霧雨魔理沙が妖怪になった日という妄想。


※注意
この物語は、「上海アリス幻樂団」様の東方project の世界をお借りした二次創作です。
原作崩壊、キャラクターの性格や能力など独自設定が多分に含まれます。
その他、警告タグの要素が含まれています。

この短編が、読者の暇潰しの一助になったとしたら、幸いです。




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【短編】魔理沙が妖怪になった日

「おい……霊夢……嘘だよな……」

 

冷たい瞳で見つめて来るのは、親友であり異変を共に解決する仲間だった博麗の巫女。

昨日まで、一緒に遊んでいたし、一緒にご飯を食べたりもしていた。

昨日、帰ってから悲願であった、種族としての魔法使いへ至る方法を見つけ、妖怪化した。

それを自慢する為に、博麗の巫女の所へやって来ていた。

 

「ああ、魔理……沙…?」

 

直前まで、笑顔だった霊夢は、魔理沙を見た瞬間に目の色を変える。

黒く感情を移していない瞳。

笑顔が固まり、どこか歪な仮面のようになっている。

 

里の人間が、妖怪化する事は許されない。

人妖は、幻想郷のバランスを崩してしまう。

 

ゆえに、今は人里を離れたとしても、霧雨魔理沙が妖怪へ変化することは許されていない。

 

「それが……幻想郷のルールだからよ……」

 

どこか遠い目をしたかと思うと、霊夢は自身が提唱したスペルカードではなく、殺傷を目的とした退魔道具を取り出す。

陰陽玉が体の周りを飛び回る。

霊夢は本物の札を取り出し、体の周りに展開させていく。

 

「魔理沙……貴女を退治するわ……」

 

濃密な殺気をまとわりつかせて、無表情な巫女は魔理沙を見る。

視線だけは魔理沙という「モノ」を見るように、しかし「魔理沙」という人物は見ていない。

そんな、無機質な視線を、魔理沙へ向けている。

 

突風が吹き、二人はお互いに武器を構える。

 

「私と……霊夢の仲じゃないか……」

 

悲しみを讃えるように、魔理沙は下唇を薄く噛み、涙を一筋こぼす。

 

「幻想郷のルールは、博麗の巫女が決めたこと」

 

静かにつぶやく霊夢の瞳は、何も写していない。

そして、禁断の箱の中身を、見まいとするように、目を閉じる霊夢。

 

「幻想郷の存続の為に、博麗の巫女は存在を許されている」

 

妖怪の為に作った世界で、妖怪を退治する存在など、本来は排他の対象となる。

人の存在を維持するためとか、そんな理由は付けられてはいるが、それは妖怪にとっての必要悪。

 

「幻想郷の人里から、人妖が生まれることは、許されない」

 

言葉がどんどん、平坦な声音に変わってくる。

 

「妖怪は人を襲い、取って食う。人は妖怪を退治する。いつの世も、それが変わらぬ人と妖怪の姿だった」

 

目を見開く頃には、霊夢の中に魔理沙に対する好意など欠片も残されていない。

 

「理を外れた妖怪は滅する」

 

さっと、札を体の前に構える。

どこから取り出したのか、いつの間にかお祓い棒を右手に持っている。

ざっと、一歩を踏み出し、それに合わせたかのように、大量の札と、陰陽玉から放出される霊力の塊が、魔理沙に襲いかかる。

 

 

----

 

魔理沙も、ただやられるだけではない。

右の頬を、霊夢の放った「針」が通過し、薄く血が流れている。

 

「っ……避けそこなったか…」

 

頬に深めの裂傷が走り、服もぼろぼろで、所々に傷になっている部分がある。

初手で、霊夢は魔理沙を殺しに来た。

そして、そのまま、何十分も争った。

博麗の巫女は、弾幕勝負以外でも、鬼のように強かった。

無表情で、魔理沙をひたすらに退治しようとしてくる巫女は、まるで鬼そのものであるかのように思えた。

 

 

----

 

命かながら、魔理沙はアリスの家に押し入った。

 

「魔理沙……!どうしたのよ!」

 

血まみれで倒れた魔理沙を見て、血相を変えたアリス・マーガトロイドは、ドアに鍵をし、魔理沙を隠すように家の中へ入れる。

魔理沙はそこいらの妖怪に負けるほど、弱くなどない。

魔理沙をここまで痛めつける誰かが居たことになる。

 

そして、魔理沙は気を失った。

 

コン、コン

ドアをノックする音が聞こえる。

 

「誰よ。今忙しいのよ」

 

アリスは、玄関に出て、来客の対応をする。

 

「私よ。霊夢よ……」

 

薄く声が聞こえたかと思うと、アリスはそのままドアを開けてしまう。

ぴくっと、気を失ったはずの魔理沙が動いた気がした。

 

「大変よ、霊夢。魔理沙が誰かにやられたn……っ」

 

言葉を失ったアリス。

その瞬間、アリスは己の失策を悟った。

手には血の付いたお祓い棒を持っていて、およそいつもの巫女ではなかった。

返り血で、白かった着物が所々に赤黒い染めとなっている。

 

誰が魔理沙をこのようにしたかなど、目の前の凄惨な巫女の姿を見れば明らかである。

 

「なん…で…」

 

いつもの無愛想な顔ではない、感情の乗らない、無機質な表情を浮かべている。

それは凛とした表情が、一層の恐怖を引き立てるような顔である。

 

美しい、楽園の巫女など、この場所には居なかった。

そうして、時が止まったかのように、アリスは霊夢の姿を、しばし呆然と見つめていた。

 

 

To be continue.

 

 

 




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= 後書き =
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この物語は、単発の短編です。
もし評価や感想で、続きをご期待頂くような書き込みを頂けるのなら、書いてみようかと思っている作品です。

この短編が、読者様の暇つぶしの一助になりましたら、作者としては幸いです。
また、これに似た作品、私の探し方が悪いのか、見つけられなかったです。
なので、もし誰かが書いたりしていたら、読んでみたいな……と思っています。

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