真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中) 作:ブラック・レイン
私は原作ではこの時、楽に勝てたんですよね。(アマラ深界で苦戦してレベルが上がっていて)
さて、この主人公はどうでしょう。
「零時か⁉」
「勇⁉」
感動の再開……とは言い難い。勇の背後には巨人のような悪魔がいるのだから。
勇は慌てた様子でオレ叫んだ。
「助けてくれっ!こんな所で時間をくってるヒマはねえんだ!祐子先生が……っ!!」
「勇!」
オレが警告の声を飛ばすが遅かった。勇の背後にいる悪魔が手に持つハンマーで勇を殴り飛ばした。
「ガハッ⁉」
肺から息を絞り出され、勇は柱に叩きつけられた。だが死んではないようだ。
巨人悪魔はそれを一瞥するとトドメを刺そうとしているのか勇の頭をつかもうとした。
「させるかよ!」
オレはワンステップで勇の下へ向かい巨人悪魔の腕を蹴り飛ばした。
「ッ!」
頭部全てをマスクで覆っているため、表情は窺えないが、驚きの声を漏らした巨人。
それは目出し穴からオレを睨み付けた
「見かけぬ悪魔だな?このマントラに足を踏み入れし者は全て我が裁きを受けてもらう。そいつを捕まえておけ!」
そういうとどこに潜んでいたのかぞろぞろと獣型の悪魔が現れ、オレを囲んだ。
「零時ッ!」
「人修羅!」
「待てッ!」
ストックにいる仲魔達が自分から出ようとするのをオレは内心で制した。
この数で勇を守りながら戦うなんて出来やしない。今はあの巨人が言った裁きとやらに身を任せた方が良い。少なくとも今、殺されるなんてことはないだろう。
オレは獣の悪魔達に捕縛され、連行されていった。
数時間後、
「おい!起きろ!いつまでも寝てるんじゃねぇ!」
「へいへい、起きますよ。ったく」
地下牢に閉じ込められたオレはしばしの休息とばかりに寝ていたが、カボチャ頭の悪魔に叩き起こされた。
「オマエはこれから裁判を受けるんだぞ?力による決闘裁判だ!潔白だと言い張るのなら、死ぬ気で相手をねじ伏せてみろ。
まあ、オマエには無理だろうなぁ……
ひゃははは……!」
言いたいことをキンキンとやかましい声で捲し立てるとカボチャの悪魔はランタンを揺らしながら去っていった。
しかしここは暑い。あちこちで松明をゴウゴウと燃やしているもんだから密閉空間となると暑くて仕方ない。
一度仲魔達を召喚して牢をぶち破ろうかと考えだが、勇のことが心配だし、マントラ軍の戦力が分からない。これは悪手ということで却下した。
地下牢にはオレの他にも囚人がいるようで、あちこちで出せだのなんだのと喚き声が聞こえた。
オレがため息をつくとさっきのカボチャ悪魔が現れ、牢をあけた。
「時間だ。とっとと出て、闘技場まで行きやがれ!」
そういうとカボチャ悪魔はビュンビュンと去っていった。
っと、ここで問題が発生した。
闘技場ってどこだよ。ってか案内しろよ。
毒づきながら歩くと、イケブクロで何度か倒した妖鬼 オニに出くわした。
オニはオレをみると怪訝な顔をした。
「何だオマエ。裁判を受けるのなら、さっさと反対側の扉に行けよ。
それともオレサマを買収して、裁判の裏情報を聞き出す気か?」
「え?」
そんなつもり毛頭なかったが、そうかその手があるじゃないか。
オレがそうだというとオニはギロリとオレを睨んだ。
「……オマエ!被告の分際で……!」
え?自分が買収云々言ってた癖に怒るの?
「……なかなか分かってるじゃねえか!」
「だあぁ⁉」
どうやら買収上等らしい。オレは思わずずっこけた。
「ホラ、誰かに見られる。さっさと200マッカよこせ。」
しかも思ったより安い!よっぽど貧乏生活が長いのか。
オレはなぜか浮かんだ哀れみの念をこめながらオニに200マッカ支払った。
オニは嬉しそうにそれを懐にしまうと威勢の良い声を響かせた。
「よし……じゃあ耳の穴カッポじってよく聞けよ。
いいか?オレたちマントラの流儀では、裁判はバトル3連戦で白黒つける。
で、その3連勝に勝てなきゃ有罪、……すなわち死刑だ」
良いのかそんな裁き方で……という思いは言葉にしない。本当に力至上主義のようだ。
「死刑はオマエの悪魔人生のゲームオーバーを意味する。せいぜい準備ぐらい整えとけよ」
「お気遣いどうも……ねぇお兄さん、ついでにその3連戦の相手と情報……教えてくれない?」
にやりと笑いながらオレはポケットを叩く。チャリチャリというマッカの音が響き、オニはングと喉を鳴らした。
「…なら、もう200マッカだ。こっちも命懸けなんだよ」
「よしよし。じゃあ、オマエが裁判で戦う相手の情報を教えてやろう。まずは……」
「シッ!」
オレはしゃべろうとしたオニに制止の態度をとった。誰かが近づく気配だしたのだ。
案の定、オレがこないことを怪しんだのかあのカボチャ悪魔が現れた。
「おい、何をしてるんだぁ?
またヨカラヌコトをしてるんじゃないかぁ?」
まさしく図星である。オニは冷や汗をかきながらブンブンと首をふった。
「な……何でもねぇよ!……そう!コイツが道を間違えたんだ。だから注意してたのさ!なぁ!」
「そうそう。案内もないからさぁ、無理もないよ~」
カボチャ悪魔は疑わしげにこちらを睨むが、証拠不十分だと判断したらしく、フンと鼻を鳴らした。
「へぇ……そうかい。そりゃあ親切なこったねぇ……」
そういってカボチャ悪魔はフワフワと去っていった。
それを見届けるとオニとオレはふぅと息を吐いた。
「……あぶねぇ、あぶねぇ。
アイツ、足音ねぇから気付かなかったぜ」
「その足が無いもんな…」
冷や汗を拭うとオニはよし、と言った。
「……よし、続きだ。対戦相手の情報だったな。
まず、初めの対戦相手は、炎で被告を焼きまくる悪魔だ。
炎といえば、アレに弱い。アレだよアレ、分かるだろう?」
「もちろん」
火炎系の攻撃を得てとするものは基本氷結攻撃に弱い。シラヌイのマガタマを飲み、自身を火炎無効にして、攻撃をアイスブレスを主軸にすれば押せるだろう。
「次の悪魔が、衝撃的な魔法を使うレディーだ。ルックスも中々の衝撃系だ。
……男の魅力で感電させるか?」
「なるほど」
魅力で感電させるなんて出来るわけがないが要するにその女の悪魔は電撃に弱いということだ。しかし電撃の技はオレにはない。これは仲魔に任せるしかないようだ。
「で、最後だ。最後は、マントラ軍No.2のあのお方だ。キツーイ雷落とされねえよう、せいぜい気をつけな。
ちなみに、弱点なんて無いぜ、あのお方には」
「ゲッ、電撃使いに弱点無しか……」
電撃使いとなると電撃に弱いアメノウズメが使えない。
また、オレの持っているマガタマに電撃耐性がつくものがないのだ。
どうしようかと思案しているとオニが去れとばかりに手を振った。
「……さあ、情報はこれで全部だ。
さっさと準備を済まして、反対側の扉に行け。……またアイツに怪しまれるだろう?」
「あぁ、そうだな」
そういうとオレは反対側の扉に向かい、マガタマをシラヌイに変えながら闘技場とやらに向かった。
少年移動中………
闘技場に入ると出入り口を閉められ、閉じ込められた。
すると闘技場に近くに控えていたオニがなにやら読み上げ始めた。
「これより、我らマントラの流儀にのっとり、決闘による裁判を開廷する!
……被告夜藤 零時は、ふてぶてしくイケブクロをうろつき、挙句に、我らの本営ビルに入り込んだ」
……不法侵入なのは認めるがそれで死刑というのもひどい話だ。口には出さないが。
「さらに、目撃者の証言によれば、ギンザの大地下道を通って来たとのことで、ニヒロのスパイの可能性もある……」
まぁ、それは分かるが詳しく調べもしないで死刑か。イライラしてきた。
「このイケブクロの街は、我らマントラ軍の縄張りだ!
我らの縄張りで、新参者がデカイ顔するだけでも、十分有罪に値する!」
オニがそういうと悪魔の召喚音が轟き、オレの目の前に二つの頭を持った魔獣の悪魔が現れた。
名前は………魔獣 オルトロス。
オルトロスはオレを見ると気に入らなさそうに唸った
「判決ヲ 下ス……
……オマエハ 死刑だ。死刑以外 アリエナイ。
オレノ 心ヲ満タス死ニ方ヲ 考エロ。準備ノ時間ヲ クレテヤル」
「準備の時間なんていらねぇからとっととかかってこい犬っころ」
オレがそういうとオルトロスは怒りに顔を染め、遠吠えをあげて襲いかかってきた。
しかし、まぁ、遅い。マタドールのほうが全然速いし怖かった。そもそも、こいつの態度が気に入らない。初っ端っから勝つ気でいるやつは……
「気に入らねぇんだよ!犬ッころがァ!」
「クオォン⁉」
飛びかかってきたオルトロスの顔と顔の間を前蹴りで足蹴にし、オルトロスを闘技場の端まで吹き飛ばした。
オレは間髪いれずに息を吸い込み、そしてその技を吐き出した。
“アイスブレス”
ゴォウという轟音とともにオレの口から猛烈な吹雪が放たれる。
「ガァアアア⁉」
オルトロスに直撃し、奴の体がみるみるうちに凍ってゆく。
だが、奴もイケブクロのオニのように雑魚というわけではないらしい。全身から炎を放ち、オレの冷気を一瞬防ぐとその一瞬で氷から逃れた。
オレは冷気の残滓を吐き出しながら手に生命力で作ったナイフを何本か作り、あちこちに動きながら投げた。
魔獣は地上での機動力が長所だが、動ける範囲に制限がある闘技場では派手に動けない。おまけに奴は体がデカイ。
一方、こっちは体格に恵まれない分、密閉空間でも機動力はそんなに落ちない。
オレの投げるナイフは面白いように当たった。
「ガァアアア!人間悪魔ゴトキガァ!」
「口ばっか達者なのも気に入らないねぇ!」
奴が動き回るオレに“ファイアブレス”を放つが火炎無効のオレには無意味だ。逆に“アイスブレス”で反撃してやった。
今度こそ凍りついたオルトロスにオレは残虐な笑みをうかべながら生命力で作った剣を出した。
「あばよ。ワンちゃん」
オレはそういうと容赦なく凍りついたオルトロスの首を切り落とし、バラけた首を容赦なく踏み砕いた。
二回戦め、衝撃魔法を得てとする女悪魔とやらが出てきた。
鬼女 ヤクシニーというらしいこの悪魔はにたりとオレに笑うと両手に持った二本の刃を擦り合わせた。
「オルトロスに勝てた程度じゃ、あんたに降った判決は覆らないわ。
あんたは死刑なの……ああ早く切り刻みたい!
でも、準備の時間はあげる。それがルールだからね。せいぜい、あがいてちょうだいね」
「言ってろ」
オレは闘技場の端に行き、マガタマを付け替えた。シラヌイだと衝撃に弱くなってしまうからだ。
選んだマガタマはヒフミ。これで衝撃はオレには効かない。
次いで失った生命力を魔石で回復させ、オレはストックのハイピクシーに話しかけた。
「なに?零時」
「あぁ。やってほしいことがある」
オレはハイピクシーにやってほしいことをいうと、ヤクシニーに向き合った。
「では、よろしいかしら?」
「あぁ、どこからでもどうぞ」
「それじゃ、遠慮なく……ヤァア!」
オレがそういうとヤクシニーは嬉々としてオレに斬りかかる。しかしまぁ、こいつも遅いったらなんの。二本の剣を持っている割には攻撃は読めるし、単純だし。あぁ、もう【見飽きた】
オレはヤクシニーの持つ剣と同じ形の剣を生成し、ヤクシニーに斬りかかった。
「あっつ……⁉」
ヤクシニーは体を後ろに反らしてかわすが、頬に擦った。血がそこから流れ出す。
オレは猛攻を放った。上下左右から剣を振るう。
「オラ、避けてみせろよ。エェ?お前の動きだぞ、この剣技は!」
「このッ……!嘗めないでちょうだい!」
“ザンダイン”
ヤクシニーが二本の剣を打ち付け、単体衝撃魔法の最上位を放つが、今のオレに衝撃は効かない。
オレは左手に持つ剣を生命力に還元して、剣を一本にするとそれを突きだした。
地下道で戦った、オレを恐ろしいと評価した闘牛士を思い浮かべながら。
「“血のアンダルシア”!」
「あぁぁぁぁぁッ!!」
体のあちこちに傷をつけながらヤクシニーはなんとか突きの嵐から抜け出す。
そして荒い息をしながらオレを睨み付ける。
「ムカつく……あぁ……ムカつく!」
オレはその姿を嘲笑した。
「ムカつくのは良いけどさぁ。一つ忠告しておくぜ?戦いのとき、一つのことに集中してるとやられるぞ」
オレがそういうと、雷の音が二度と轟いた。
一つはハイピクシーを召喚した音。もう一つはハイピクシーが電撃魔法を放った音だった。
「え……?」
下級の“ジオ”とはいえ弱点属性を突かれたヤクシニーは目を見開き、驚愕の声をあげる。
オレはそれに構わず、ヤクシニーの懐に飛びこみ、剣でヤクシニーの首を飛ばした。
首を失ったヤクシニーの体はビクンと震えると、血を噴き出し、ばたりと倒れた。
一応マガツヒが抜けきるまで警戒する。悪魔の生命力は伊達ではない。体のみで襲いかかるなんて芸当もやってくる可能性があるのだ。
そしてヤクシニーの体が全てマガツヒになるのを見て、安心してオレとハイピクシーはマガツヒを喰らいはじめた
さて、残りはマントラのNo.2さんのみだ。
すみません、中途半端に終わってしまいました。
次回、決闘裁判、決着です。
感想、お待ちしています。