今世紀エヴァンゲリオン   作:イクス±

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まさかの日間ランキング2位。
感想で知って見た時は一周回って落ち着きました。

落ち着きはしましたけど、椅子にLのポーズで座ったまま何分か固まってましたね。

これも皆さんのおかげっ……!
感謝……!圧倒的感謝っ……!!




第四話「見知らぬ、美少女」

僕は今、生きている幸せを噛み締めている。

 

 

「お兄ちゃん! 助けてくれてありがとう!」

 

「ええんやで(にっこり)」

 

 

花が咲き誇ったように笑う幼女。

僕が爽やかスマイルを浮かべながら頭を撫でると、くすぐったそうに眼を細める幼女。

そして僕がバイバイと手を振ると、元気よく振り返して見送ってくれる幼女。

 

 

……ふぅ。

 

全て遠き理想郷(アヴァロン)はここにあったか……」

 

 

僕は今出てきた病室の扉の前で、幸福に満ちた溜息を吐く。

 

あの戦いの後、NERVの人たちに労いの言葉を貰いながら検査のため病院に直行。

僕自身疲れているのは感じていたため、病院のベッドで死んだように眠った。

その次の日の夕方に目が覚めて、軽い検査をした後に看護婦さんに幼女の目が覚めたと聞かされた。

そしてすでに事情を聞かされていた幼女と面会、今に至るわけだ。

 

と、そうだった。

幼女の名前は鈴原サクラというらしい。

 

「いい名前だ、この響きは君によく似合っている」

と言った時の笑顔は実に素晴らしかった。

 

また会いに来ようと心に硬く誓い、僕は病室の前から離れる。

えっと……ミサトさんとの待ち合わせの場所は何処だったかな。

僕は歩くのをやめて壁にあった病院内の地図を眺めていると、向こうからガラガラという音が近づいてくる。

ふと見ると、ゴツイ担架が僕の方へ近づいて来ていた。

すれ違い様に担架に乗せられている人物を見る。

 

病院服を着こんで体の彼方此方に包帯を巻いた女の子が担架に寝ていた。

その女の子はまるで感情が無いかのような無表情だったが、それでもお釣りがくるくらいに可愛かった。

なんというか、眼鏡外したタバサ?

とにかく、僕が今までの人生で見てきたリアルの女の子の中でブッチギリで一位に躍り出るくらいに可愛かったのだ。

 

……だけど、なんなんだろう?なんでか初めて会った気がしない。

もし会ってたら忘れるようなことは絶対に無いと断言できるんだけど、今日初めて会ったと考えると少し違和感を覚えた。

 

自分で言うのもなんだけどすごいフラグっぽいよね今の。

絶対覚えとこう。僕はそう心に誓ってその場を後にした。

 

そういえばさっきも心に誓ってたね。デジャヴ。

 

 

 

・・・

 

 

 

「シンジくん、大丈夫?」

 

「!……はい、大丈夫です」

 

 

待ち合わせ場所のベンチに座って音楽を聞いてると、ミサトさんが声を掛けてきたからイヤホンを外して答える。

 

 

「そうだミサトさん、さっき女の子を見たんですが……」

 

「女の子? 昨日の子じゃなくて?」

 

「はい」

 

「もしかしてレイのことかしら、青い髪でしょ?」

 

「あ、はい」

 

「やっぱりね、その子が綾波レイよ」

 

 

そうか……彼女がレイなのか。

セカンドはここにはいないって言ってたから、彼女がファーストチルドレン。

 

 

「随分と気にしてるじゃな~い? 一目惚れ?」

 

「……いえ、なんというか初めて会った気がしなかったんですよ」

 

 

隠すことじゃないから正直に話す。

一目惚れじゃないとしても、すごくお近づきになりたいとは思いますよ(真剣)

 

 

「え? シンジくん会った事あるの?」

 

「無いと思います、彼女みたいな容姿の人は会ってたら忘れないと思いますから」

 

「そうよね……不思議な事もあったもんねぇ~」

 

 

動揺はしていない、ごく普通の反応だね。

ミサトさんはキラじゃない、じゃなくて知らないみたいだね。

……しょうがないだろ、最近ドラマやってるんだ。

影響されても仕方ないよね、デスノート。

 

 

「まぁここで考えてても仕方ないわ、行きましょうか」

 

「そうですね」

 

 

ミサトさんについて行く形でその場所を後にする。

そして先導されるようにエレベーターまで移動すると、ミサトさんがボタンを押したので僕は扉の前で待つ。

少ししてエレベーターが到着したので、扉が開くと同時に乗り込もうとするとそこにはグラサンを掛けた怪しいおっさんが!

……ってなんだ父さんか。

 

 

「びっくりした、父さんか」

 

 

思わずとそんな事を言うと、父さんはスッとエレベーターの壁に体を寄せる。

っと、そうだ乗らなきゃ。

僕が乗るとミサトさんも父さんを気にしながら乗り込む。

 

 

「父さんは綾波さんのお見舞い?」

 

「そうだ」

 

「さっきすれ違ったんだ、綾波さんが担架で運ばれててさ」

 

「そうか」

 

 

僕は扉をじっと見つめる父さんの背中に話しかけ、父さんは淡々と答える。

世間一般の家族の会話と比べるとあまりにも味気の無いものかもしれないけど、ちゃんと会話として成立してるし慣れてるから問題ない。

ペラペラといろんなことを話す僕と、言葉数は少なくともしっかりと受け答えをする父さん。

僕達親子の会話はこれで正しいんだ。

 

少し話すとミサトさんが押した階層とは違う場所でエレベーターが止まり、父さんが何も言わずに出ていく。

そしてそのまま振り返りもせずに歩いて去っていく・・・と思い込んでいただけに父さんが振り返ったときはすごく驚いてしまった。

 

 

「シンジ、大丈夫か」

 

「えっ、あ、うん」

 

「そうか」

 

 

驚きながらも返事を返すと、父さんは前に向き直り今度こそ何も言わずに去っていた。

扉が閉まり、エレベーターが動き出しても固まったままの僕にミサトさんが声を掛けてくる。

 

 

「……お父さんが自分のお見舞いに来たとは考えなかったの?」

 

「……その発想はありませんでした」

 

 

この僕が完璧に不意を突かれるなんて……

くそっ!父さんめ、こんな屈辱初めてだ!!(照れ隠し)

 

少しして落ち着くとエレベーターが止まり、またミサトさんの先導で歩き出す。

そして床に上から見たNERV本部が写っている大きな部屋にやって来た。

その中心には手を後ろで組んだおじさんが立っていて、ミサトさんと何かを話しはじめる。

多分僕の事を話しているんだろうけど、僕はそれ以上に下が気になって聞く気にはなれなかった。

 

これ映像なのかな……それともマジで上に居るのかな?

ぶっちゃけ現在地全然わかんないから判断の材料が無いんだよね。

しかし本当にSFは床光らせるの好きだよね、この部屋しかりアースラしかり。

普通に考えて不便だと思うんだけどなぁ……

 

 

「シンジくん、本当にいいの?」

 

「大丈夫です(キリッ」

 

 

ミサトさんからの唐突な問い掛けに、僕はあたかも話を聞いていたかのようにノータイムで答える。

思考がトリップしやすい僕はこの技で幾つもの修羅場を切り抜けてきたんだ。

するとミサトさんは納得できない!といった顔をして身を翻し出ていくので僕も急いで後を追う。

 

いったい何話してたんだろうね……?

 

 

 

・・・

 

 

 

誰も聞いちゃいないだろうけど先に謝って置くよ、いきなりネタに走ってごめんね。

 

 

 

 

 

あ……ありのまま 今起こった事を話すよ!

「僕は一人暮らしさせられるのかと思いきや、いつの間にかミサトさんの家で暮らすことになっていた……」

な……何を言っているのかわからないと思うけど、

僕も何をされたのかわからなかった……

頭がどうにかなりそうだった……僕の意思だとか周りの意見とか、

そんなものを気にする様子は断じてない。

かなり恐ろしいものの片鱗を味わったよ……

 

 

 

 

 

いや、ありがたいんだけどね?

そりゃあいつの間にか僕が一人暮らしすることになってた事については驚いたよ。

だけど同時に、父さん以外に知り合いがいないこの場所じゃしょうがないかなって納得しかけてたんだ。

だからすぐに聞かされたことが相談も無しに無かったことになって混乱してしまったというわけだ。

 

ミサトさんは今電話でリツコさんに怒られている。

やっぱりミサトさんが勝手に決めたことだったんだ。

 

あ、ミサトさんが冗談言ってさらに怒られてる。

中学生には手を出さないって・・・あたりまえだろ(真顔)

いくら綺麗でもミサトさんは守備範囲外だからね。

 

ちなみに僕の嫁は杏ちゃんだよ。

 

 

少し時間は進んで今はミサトさんの車の中、僕は未だに慣れない景色を眺めて過ごしていた。

今はミサトさんの家に向かっているそうだ。

さらに帰ったら僕のエヴァパイロット就任パーティなんてのもやってくれるらしい。

ミサトさんっていい人だよね、歳の割にちょっと子供っぽい所が目立つけど。

 

 

「シンジくん?」

 

「なっななななんですかっ!?」

 

 

考えていたことがアレだったがために声を掛けられてビビりまくる僕。

まさか感づいて……?

だがミサトさんはそんな僕の様子を気にすることなく話を続けた。

 

 

「パーティのご馳走をここで買っていくから、シンジくんも好きなのを選んでね♪」

 

「あっはい」

 

 

なんだ、神懸かったタイミングで声を掛けられただけか。

って、『ご馳走』を買う?『材料』じゃなくて?

僕はすぐに車が何処に止まっているのかを確認する。

 

……なるほど、理解したよ。色々とね。

 

僕は止まっているのがコンビニの駐車場だと気付くと、今までの観察結果からミサトさんがどんな人なのかすぐに理解して顔を引きつらせた。

 

明日から僕が料理しよう。

僕はそう心に誓うと、コンビニで惣菜を籠にほいほいと放り込んでいく姿が異様に様になっているミサトさんを横目に見ながら僕も食べるものを籠に入れていくのだった。

 

あ、もう三回目だね。心に誓うの。

 

 

 

・・・

 

 

 

買う物も買って、助手席でファ〇チキを食べているとミサトさんが少し寄り道をすると言った。

そしてやって来たのは夕焼けに照らされた第3新東京市が見える場所だった。

う~ん……あちこちにある大小の四角はなんなんだろう?

ビルの建造予定地か、それとももう使徒に壊されたか。

……どっちでなさそうだ。

 

 

「ミサトさん、あの四角いのって……?」

 

「今にわかるわ……時間よ、来たわ」

 

 

上から来るぞ!気をつけろ!!

何かが来るらしいので一応言って見る。

すると四角い場所が開いてビルが下から上ってきた。

 

下からじゃねーか。

 

そんな寂しいセルフツッコミをしていると、いつの間にか目の前は辺り一面ビルの森になっていた。

 

 

「これが使徒迎撃用要塞都市、第3新東京市……私達の街よ」

 

 

要塞都市……やっぱり日本ってすごいなぁ。

そう思わせられる光景だった。

 

 

「そして、あなたが守った街でもあるわ」

 

「!」

 

 

やっぱり日本ってすごいですね!! そんな感じでテンションMAXに返事を返そうとしたところで、ミサトさんの言い聞かせるような声。

えっ、もしかして今シリアスなシーンなの!?

僕は感情を押し殺してこっちをじぃっ見つめてくるミサトさんの目を見た後、覚悟を決めた(ような)表情をして街を見つめた。

 

 

「(今、この子は守り抜く覚悟を決めたのね……)」

 

「(大丈夫だよね? 僕、雰囲気壊すような行動してないよね? セーフだよね?)」

 

 

もしかしてコレ勘違い物じゃないだろうな。

僕はそんな事を思いながら表情に力を込めるのだった。

 

 

 

・・・

 

 

 

「これは『試練』だ……ゴミに打ち勝てという『試練』と僕は受け取ったッ!」

 

 

そんな事を言いながら無限の塵製(アンリミテッド・ダストワークス)、ミサトさんの家の山のようなゴミを格闘を繰り広げたのが数時間前。

今はミサトさんに指定された部屋のベッドの上に寝転がっていた。

僕は今日の出来事について印象深いものから思い出していく。

 

幼女の笑顔に綾波さんの事。

 

うん、自分で言うのも何だけどブレないよね。僕。

そんな事を思いながら明日からもがんばろうと心に誓い(四回目)、本格的に眠ろうと……

 

 

 

……ん?

 

 

 

え、ちょ、あれ?ちょっと待って。

 

よく考えたらおかしいぞ、今の状況。

 

成り行きに流されるままにここまで来たけどさ、あれ?

 

 

 

えっと、今さらだけど。もしかして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使徒ってまだ来るの?




だってしょうがないじゃないですか!

コレTV版エヴァ見ながら書いてるんですけど、使徒の説明されないままシンジくん寝ちゃったんですもん!

アニメシンジくんはそんなだから鬱るんですよ!

だから僕は悪くない! 俺は悪くねぇ! ノーカウント!!


すみません、「!」多かったですね。
でもワンピースの方がもっと多いですよ?

だから僕は悪k(ry


それと次回の投稿は来週の水曜日以降となりそうです。
お許しください!

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