風が吹き止むことのないこの街…
「風都」にある1人の若者がいた
「…まってくださいよ〜」
「あぁん?いい男が情けねぇな〜」
「そんなこと言われても…、翔太郎さんも持ってくださいよ」
「まぁそう言うなって、運命(さだめ)」
そう呼ばれる彼こそこの物語の主人公
「真中 運命(まなか さだめ)」
風都にひょっこりやってきた謎の若者である。
そして運命が話している相手がこの街を護る探偵
「左 翔太郎」である。
「住むところのないお前を探偵見習いとして住み込ませてるんだぞ、少しは我慢したらどうだ」
「いやー…そこには本当に感謝してます!」
「なら文句言うな、事務所に着いたら飯だ」
そんな話をしている間に運命が住み込みで働いている
「鳴海探偵事務所」だ
「やぁおかえり翔太郎、運命くん」
そう言う彼は翔太郎の相棒の
「フィリップ」
「ようフィリップ、調べ物は終わったか?」
「あぁ。あらかたね」
「なら教えてくれ」
「わかった。だがその前に事件の概要を説明しよう。今回の事件。風都連続誘拐殺人。もちろんドーパントの仕業だ。今までに4件発生していて、4件目で被害者の女性が殺害されている。それにより殺人事件に切り替わった。そして被害者全員にある共通点が見つかった」
「共通点?」
「そう。被害者が全員ハットをかぶっていた男性なんだ」
「ハットをかぶった男性か…、おい、フィリップ、お前…」
「おそらく正解だ、君の考えていることは」
「俺を囮にするってことか。だが俺が万が一捕まった時戦闘することになる。その時ファングだけでいけるのか?」
「おそらくね」
「おそらくって、お前らしくないな…。まぁわかった、とりあえずその囮作戦ってやらを明日やってみるか」
「そうだね、運命くんにも手伝ってもらうから話がしたい。地下に来てくれないかい?」
「あ、わかりました」
長めの会議?が終わったかと思いきやフィリップさんに呼び出されてしまった。話を聞いていたから内容はわかっているはずなんだが…
とりあえず地下に行ってみよう
「来てくれたようだね、運命くん」
「まぁ呼ばれたので」
「ははっ、それもそうだよね。では本題に入るよ。単刀直入に言おう。君はガイアメモリを持っているね?」
「…もってますが」
「それを見せてくれないか?」
「…どうぞ。とはいっても押しても音のならないただの空メモリですよ。ただただDというイニシャルしかないね」
「…ふむ、実に興味深いね。これをどこで?」
「これは黒い服の女に渡されたんですよ。いずれあなたの力になってくれるって言って」
「またシュラウドか…」
「シュラウド?」
「あぁ、でも君にはそのうちわかるよ。ぼくからの説明はいいだろう。とりあえずそのメモリは大事に取っておきたまえ。それとこれはぼくからのプレゼントだよ。おそらくこれもまた君の力になってくれるはずだ。」
「!これは…。ありがとうございます!」
「あぁ、頑張りたまえ。ぼくはそろそろ寝ることにするよ。おやすみ」
「あ、おやすみなさい!」
なぜアレを渡されたのか…運命はわからないまま眠りについた。
翌日ー
風都市街地ー
(おい、こんなでいいのか?フィリップ)
(問題ないさ、おそらくもうじき現れるだろう)
(…わかった)
「もしもし、そこの帽子のお兄さん、少し道を尋ねたいのですが」
「あー、はい。(こんな爺さんがドーパントとは思えないよな?)どこまでですか?」
「…お墓ですよ」
「お墓ですか。この辺りだと風t…」
「いやいや、………………君のですよ」
《Judgment!》
「まさか!」
「そのまさかかもしれませんよ、左翔太郎くん」
「そうか、お前が…。行くぞ、フィリップ!」
(あぁ)
《Cyclone!》
《Joker!》
「「変身!」」
《Cyclone!Joker!》
「さぁお前の罪を数えろ!」
「いえいえ、裁かれる君に言われることではないですよ!ハァッ!」
「な?!」
突如としてメモリの効果が消えてしまった!
(これはエターナルと同じ…?!そうか、奴のメモリ、JudgmentはT2メモリ!いやおそらくそれ以上だ、マキシマムを使ってないからだ!)
「なんてやつだ…。な?!うっ…」
(翔太郎?翔太郎!!)
「左くんは僕が預かっておきましょう。君ともう1人の若者を連れてきたまえ。場所は風都タワーだ、待っているよ」
事務所地下ー
「僕の考えが甘かった…ここまで早く捕まるとは、そしてやつがここまでの力をもっていたとは…」
「とにかく行きましょう!翔太郎さんを救い出さないと!」
「わかってる!わかってるさ!たがおそらく僕のファングも無効化されてしまうだろう!…だか行くしかない」
「はい!」
風都タワー
「ようやくですか、若者たちよ」
「くだらない話はいい、そんなことより翔太郎は?」
「彼ならタワーの頂上でおねんねさ」
「そうか、無事なら少し安心だ…。さぁJudgment!僕と勝負だ!こい!Fung!」
…………………
「このトカゲくんのことかな?」
「そんな…やはりか。」
「こんな状況で君はどう戦うのかね?フィリップくん。そちらの若者は戦えないだろう?」
「くそっ…ここまでとは…想定外だった…」
「悔やむのは辛いだろう、君の相棒と共に逝かせてあげようではないか」
「(ここまでか…)」
「待てよ!」
「?!」
「君は戦えないだろう?」
「戦えるさ!戦ってみせる!戦うことが俺の運命(さだめ)なんだ!そして今わかった。このDのメモリ。これは俺のためのメモリ!運命!Destinyだ!」
「いくぞ!」
ロストドライバーセット!
《Destiny》
「変身!」
《Destiny》
「俺の名前は…仮面ライダーデスティニーだ!」
「ふん、何で来ようとおなじですよ、ハァッ!」
「俺のメモリを舐めるなよ!その技は効かない!」
「?!貴様も私と同じネクストメモリなのか?!」
「今更気付いても遅いぜ!こい、デスティニーセイバー!」
「俺は短期決戦型の人間なんでな!速攻で終わらせる!」
「なんだと?!」
《Destiny! Maximum Drive!》
「ハァァァァ…」
「させるかぁ!」
「遅いぜ!デスティニースラッシュ!」
「う、ぐぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「よっしゃ!」
…………………………
「君のような若者に負けるとはね…」
「そんなことよりなぜ人々を襲った!」
「たまたまさ、それこそハットをかぶっていたことだってね。彼らにとってこうなることは運命だったんだよ、はははっ」
「…そうかよ、じゃあ後は警察に任せるか」
「待ちたまえ、君、名前は?」
「運命!真中 運命だ!」
「…まさに君らしい名前だな、覚えておこう、では」
…………
「フィリップさん!」
「やぁ君のおかげでやつを倒すことができた!」
「い、いえいえ…」
「これにて一件落着だね、では事務所に戻ろうか」
「はい!でもなんか忘れてませんか?」
「…気のせいじゃないかな?忘れててもそのうち思い出すだろう」
「…そうっすね!」
風都を脅かすドーパント。彼らを倒す仮面ライダーWに新たな仲間!デスティニーが加わった。街に流れる涙を無くす戦いを彼らはいつまで続けるのであろうか。その答えは風都の風だけが知っている。
fin…
「おーい!俺のこと忘れるなよ!フィリップー!運命ー!」