「・・プレアデス全員にダンテを愛しているって書き加えてくれね?」
そう、言葉を発した銀髪の青年━━━━ダンテ。
「いや・・・それは・・・う~ん・・・。」
と、言葉を濁すこの玉座の主に相応しい格好をした━━━━骸、モモンガ。
そんなモモンガを畳み掛けるようにダンテは
「もう、23時56分だぜ?もう他の人はログインして来ないだろ?だから・・・頼むよ。最後にちょろっと、そう、ちょろっとで良いんだ。アルベドに書いた様な文章を書いてくれよ。」
そんな俺の言葉を聞いてもモモンガは了承してくれなかったので俺は・・・とても、男性プレイヤーに向かって言うような台詞では無い事を言った。
「先っちょ、先っちょだけで良いから!!」
俺は右手の親指と人差し指を用いて「U」みたいな形にして顔の前まで持って来て・・・ジェスチャーした。ホンの少し、ホンの少しでいいから・・・と言った感じに。
すると俺の必死さが伝わったのかモモンガは
「ふふ、本当にダンテさんは仕方がない人ですね・・・分かりました。」
と、苦笑しながらプレアデスの設定を弄ってくれた。
プレアデスに『ダンテを愛している』と書き加えてくれたモモンガはこっちに振り向き
「これで僕とダンテさんは共犯者ですよ?絶対内緒ですよ!」
「当然だ」
と、ユグドラシル内にあるジェスチャー・・・俺の願い事を叶えてくれたでっかい太陽(モモンガさん)を敬って・・・
\(T)/
をした。
現時刻 23:59
後1分でこの世界が終わる━━━━。
ダンテとモモンガは待っていた。
仲間達がこの場にやって来てくれると。
待っていた。
最終日にこのギルドにに乗り込んでくるパーティーを。
しかし、ダンテとモモンガ以外誰一人としてこの場には来なかった・・・。
23:59:30
「まぁ・・・あれだ、モモンガさん。また何か面白いゲームあれば一緒にやろうぜ?メアドは交換してるし、いつでも連絡は取れるんだしよ。」
23:59:45
「そうですね・・・また連絡するので是非一緒にやりましょう!」
23:59:55
俺達はそう言い、目を閉じて・・・12時が来るのを待った。
56・・・59・・・
0:00:00
0:00:05
「あれ・・・?」
・・・どちらの声だろうか・・・
ダンテ、モモンガの両名は違和感を感じ、目を開けた。
見慣れた自室ではなく、ユグドラシル内の玉座の間だ・・・。
「ダンテさん?」
「モモンガさんだよな?」
ダンテとモモンガが互いを認識し・・・
俺は何が有ったのかコンソロールを呼び出そうとするが・・・
「んな!?モモンガさんッ!?コンソロール呼び出せるか?」
俺の焦った声を聞き、モモンガもコンソロールを呼び出すが・・・
「どう言う事だ!?」
モモンガの怒声が広い玉座の間に響いた。
「いや、まぁ・・・落ち着けってモモンガさん。っうかこれから・・・どうするよ?GMにコールとか強制終了も出来ないな・・・コレ。」
俺は他の機能を確認し、出来なくて・・・困惑した。
無論モモンガ他の機能を確認し、出来ない事に困惑した。
しかし・・・更に困惑する出来事が起こった。
「どうかなさいましたか?モモンガ様、ダンテ様。」
始めて聞く女性の声。
俺達は声の発生源探り・・・そして誰が発したのを理解し、唖然とした。
それはNPC━━━━アルベドの声だった。