模擬戦を開始していた。ラウラの聞いた音の正体もコレである。

 身を隠したオブジェクトにぴたりと背を重ねる。命こそ掛かっていないものの、実戦顔負けの緊張感が全身を襲う。展開した装甲の裏で汗が滴り落ちるのを感じる。ガンダムフェイスを解いて拭きたいが、一夏の周囲はそれを許す状況になかった。

 鈴、セシリア戦ではグラウンド型の砂地だった場所にはビルを模したオブジェクトが連なり、市街地戦用の調整がされている。足元も今はコンクリートで覆われて、硬い質感が伝わってきている。

 

(あいつの武装を完全には把握してないから万能型の【アストレア】で出たが・・・こうも動きが無いと動けない。)

 

 相手の機体タイプは中距離寄りの全距離対応型。こちらの土俵である近距離に誘い込めば勝算が立つ。だが、既に一夏と【アストレア】の手の内を知りつくしている相手は突撃する愚を犯さずに慎重に歩を進めてきている(と思われる)。

 見えないほど離れている理由は 戦闘開始の合図で互いに離れたどこかからスタートしたせいだ。大量のオブジェクトとそれを組み合わせた入り組んだ地形、今までの武器だけを使った戦いではなく戦術が求められる。

 距離を詰めれば有利不利が入れ替わるのでまだ判断は下せないが。

 

(そろそろ始めてから5分、未だ動きは無し。・・・

 あいつならひょっとすると、もう策でも練ってるかもな。)

 

 張り詰めた緊迫感から目をそらすために、周りを見てみる。

 この背にしているビル型オブジェクトも含めて学園に頼んで用意してもらった小道具だ。一夏個人で用意しようとすればいくらかかるかわからないものをポンと用意してくれる辺り、学園も太っ腹だと言えよう。

 しかしあの学食は改善される様子が無い。一夏としてはあっちをどうにかして欲しい。

 以上、逃避終わり。

 逃避前と変わらずアリーナは不気味なほど静まり返って、相手の気配を感じられない。

 

(亀みたいにじっとしすぎても俺らしくない・・・ここは勝負に出る!)

 

 作戦を考えようとしても、考えられるほどこうした環境下での経験が無い。ここはいつも通り正面突破で行こう。

 距離は詰めてきている筈だ。想定外の場所で鉢合わせしてパニックになるよりは危険を冒してでも先手を取った方がいいだろう。

 相手の姿を確認と同時に攻撃するべく、【プロトGNビームライフル】と【プロトGNシールド(タイプE)】を構えて飛び出した。

 そのまさに飛び出した場所へ銃弾が襲いかかった。

 

「何!?」

 

 予想の範疇を越えていた攻撃だったが、シールドで防ぎダメージはゼロで済ませる。

 攻撃の威力より、攻撃が来たことの方が問題だ。

 

(動きが読まれてたのか!?いや・・・)

 

 銃弾が今度は見当はずれの位置に着弾。次もその次も近づいたり離れたりとバラバラの位置へ銃弾が落ちていく。

 

(威嚇射撃ならビビることはない!)

 

 当てるのではなく一夏を慌てさせるのが目的なら恐れることはない。まだ一夏の位置を特定できないまま、弾をばらまいているだけだろう。

 弾の飛んできた位置から射手の位置も割れた。

 今度はこちらが奇襲で驚かせる番だ。

 

(スタート位置から動いてない俺の位置まで届いて、似たような範囲に銃弾を届かせられる・・・中央近くからマシンガンをばらまいてる!)

 

 そこからの行動は速かった。【ガンダムアストレア】から【ガンダムキュリオス】に機体をチェンジ。最高速度で一気に距離を詰める。

 予想した所在の場所に【GNビームサブマシンガン】を構えた。

 

「もらったぜ、かん―――」

 

 だがまたしても驚かされたのは一夏の方だった。

 

「いない!?」

 

 いると思った場所に姿はなく、構えた【GNビームサブマシンガン】だけが淋しく風になびかれるだけだ。

 

(何でだ、攻撃してきた位置はこの辺りに違いない・・・なら何で影も形もない?)

 

 答えはすぐに訪れる。

 攻撃の接近を知らせるアラートが鳴り響いて危機喚起を促す。だがその音に対応するまもなく、大量のミサイルが白煙と衝撃を伴って【ガンダムキュリオス】を滅多打ちにした。

 なお模擬戦とは言ってみてもISであるが故、弾はセシリア、鈴とやった時と同じように実弾が使われている。体を重々しく貫く衝撃が数日ぶりに実戦の感覚を思い起こさせる。

 

「ぐああああ!」

 

 揺さぶられながらもミサイルの出所は確認した。ビル型オブジェクトの屋上に仕掛けられたミサイルポッドから。

 この周到さからして、急いで用意したものとは違う。熱源の接近を感知して撃つようプログラムされたと考えた方がいい。

 まんまと誘い込まれたわけだ。相手のいつも見せている気弱な性格から油断していたのかもしれない、と自分を戒める。

 

(威嚇っぽかった射撃も罠か!てことは――!)

 

 ここで畳みかけてくる。

 敵が動きを止めて周囲も見えなくなっている。この絶好の機会を逃すような奴が代表候補生やクラス代表になれるわけがない。

 3度目の正直、と言わんばかりに予想は裏切られなかった。

 爆炎と白煙で遮られた空間に風を切る音が近づいてきたのを鋭敏に感じ取る。

 

「はああっ!」

「うおおっ!」

 

 白い靄の壁を稲妻のように裂いて現れた薙刀の切っ先を【GNシールドクローモード】で受け止めた。ビーム製の薙刀の刃と、シールド中央から伸びた実体剣のニードルが衝突し、干渉で生まれたスパークが担い手を襲いそうなほどにぶつかり合う。

 模擬戦開始から10分、ようやく顔を合わせた。

 自分を今まで誘導してみせた相手、更式簪とその愛機【打鉄二式】と。

 

「すごいな、ここまで全部作戦で考えてたのか!」

「・・・ここまでじゃない…ここからも…!」

 

 【GNビームサブマシンガン】を捨て、右手で【GNビームサーベル】を抜き放った。

 その間に簪も薙刀から片手を離し、マシンガンに持ち替えて一夏へと銃口を向ける。顔を狙った銃弾が飛び出す寸前、マシンガンの銃口に【GNビームサーベル】を突き込んで破壊、攻め手を潰した。

 だが簪も反対の手で薙刀を振るう。蛇のように絡みついたかと思うと、一瞬後に【GNシールド】が左腕から弾かれる。その技量に驚嘆するとともに、【ガンダムキュリオス】の近距離最優の武器が失われたことを軽く後悔する。

 

「っちい――【エクシア】!」

 

 落ちた武装を気にかけてはいられない。【ガンダムエクシア】へと姿を変え、空いていた左手に【GNショートブレイド】を握らせて斬りつけた。

 

「そのくらいで…私は負けない!」

 

 変身と奇襲を同時に仕掛けるも、薙刀の柄で打ち払われて手元から【GNショートブレイド】を落としてしまう。

 しかし一夏はそこで動きを止めず、さらに肩の裏から【GNビームサーベル】を抜刀、両手の武器を交差させるようにして攻撃を加える。

 躱すか防ぐか、迷う挙動を見せたが二本の剣戟は薙刀の柄で受け止められた。

 

「うおおおお!」

「っ…負けない…!」

 

 簪には技巧のいらない力比べに感じただろう。今までも特に技の面で優れたことをしていない一夏なのだから当然だ。機体の出力に物を言わせ、自然と前傾姿勢がとられる。

 それでこそ付け入る隙になる!

 

「かかったな!」

 

 作戦の成功を叫ぶ声に、ぶつけ合う力を緩めないまま簪の表情に困惑が浮かぶ。だがすぐにそれは驚愕に取って代わった。

 先程一夏の手元から無くしたはずの【GNショートブレイド】。それが第三の攻撃となって足元から飛んできたのだ。実際には落としたと見せかけ、つま先に乗せた【GNショートブレイド】を蹴り上げただけなのだが、簪には意識外からの一撃となった。

 簪は体を大きく前に傾けていたため、急所の喉元ががら空きだった。そこめがけて【GNショートブレイド】は真っ直ぐ飛んでくる。

 

「きゃ…!」

 

 刃物が飛んでくるという本能的な恐怖から力が抜け、力比べに負けた簪が吹き飛ばされる。持ち手を失った薙刀が【GNビームサーベル】に切断された。

 

「手持ちはこれで無くなった。後は!」

 

 距離をもう一度詰めれば勝てる。そう確信した。

 吹き飛ばされ、地上へ背中から落下していく簪を追撃してとどめを刺そうとした一夏は剣を構え直す。

 そこで一夏は見た。

 倒れて傾いていく簪の背後に大型の2門の砲口が顔を覗かせているのを。

 

「・・・・は?」

 

 地上に突き立てるように設置されたそれは機械の外見を全く隠すことなく存在していた。砲の内部には光が乱舞し、抑えきれなくなった粒子が空中へと漏れ出している。詳しく知らなくても、臨界を既に迎えているのは明らかだった。

 それを見て一夏は思い当たる。簪が【ガデッサ】を葬るのに使った荷電粒子砲があったと。たしか名前は――

 

「【春雷】!」

 

 簪の声に反応した砲口から光の塊が一夏を呑み込まんと殺到した。剣と姿勢を直した直後の一夏にはかわす暇もない。

 勝ったと思ったのも罠だったのかとようやく気付いた。

 直後、一夏は光の奔流に【ガンダムエクシア】もろとも流され、気を失った。

 

 

 

 

 模擬戦が終了したところで俺と簪は監察を頼んでいた本音を交えて反省会を行っていた。すでにオブジェクトは地下に格納され、平らな地面に戻っている。実に見晴らしが良い。

 

「いやー負けた。完敗だな、本当。特に【春雷】をモロに受けたのは痛かった。」

『カッコワルイ、カッコワルイ!」

「いつも勝てるわけじゃないんだよ。」

 

 あの後気を失ったところへ設置してあったミサイルが再び起動。死体蹴りの様にボコボコになるまでミサイルが撃たれ続けて、シールドエネルギーが尽きる形で試合終了になった。

 簪も簪で【春雷】を当てたまでは良かったがそちらに集中しすぎて地面に激突。気を失ってしまったためにミサイルが止まらなくなって勝利、というどちらにとっても何とも言えない結果に終わった。

 そんな終わり方でも追い詰め続けられたのは事実だ。ここは簪の実力を称えるべきだろう。

 

「そ、そんなこと…ないよ。斬りかかってきた時は…私も…だいぶ慌ててたし。」

「おりむーは準備不足って感じがしたかな~。気づいてた?かんちゃんは最初から立ち止まってなかったんだよ?」

「ああいうときは身を隠すのが合ってると思ったんだよ。」

「防御に優秀な機体ならそれもあるかもね~。でもおりむーの【アストレア】は一芸特化ってわけじゃないし。」

 

 聞いた話だと簪はあらかじめミサイルと【春雷】の2つを、それぞれセットした後に威嚇射撃で場所を知らせたらしい。

 ・・・近距離戦で俺が有利になるのも織り込み済みだったわけか。勝ったと思った自分が恥ずかしい。

 本当に恥ずかしいと一夏は感じていた。ただこの模擬戦に負けたからではない。これまでの2戦を思い出すたびに、一夏は自分の未熟さを感じずにはいられなかったのだ。

 

(俺ももっと強くならないと・・・。奇跡頼りの正義の味方なんて、そんなものハリボテだ。誰も守れやしない。)

 

 セシリアとヒリング、彼女らを倒せたことに共通しているのは()()()()()()()()()()()()だ。

 【ガンダムエクシア】・【ガンダムキュリオス】、どちらもすでに消えた誰かたちが一夏に遺してくれたもの。ヒリングの時は簪たちの助けなくして敗北は必至だった。

 結局、どう心構えを取り繕ったところで一夏は6年前から正義の味方に何も近づけてはいないのだ。『みんなを守る正義の味方』、その称号には手も届いていない。

 無力さを内心で噛みしめても、それをおくびにも出さないよう注意する。

 簪たちにも気づかれてはいけない。余計な心配はかけまいとして、今日の戦闘の話題を振る。

 

「そういや簪は薙刀とか戦術とか勉強してるのか?」

「え…ど、どうして…?」

「さっきの【キュリオス】の【GNシールド】を弾いた時の動きとかすごかったからさ。俺がはめられた罠も即席で考えたなら天才だなって思ったから気になった。」

「・・・私は…天才なんかじゃないよ。・・・お姉ちゃんの方がもっと。」

「ほら~かんちゃんは努力家タイプだから。」

「?確かに簪は努力してるよな。クラス代表対抗戦の時もこっそり練習してたし。」

 

 素直な思いを口にしてみると、何故か簪は苦しそうにうつむいてしまった。最後の方は聞き取れなかったが、意気消沈しているのは間違いない。

 マズイ、何か悪いこと言ってしまったのか。

 なにか場を和ませようと思いつきを口にしようとしたときだった。

 

「確かに貴様の無様さはよく伝わってきたぞ、織斑一夏。」

 

 第4の声が割って入ってきた。しかも俺のことを今名指しで馬鹿にしてたような・・・。

 声がした方を振り向くと、長い銀髪をした背の小さい少女がこちらに向かってくる。目つきの鋭さは今しがた俺が振るっていた刃物を思い出させた。

 その鋭さで簪が気になったので見てみると、やっぱり緊張している。クラス代表対抗戦では自分で色々活動してたらしいが、さすがにここまで怖そうな相手には尻込みしてしまうようだ。

 さてあの子、制服はここの物だが・・・あんな生徒いたか?

 記憶を掘り起こす俺をよそに本音が人懐っこく近づく。

 

「ねえねえ、あなたは誰なのかな~?見たことない気がするかなぁ~。」

「来週からここに留学扱いとなっている、ラウラ・ボーデヴィッヒだ。一応、ドイツの代表候補生も務める。」

「私はね~、布仏本音。呼び方はお任せするよん。で、こっちの眼鏡っ子が~」

「さ、更式簪…です。よ…よろしくおねがいしましゅ」

「ああ、よろしくお願いする。

 更式、今の模擬戦には勉強になる部分があった。次の機会には私とも頼む。」

「え、う、うん。こ…こちらこそ。」

 

 険しかった目つきが緩められ、それまでよりは友好的な表情で二人に挨拶するラウラ。なんだ、そこまで悪いやつでもなさそうだ。

 ・・・簪が噛んだと思ったのは言わないでおこう。俺でもそれくらいは空気が読める。

 ところで留学生って中間テストが終わったこの時期に来るものなんだろうか?

 まぁ鈴も似たような時期にやってきたし、珍しいことじゃないのかもしれない。

 

(俺自身も5月に入学だし。)

 

「でもってこっちが~」

「織斑一夏だ、よろしく。」

 

 握手しておいた方がいいかと手を出したが、ラウラは簪に向けたのとは対照的に敵意のある視線で俺を睨んで黙ったままだった。どこか侮蔑的ですらある。

 相手がどう思っていても俺から喧嘩を売る理由にはならないので、静かに会話を始める。

 

「あ、そういえばさっき俺の名前呼んでたよな。あれはどうして―――」

「貴様は恥ずかしくないのか?模擬戦とはいえ、あれだけ無様な負けを晒しておいて。」

「・・・何だと?」

「教官の・・・織斑千冬の弟の癖に、同年代にすらあのような無様な負け方をして恥ずかしくはないのかと聞いているんだ。」

 

 そうか、このラウラという少女は千冬姉のドイツにいたころの教え子か。言い方からしても、随分心の中で誇大評価されているらしい。

 それで弟の癖に実力の乏しい俺が気に入らず、喧嘩腰なわけだ。

 特に驚くことでもない。昔、小学校の頃まではこういった手合いに散々悩まされたものだ。

 それこそイクサに出会っていなかったら、今の歳になっても食ってかかるか悩んでいただろうが、もう通り過ぎたことだ。

 

「千冬姉のことをお前がどう思ってるのか知らないけどな。俺は『織斑千冬の弟』って名前じゃない、『織斑一夏』だ。間違えないでくれ。

 比べられるのはあまりいい気がしない。」

「自身の不出来さを否定しないとはな。そのお気楽さには殺意すら覚えるぞ。」

「そうは言ってない。千冬姉の弟だから・・・ってみられるのが嫌なんだよ。」

 

 大きく動揺せず、俺の目を直視してきた相手に見つめ返す。

 自分的に譲れない点を明確にしただけなのだが、どうやら相手の不評を買う内容だったらしく、さらに目を吊り上げられた。

 

「・・・開き直りか、いい気になるなよ。貴様が第2回モンドグロッソで誘拐されなければ、あの人の経歴に傷がつくこともなかった。」

「・・・ああ、そうだな。俺がまた捕まってなけりゃ・・・」

 

 3年前の第2回は6年前ほど気を抜いてはいなかった。それでも誘拐されたのは俺のミスとしか言いようがない。

 だからここは素直に認めたのだが、またしてもラウラには気に入らない答えだったようだ。

 

「・・・博士から仲良くやれと言われたが―――」

 

 一瞬、さらに眼力が強まって、眼帯が薄く光ったかと思うと、体が金縛りにあったように動けなくなった。

 

(これは・・・ISの機能か!?ハロは――)

 

 こちらもISで対抗しようとハロを見るが、こちらも静止したままだ。

 俺の驚きをよそに近寄ってきたラウラは俺の襟首を両手で掴みあげる。

 

「なぜ貴様はそうなのだ!なぜ弱さを見ても動じない!落ちこぼれていると、惨めにはならないのか!」

「覚えておけ、織斑一夏。私は貴様を認めない!お前が嫌いだ!」

「っ、ゲホッゲホッ!」

 

 投げ捨てるように俺を開放すると、踵を返してアリーナの出口へと去っていった。

 なぜ俺の事だけ敵視するのか、認めないと言った理由は何なのか、とりあえずまた近々全力で戦闘をしないといけなくなった気がするのは杞憂ではあるまい。

 俺達の会話に入ってこられなかった二人がここでようやく口を開く。

 

「おりむー、前に何かしちゃったの?」

「わかんねえ。会ったこともないし。最初から怒ってたみたいだから、ちゃんと謝ったんだけどな。」

「お、織斑君は…その、悪いことしてないと思うよ?」

「憧れの千冬姉の弟が弱かったから気に入らないのかもな。昔からああいう文句をつける奴は多かったし。」

 

 今すぐに何かの問題は怒らないだろう。簪たちへの対応から見ても、俺以外には何もしなさそうではあるし。

 だが不安が拭えないのか、簪は心配そうな表情をして聞いてくる。

 

「もし、戦えって言われたら…また…戦うの…?」

「クラス対抗が終わったばっかりで、すぐ戦うイベントなんて起こらないだろ。でももしあるなら、参加しないと殴りこみに来そうだ。」

 

 もし戦うとなったら退くことはしない。あいつの俺に対する怒りの原因を何とかしないと、時間経過で周囲に害を及ぼす恐れがある。

 みんなを守るなら、ラウラとの問題も解決しないといけないのは明白だ。

 何にしても、また悩みの種が芽生えそうだった。

 

 

 

 

 思っていたよりもこの学園のレベルは高かった。わざわざ見に行った甲斐があったと言える。それでも心の中が喜びより怒りで満たされているのは、あの男に会ったからだ。

 

「織斑一夏・・・!」

 

 尊敬している教官、織斑千冬の優勝や最高の成果ばかりだった経歴に傷をつけた男。学園に来るまでは存在を重要視していなかった。

 というか、罵倒したものの正当に評価するなら織斑一夏の戦いは決して無様などではない。一瞬の攻防で流れを入れ替えそうになってさえいたことを思うと、拍手を送ってもよかった。

 それでも教官に害をなしたことも頭に浮かんだので、適当に小馬鹿にして悔しがらせてやろうと思ったのだ。・・・我ながらもう少し何とかならなかったのか。

 

「何故だっ!なぜあれほどまで否定されても落ち着いていられる!

 あれでは私が・・・私が情けないだけでは!」

 

 ところがあの男ときたら怒りをぶつけても動じず、むしろ批判を粛々と受け入れる姿勢。ラウラより大人びた面を見せつけられ、器の小ささと劣等感が沸き上がったのだ。

 それで思わず、負けてたまるかと対決の宣言のような真似をしてしまった。冷静になれば、一層子どもが駄々をこねるようなことをしただけだ。

 

「・・・まぁいい。【シュヴァルツェア】の威信を世界に誇示するいい機会だ。それに・・・」

 

 あの強さの敵を倒せばドイツ軍の評価も変わるやもしれない。そうすれば本国に帰れる日も早まるだろう。

 

「貴様は壁だ、私が目指す場所に届くのを阻む壁!

 見ているがいい、必ず貴様を這いつくばらせてやる!」

(そうと決まれば奴の機体の分析からだ。・・・もう一度あの眼鏡の教諭に頭を下げるか。)

 

 初日からやらかしてしまったのをプラスに捉え直す。

 意気揚々と歩くその頭の中から、学園に入るまで気にしていた問題がすっかり消えていることにラウラは気づく由もなかった。

 




 というわけで三十一話でした。原作程一夏への怒りとか逆恨みは無いです。
 が、喧嘩腰に詰られたり、不当に批判されたりしても動じず前を向く一夏に自分の方が小さい人間だと感じてキレました。
 なんだ、結局逆ギレじゃないか。
 ただ話したことで一夏の方に注意が向き、結果悩んでいたことが一時的に霧散したので良かった・・・のかもしれない。
 この世界のラウラは千冬を尊敬してますが、それ以上に落ちこぼれから這い上がらないといけないと考えているので、一夏を倒して強くなった実感を得ようとしています。あと博士とかの理解者から釘を刺されているので、全方位に喧嘩を売ったりはしないんですね。



 そんなわけで今回は終わりです。最近投稿が遅れ気味ですがこれからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
 感想・質問・評価、何でもよろしくお願いします。

――どうでもいい余談――
 リアルが忙しいのもあるが、少々スランプ気味です。全体の構成とかは頭にあっても、小ネタ的なギャグとか会話を考えるのが難しい。
 そんな理由もありますがこれからも頑張ります。

 IS学園に配属になった備品二人組と山田先生の話


 『一方その頃』


「はあー、うちのクラスに問題が集まりすぎな気がします。」

 案内を断られた真耶は職員室の自分の机に倒れ込む。
 織斑先生の知り合いだと聞いていた少女、ラウラ・ボーデヴィッヒはまた一癖も二癖もありそうな感じがする。
 自分を敬えとは思わないが、あの高圧的な態度はクラスでも不仲を呼ぶ。もう間違いなく。
 5月のクラス代表決定戦と先日のクラス代表対抗戦。2件続けて生徒間の問題やテロの襲撃を招いている。この上、しばらく後には模擬戦のタッグマッチが控えている。
 二度あることは三度あると言うが、嫌な予感が抜けないのはどうしたものか。

「・・・あうう、胃が痛くなってきました。」
『御茶ダヨ。御茶ダヨ。』
「あらリヴァイブ先生、ありがとうございます。」

 真耶が胃を押さえたのを見計らったようにすみれ色のハロがお盆にお茶を載せてやってきた。
 ズズズっとお茶をすすりながら一息入れる。
 ちょっと前までは真耶がお茶入れの当番だった。誰かに入れてもらったお茶を飲むのは妙に感慨深い。
 ため息を吐き出しながらまた机に倒れ伏す。

『オツカレサマダネ、オツカレサマダネ。』
「本当にお疲れ様ですよー。リヴァイブさんはどうでした、昨日の授業を受け持った感想は?」
『ウマクイカナイナ、ウマクイカナイナ』
「わかります。私も新人の頃は苦労しましたから。」

 ふと遠くを眺めるように窓の向こうへと視線を送る。休日ということもあって授業は無いが部活動に勤しむ生徒の声が職員室にまで入ってくる。
 ふと昔に思いをはせる。
 真耶はIS学園に異動になる前、東京都内の中学校で教師をしていた。大学卒業と同時に教師になって、初めて1クラスの生徒を受け持った緊張は忘れられるものではない。授業1つに手間取り、年配の教員にダメだしされ、悲惨な経験をしたと言える。
 だがその中学校で同じくらいの喜びも得た。生徒に頼ってもらえること、生徒と一緒に積み上げること、教師の喜びを知れたいい学校だった。
 だから辛くはあっても志した道を後悔はしていない。それは間違いなく真耶が胸を張って宣言できることだった。

(ISで世界に進出する道もあったんですけどね。)

 元日本の代表候補生の肩書きで、就職は縁さえあったならばIS絡みの道を目指すこともできたかもしれない。が、それも諸事情で諦めざるをえなかった。それが何の因果かIS学園で教師をしているのだから人生とはわからないものだ。

「でも頼みを聞いてくれてありがとうございました。織斑先生も不在の時に、お二人に引き受けてもらえなかったら、この学園ももっと混乱してたと思います。」
『キニシナクテイイサ、キニシナクテイイサ』
(織斑先生もまた何か起きたりでもしたら、一体どうするつもりなんでしょう。)
「そうだリヴァイブさん、少しこちらへ。」
『アアアアア!』

 机の上に飛び乗ったハロをバスケットボールを回す要領でくるくる回す。
 真耶はどちらかというと平時が得意分野で、異常事態には満足に動けない。千冬と同じだけの戦闘力やIS操作技術も持ち合わせていない。次に襲撃でもされたら持ちこたえられない。
 こんな心配事が積み重なり、いたわってくれるリヴァイブを弄って癒しを感じるくらいには疲弊している。

『ナニヲスル!ナニヲスル!』
「ってわわ、すいません。ボーっとしてる間に私!」
『モウシラナイネ、モウシラナイネ!』

 リヴァイブが手元から離れて転がっていってしまう・・・かと思ったが、お茶を淹れ直しに行ってくれただけですぐにまた足元へ戻ってきた。頭には書類の束を載せている。
 そういえばリヴァイブと名乗る彼が真耶によくしてくれる理由は分からないままだ。もう一体のヒリングは・・・

『ファイトー!ファイトー!』
「「「はい、ヒリング先生!」」」

 グラウンドから大きな機械音声とピッピッと笛の音が聞こえてくる。体育の指導がやりたいと言い出したので、マイクと笛を貸してみたがどうやら気に入っているようだ。どうも遊び好きな性格のようで、今もどこかの部活で指導に飛び回っている。
 彼もそうしていいのに、職員室にいるのはなぜなのだろう。

「リヴァイブさんも自由に行動していいんですよ?」
『ココガイイノサ、ココガイイノサ。』

 真耶の行動から学ぶことがあるということか。真意を推し量ることのできない答えだが、助けを無下にする理由もないのでその後も隣の机で雑務を手伝ってもらうのであった。





(やるからには責任を持って臨まなくては。そのためにはベテランの傍で仕事を学ぶのが一番だ。)

 真耶もまさかリヴァイブがここまで使命感に燃えているとは知らない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。