刀憑きの青年   作:桐竹一葉

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タイトルに捻りが無さ過ぎて落涙です。邂逅などにしてしまっては、後々被ってしまいそうだったので……
ちなみに、漢字2字縛りには、一応ちょっとした意味が有ります。意味というより、拘りですね。


霧雨

外の世界で園枝が目を覚ますのは、決まって午前五時だった。外の世界では、学生の性たる勉学に生計を立てる為の業務を欠かさず行うには、その時間ですら足りなかったのだが、彼にはそれ以上の早起きは難しかったようで五時に落ち着いた。

 

「……はぁ、暑い」

 

一人でいるには広いこの部屋の中に、虚しく園枝の声が木霊する。昨日適当に割り振られたこの部屋は、朝は最も日の当たる場所に位置していたようで、それを知ってか知らずか、霊夢は園枝にこの部屋を使うようにと宣った。尤も、彼は立場と性格上文句など言いようがないのだが。

夏場の朝は幻想郷とて変わらず暑い。この文明の未発達な幻想郷では、クーラーなどという便利な代物は存在しないのだから、仮にも現代人だった園枝には辛かろう。

早朝から大合唱を披露する蝉に、内心煩わしいと八つ当たり気味の悪態をついた。

幻想郷に来る前と同じままの、白いカッターシャツと黒いデニムを肌から離し、寝癖のついた長めの黒い髪を軽く手で押さえる。濡れ髪が頭皮にぺたりとつく感覚が、どうにも気持ち悪い。

寝惚け眼を擦り、暫しの間何もせず、何も考えずに惚ける。これがいつも通りの、彼の朝。それが終わると、園枝は急に溜息を吐いた。

 

「……いつもより、ちょっと遅いか」

 

どうやら、起床時間が外の世界にいた時より、僅かに遅くなっているのだと直感したようだ。

園枝に割り当てられた部屋には時計など置いてはいないので、正確な時間はわからない。それでも、数年と続けた時間がずれてしまうのは、その違和を体感するものだ。増して昨日、霊夢の話を聞いた日は、幾つもの考え事が星の数程浮かび上がり、真面に眠ることが出来なかった事から、いつもより遅くなっているのは確かだ。その上、結局昨夜考えていた事は何の意味も為さない事なのだから、必死の思惟も無駄に終わったというもの。彼の溜息もそれに起因するのだろう。

 

「…………ん?」

 

その時、園枝はそれを感じ取った。襖障子を隔てた先から、食物の匂いが漂ってきた事を。

匂いからして、洋食ではないだろう。園枝は何となく、昔両親に作ってもらった料理を思い出していた。

 

「なんか作り置きしてたっけなぁ」

 

そう呟くが、すぐにそんな弭はない、と自ら否定する。園枝は外の世界での多忙な生活故に、料理を作る暇は余り無かったのだから。毛頭無い、という訳でもなく、手の空く時間も1日に何度かあった。だが園枝はそういった時間を、主に休憩や数少ない趣味に注ぎ込みたいと考えている。その為、朝昼晩の三食は全て、近隣のスーパーマーケットに売られた安値の惣菜で済ましていたのだ。

やって来た事といえば、自炊位のもの。何より、朝に和食を摂った事など、もう数年と無い。

 

「……なんだろ」

 

その匂いを疑問に思い、何時ぞやの霊夢の様に気怠げな動作で布団を退けた。

額に浮かぶ汗が、立ち上がった拍子に顳顬、顳顬から顎へ流れ落ちる。それを袖で拭い、徐に襖障子を開け放った。

 

 

 

「あら、案外早く起きたわね」

 

 

 

その先に見たのは、既に朝食を食する霊夢の姿。

 

「……あぁ、そっか」

 

それと同時に、園枝は理解する。何時もの癖で、一人暮らしのままだと勘違いしていた事に。今日からは、目の前の少女と共に生活せねばならない事を。これからの事を少しばかり危惧し、佇んだまま卓上を見てみれば、その上には霊夢の物も含め、二人分に及ぶ量の朝食が置いてあった。焼き魚、味噌汁、煮物、五目飯の四品が放つ芳香は、起き抜けの園枝の食欲をそそる。

 

「心配せずとも、園枝さんの分も作ってあるわ。早く食べないと冷めるわよ?」

「あ、有り難う御座います」

 

視線は園枝の方へ移す事なく、箸を持つ手を止めはしない霊夢。何か違う事を心配されている気がしたが、それを口にせず、会釈をして卓についた。

 

「では、頂きます」

「召し上がれ」

 

鰾膠無い返事が返って来ようと、目の前の料理は確かに自分の為に作られた物なのだ。そう考えてみると、どうも園枝は可笑しな、むず痒い気分になる。しかし、今は余計な事など考えまいと、傍に置かれた箸で魚を取った。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「朝から熱心ね」

 

縁側に座った霊夢が、気の抜けた声色で園枝に言った。片手には湯呑みを持ち、座る傍には煎餅が木皿に盛られている。

 

「いえ、居候の身ですから、この程度はやらねばと」

 

湿度はそう高くないからか、不快な熱暑ではない。しかし、屋外はその日差しが容赦なく照り付ける。そんな中、園枝は一切の手抜きも妥協もなく、熱心に落ち葉や砂埃を竹箒で掃いていた。その葉は夏らしい艶艶とした濃い緑色ではなく、渇きに渇いた茶色の葉である。

 

「ここ周辺の木、常緑樹だったんですね」

 

額に浮かぶ汗を何度か拭いながら、園枝が言った。常緑樹、即ち常磐木。秋から冬にかけ葉を散らすのではなく、秋や冬を越し、夏に生えた葉に押し出されるような形で葉を落とす木である。

常緑樹という言葉が通じるかと疑問に思う園枝だったが、霊夢はそれについて特に反応などはなかった。

 

「えぇ。夏場に葉っぱ掃除しなきゃならないんだから、迷惑な話よ」

「冬場は冬場で辛そうですが……まぁそうですね、冬なら寒さの対処なんてどうにでも出来ますが、

夏ではどうにもなりませんから」

「そうそう、冬なら厚着すればいい話よ」

 

 

「いっそ、この暑さならば裸一貫になった方が良いのかもしれません」

 

 

至極真面な顔をして、園枝はそう呟く。それを聞くと、ぶふっ、と霊夢が噴き出した。急に笑い出した霊夢に、園枝は何かあったのかと視線を向ける。が、特に異常もなく、ただ彼女が一人、俯き抑えるよう笑っているだけだった。

 

「きゅ、急になに言って……」

「え?何かおかしな事を言ってしーー」

 

その瞬間、またしても園枝は自分の失態に気が付き、この暑さの中凍り付く。普段一人で暮らしていた園枝は、リラックスした状態では人の目を気にしないようになっていた。というよりも、家に招待する程仲の良い人物がいなかった彼は、そんな事を気にする必要がなかったと言える。

その為、例えこのような猛暑日であろうと電気代を節約する為に、保冷剤を頭に巻き付け半裸で過ごすなどザラだったのだ。

 

「んふふ……ほんと、真面目な顔で、何言ってんのよ……」

「あの、えっと、何と言いますか……全裸じゃないんです、半裸です」

「んっふ……あはははは!」

 

二度目の失態。よもや霊夢はその笑いを包み隠さず、心赴くままに笑い始める。

訂正するならばいっそ嘘も方便と言うように、冗談だなどと嘘を言えば良かったものを、彼はその無駄に実直な性格故に、真面目に返答してしまった。

 

「あはは……あーもう、結構面白い事言うのね」

「笑わせるつもりはなかったんですが……意外と笑いの沸点は低いですね」

「いや、あんな事真顔で言われたら笑うわよ」

「そ、そんなものですかね?」

「そんなものよ。多分幻想郷の住人の大概は私以上によく笑うけどね」

 

これ以上失態を犯してしまったら、恐らくこの世界で良い笑い者になってしまう。そう悟った園枝は、以降はこんな事がないようにと気を引き締める事にした。恥じらいで尚の事体温が上がり、発汗量が多くなってしまった身体を、手で扇ぐ。

 

 

 

「へー、見た目に反して結構面白い奴だな」

 

 

 

その時、上空から何者かの声が聞こえた。聞き覚えのない、少女であろう高い声。園枝はそれに反応し、即座に声のする方へ向き直った。が、霊夢はその人物を既知のようで、声のした方を向く事はなく、只溜息を吐いた。

 

 

 

「気が散ったのかしら……あんたの気配にも気付けないなんてね、魔理沙」

 

 

 

声を発した人物は、確かに園枝の想像通り少女だった。だが、流石にそれ以外の要素は想像していなかったようだ。流暢どころか、自然極まりない日本語を話しながら金色をした美しい髪。この暑い中、白いシャツと黒いベストにハット。極め付けに、箒に跨いで空中で浮遊している事。

そんな少女の姿など、園枝は予想だにしなかった。

 

「そりゃあんだけ笑ってたらな。あんまし速度つけて来た訳でもなし、そりゃ気付かないぜ」

 

魔理沙と呼ばれた少女は、平然と箒で宙に浮いて、霊夢と話している。霊夢もまた、そんな本来異質な光景を見ても、何一つ驚きもしない。非常識、その一言に尽きる景色であった。理解の追い付かない園枝は、箒に跨ったりして痛くないんだろうか、などと下らない思考に現実逃避している。

 

「おーい、そこの青年。そんな呆けた顔してどうしたー?」

「あぁ、あれでしょ。話には聞いてたけど、実際有り得ないと思ってた事が目の前で起きてるから、びっくりしてるんじゃない?」

 

そういう事か、と明朗快活に魔理沙は笑った。霊夢はそうした他社の反応を見慣れているようで、特に反応を示す事はない。これでもし金髪の少女が地に足つけていたならば、きっと普通の光景となる筈だ。見事に似合ったコスプレをした美少女二人組が神社にいる。そんな絵になる光景でしかなかった。

 

「いや…………いやいやいや、ど、どうなってるんです?浮いて、るんですよね?」

「そうだけど、別に浮くなんて普通だぞ?」

「まぁそうね」

 

霊夢も魔理沙も、事も無げな様子で言う。自らの正気を疑う訳ではないが、まるで自分一人だけが狂ってしまっているのか、園枝はそんな錯覚さえ覚えた。昨日から色々な情報や出来事で頭が一杯一杯だと言うのに、この追撃には頭を痛めざるを得ない。

 

「えっえぇ?普通ですか?僕の世界では、人間はどう足掻いても空を飛べない生物だったのに……」

「常識に囚われちゃダメよ」

「常識に囚われるのは良くないぜ」

 

彼はこの幻想郷の仕来りを一つ知る事となる。幻想郷では、常識など捨て置け、という慣例を。

そう、これは現実。見間違いであると思い込んでいた園枝も、漸く実感が湧いてきた。

 

「そっか……そうですね、はい。幻想郷では常識なんて要りませんね」

 

完全なる自暴自棄。よもや投げやりとなった園枝の言に、霊夢と魔理沙は二人して然りと頷いた。

これから大変な事になるかもしれないと、幻想郷の現を垣間見、そう未来を不安視する園枝。そんな彼の前に、上空から魔理沙は落ちてきた。重力に従った動きではない、紙切れのようにふわり、と。

それでも、園枝は怯まない。既に全てを現実として受け止めんとする彼を、その程度の事で動揺させる事は能わない。

 

「さて、初対面な訳だし、自己紹介させてくれ。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ」

 

疑わない、突っ込まない、現実逃避しない、目を背けない。魔法使い、といういかにも胡散臭いワードにも、彼はその心を必死に自制している。そして、金髪でありながら日本名である事にも、よもや突っ込む事はない。感じの良い笑顔を取り繕い、考えを放棄する。この時点で、彼は一種の悟りを開いていたのかもしれない。

 

「僕は石塚園枝と申します。宜しくお願いします、霧雨さん」

 

全てを振り払ったような爽やかな笑顔で園枝がそう言うと、魔理沙は顔を顰めた。

だがこの状況は、既に学習済みである。姓で呼ばれた瞬間に顔を顰めたという事は即ち、そう呼ばれる事に嫌悪感や違和感を覚えるという事だと。

 

「あぁ失礼、ですがどうも僕は、人様を名前でお呼びする事に不慣れでして……」

 

何かを言われる前に、清々しい笑みを浮かべ先手を打つ。しかし、魔理沙は霊夢にようにはいかなかった。悩む素振りも見せず、彼女はスッパリと言ってみせる。

 

「いや、ダメだ。私は苗字で呼ばれるのは大嫌いだからな」

「そ、そんな。出会って直ぐの方をお名前で呼ぶのは……」

「大体、苗字で呼ばれると距離を感じるだろ?」

 

距離、ですか。園枝はその言葉を、何かを思う所があるかのようにそう口にする。

 

「そういう訳で、魔理沙って気軽に呼んでくれよ。私も園枝って呼ぶからさ」

 

一切の含蓄も無く、魔理沙はそう言って手を差し伸べた。小さく、か細い手。園枝は魔理沙の友好的な態度に対して、暫く答える事が出来なかった。どうしたのかと不思議がる魔理沙を他所に、園枝は何かを思惟している。その手を凝視して、ぴたりと止まり、目を細めて。

 

「ほら、友好の証。握手だ握手」

 

無邪気に、彼の考える事を知る由もなく、魔理沙が快活な笑みを浮かべた。どうやら、何を言っても無駄なタイプのようだ。それを察したのか、園枝も諦め、魔理沙の小さな手を握った。

 

「…………はぁ、仕方ありません。宜しくお願い致します、魔理沙さん」

「宜しくな、園枝」

 

とても小さくて、握れば潰れてしまいそうなか細い指。この日差しにそぐわない、雪の如く真っ白い肌色。義髪などといったちゃちな物ではなく、艶を帯びた煌びやかな金色の髪。それが太陽に照らされ、尚の事光輝光を発しているように見える。その光景は、園枝にはどうも、幻想的な物だと思えた。

 

「……所で、暑くないんですか?」

「あぁ、暑い」

 

見入っている事を誤魔化すかのように、園枝が問い掛けると、存外あっさりと認める。魔理沙は握りあった手を離すと、手で顔を扇いだ。夏場に黒い衣服を着ていては、暑くなるのは当然の事だ。それでも来ている辺り、魔理沙には何かしら拘りがあるのだろうか。

 

「ほら、茶なら淹れてあげたから。こっちで涼んどきなさいよ」

「おっ、ありがとな、霊夢」

 

いつの間にやら茶を淹れて戻って来た霊夢の手には、二つの湯呑み。どうやら、園枝の分も含まれているようだ。

 

「ほら、此処じゃ暑いし、お言葉に甘えとこうぜ」

「まぁ、掃除も粗方終わりましたからね」

 

一足先に、霊夢に隣り合って魔理沙が縁側に座る。それに続き、園枝も霊夢の隣に腰を下ろした。

やはり日陰に入るだけでも、その温度の差は瞭然である。じりじりと肌を焼いていた陽光が遮られ、

本来の気温のみが感じられた。尤も、それでも暑い事に変わりはないのだが。飽くまでマシになった、それだけの事。

 

「そういえば、その刀って一体何なんだ?よく分からないけど、どうも嫌な気配がするんだよなぁ。」

 

帽子を膝に置いた魔理沙が、札だらけの赤い鞘を指差した。魔理沙の反応に、霊夢は内心胆を冷やしている。それもその筈で、もしも封印を施していなければ、嫌な気配どころではなくなるのだから。

しかしそれを表に出す事はない。

 

「一言で言えば妖刀ね。百合咲之剣って言って、今は園枝に憑いてるの」

 

園枝が言わんとした事を、一足早く霊夢が説明した。それを聞いた魔理沙は、途端に目を輝かせる。長い付き合いの霊夢でなくとも分かる、それは興味を孕んだ眼差し。

 

「へぇ、凄いな。聞いた事はあったけど、初めて見たぜ。ちょっと抜いて見せてくれよ」

「えっ……良いんでしょうか?」

 

一度もその刃を目にした事のない園枝では、そんな判断を一人で下せる訳もない。

園枝の放つ助けを請うような眼差しに、霊夢が仕方なく代わった。

 

「駄目よ。封印してあっても、どんな事が起きるか分からないもの。紫が良いって言ったらね」

「ちぇ、見たかったんだけどな」

 

鰾膠無く答える霊夢に、魔理沙は見せて貰うのを諦めたようだ。そも、魔理沙も大した興味があった訳ではなく、大した力を感じられない今の刀に、そこまで魅惑されてはいなかったらしい。これも、封印が功を奏したという事だろう。

 

「そうだな……んじゃあ、園枝。弾幕ごっことか出来るか?」

 

だが、次の興味は園枝本人へと移り変わったようだ。いつもの事ながら、魔理沙の旺盛な好奇心に、霊夢は全く、とひとりごつ。二人共理解しているようだが、園枝は説明など一切されていない。それ故、置いてけぼりを食らっていた。その様子に気付き、霊夢が思い出したように説明し始める。

 

「弾幕ごっこって言うのは、簡単に言えば霊力とかで出来た玉を撃ち合うだけの勝負事よ。当たれば痛いっちゃ痛いけど、命に関わる事はないわ」

 

霊夢と魔理沙が、殆どね、と呟いたのは心の中での事。園枝には届かず、ただ霊夢の言に関心を示すだけだった。

 

「でも、そんな事は出来ませんよ?この刀以外は普通の人間ですし、霊力やら妖力なんかが有るとは思えませんから」

「……まぁ、お世辞にも有るとは言えない量だな。霊力しか感じないけど、それも微量か……」

 

既に出会って数日経た霊夢は勿論、魔理沙もその霊力の少なさに、言い淀みながら頭を掻いた。

仮に霊夢の霊力量と比較するなら、その総量は百分の一にも満たないだろう。人里で暮らす常人と比べても、その量は倍近く離れている。外という、科学という道へ発展した世界の住人たる園枝では、この霊力量も納得と言えば納得なのだが。

 

「でしょう?第一、僕は荒事は好きではありませんから」

 

だがそんな事を言われても、園枝は特に気にする風でもなく。寧ろ、霊力が無いと言われたのに納得した様子だ。

 

「おいおい、男らしくないぜ?ここじゃあ、女でもノリノリで弾幕ごっこ仕掛ける奴までいるって言うのに」

「強かな女性がいらっしゃるんですね……お生憎様、僕は非力な一般人ですので」

 

魔理沙には馴染みが無かろうが、外の世界の人間としては概ねそのような考えも多かろう。

命に別状は無いとしても、痛みの伴う勝負事など、一部の異常者を除けば皆嫌がる筈だ。

極力自らの弱さをアピールする為、卑下しながら園枝は苦笑を浮かべる。

 

「いや、でもさ……何だろうなー」

「どうしました?」

 

苦笑を浮かべる園枝の顔を、魔理沙はじっと見つめていた。何か思う所があるのか、その宝石のように煌めく円らな瞳が、彼の双眸を捉えて離さない。園枝はどうも小恥ずかしくなって、目を背ける。

そんな園枝の様子など気にも留めず、何かに気付いたのか、魔理沙は漸く目から視線を外し、首を傾げた。

 

 

 

「なんっか……只の人間って感じがしないんだよな、園枝は」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「(私を間に挟んで話すの、止めて欲しいわ)」




主人公の通う大学ですが、それなりに良い所という設定です。
成績優秀貧乏学生、という感じで……
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