真・女神転生3 Beginning King of the chaos (休載中)   作:ブラック・レイン

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現実世界編、二話目です。


代々木公園の噂

「はぁ……はぁ……!」

 

電車を降り、地下鉄から抜けてしばらくした後の事。体格から分かる通りの体力の低さでオレは走りまくってバテていた。

 

走ることを要求されたわけでもないが、それでも待ち合わせの約束をした身分。遅れると後で何言われるか分かったもんじゃない。

 

しかし………オレは先程から聞く噂が先程から気になった。

 

始まりは駅員の言葉だ。何故かオレに話しかけきた駅員の話によると、数日前に待ち合わせ場所である代々木公園で暴動事件があったらしく、何人か死んでいる騒ぎにまで発展しているらしく、ニュースにもなっているらしい。

 

ニュースなんざ見なくても良いさと思っているオレにとっては初耳であった。

 

街を走っているとその暴動の話が何度も耳に入る。事件現場を待ち合わせに使ってしまっているオレにとっては不安要素にしかならなかった。

 

おまけに待ち合わせ場所の代々木公園は立ち入り禁止になっていると聞いているし。

 

それに加えてとある噂も聞く。

 

なんでもその暴動のあった夜に悪魔が現れ、人を殺したとかなんとか。

 

噂の粋を出ない、眉唾物の話だろうと断じればそれでオシマイなのだが、なぜだろうか?妙に胸がざわつく。

 

まぁ今はとにもかくにも代々木公園に向かおう。もしかしたらその周辺にいるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年移動中………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……着いた~!」

 

代々木公園に到着。オレは汗びっしょりになっていた。

 

さて、あの二人はいるだろうか?辺りを見渡すといたのは勇でも千晶でもなく、オッサンがいた。しかもなんか怪しい雰囲気を醸し出している。不審者だろうか?

 

幸い、こちらには気づいていない。去るのが吉だろうか?

 

そう思案すると男が愚痴る声が聞こえた。

 

「チッ……公園をまるごと封鎖とはな。

現場写真の1枚も撮らせん気か。チッ……公園をまるごと封鎖とはな……」

 

会話の内容を聞くに記者だろうか?それともそういった猟奇殺人現場を見るのが趣味の人間か?

 

男の素性を予想していると男がオレに気づいた。

 

「?……俺に何か用……大丈夫かお前?顔真っ青で汗びょしょりだぞ?」

 

「これは素だ!汗まみれなのは走ってきたから!それを除けば元気いっぱいだっつの‼」

 

またこれだ!就任してきた新しい先生にもそう言われた‼

 

「そ、そうか。それで何の用だ?」

 

男は未だに不安そうな顔でオレに尋ねた。

 

何か用か、と言われればない、が、どうやらこの男は暴動の事を調べているようだ。

 

もしかしたらこの代々木公園の暴動のことを知っているかもしれない。

 

この時オレはこの暴動に興味を持ち始めていた。

 

なぜなら、ここから見えるだけでも血痕がちらほら見えるからだ。

 

ただの暴動にしては凄惨すぎる。これではちょっとした戦闘があったといわれた方が違和感がない。

 

とりあえず、男に問うことにした。

 

「いったいここで何があったんだ?」

 

そういうと男はフムと頷き、言葉を紡ぎ出すような話始めた。

 

「テレビじゃ、こう言ってるなぁ。

『企業と市民団体の衝突で死者の出る騒動に』……」

 

確かに渋谷にあった巨大スクリーンでキャスターが暴動について言っていたことをかいつまんで言えばそんな感じだった。

 

だが男の口振りから読み取るにそれだけではないようだ。俄然興味が湧いてきた。

 

「………………でも、裏の世界じゃこう言われてるよ。

『姿を変えた、闇の勢力同士の争い』とな」

 

へぇ……。内心でそう感嘆した。

 

どうやらワケありらしい男にもっと深く聞いてみたかった、が邪魔が入った。

 

ピピピ……

 

電話の音が静かすぎる公園に響く。

 

一瞬、男の携帯が鳴っているのかと思ったが男はオレの方を見る。

 

「ん?鳴っているのお前のじゃないか?」

 

携帯を取り出すと男の言った通り、鳴っているのはオレの携帯だった。

 

番号を見ると見慣れた千晶の番号だった。

 

「……もしもし、零時くんわたしよ。

やっと連絡がついたわ。何やってたのよ、もう。」

 

開口一番、飛んできたのはクラスの女王様。千晶のあきれ声だった

 

「勇くんならともかく、君が遅れるなんて、何かあったの?……今どこ?」

 

「アァ?代々木公園だよ。って、そういうお前らはどこ行ってんのさ?代々木公園の待ち合わせじゃなかったっけ?」

 

若干イラついて声で問い返すとため息をつく気配がした。

 

「あのねあんまり遅いから勇くんと病院に来ちゃった。もう着くとこ。悪いけど、直接病院へ来てね」

 

「はぁ⁉行っちまった⁉ふざけんなよこちとら走って代々木公園に行ったっつうのに!」

 

「遅れてるあなたが悪いんでしょ。あ、場所わかる?新宿衛生病院。

新宿駅から東へ歩けば、見えてくると思うから」

 

「行き先の場所調べないほどそこまでバカじゃねぇよ、心外ですな!」

 

「なによ、せっかくこの私が親切に教えてあげようとしているのに」

 

若干ふざけて反論すると千晶がムスッとした声で返してくる。

 

「……まあ、いいわ。わたし、先生と進路について話したいと思ってるし、先にやってる」

 

「進路相談すんの?せっかくの休みなのにお嬢様は真面目だねぇ……」

 

「…何よ?わたしは未来の負け組と違って、考えることは考えてるの。ホントは君とか勇くんこそしっかりやらなくちゃダメなのよ。…とにかく、あんまり遅くならないうちに来てね。それじゃ」

 

「へいへい、それじゃまた後で」

 

そういうとオレは電話を切った。

 

やれやれお嬢様は本当にうるさい奴だな……まぁ、遅れたオレも悪い。さっさと病院に行くとしますか。

 

そう思って踵を返そうと思ったとき、今度は男の方から話かけられた。

 

「ちょっと待て。おまえ……新宿衛生病院へ行くのか?」

 

「あ?そうだが……」

 

うわっ、こいつ人の会話聞いていたのかよ悪趣味な奴だな。

 

心の中で若干退いているオレを他所に男はふぅむと唸った。

 

「……次の行く先も一緒とはねぇ。これも何かの縁か」

 

男は一人でそう完結すると懐から何かを取り出し、オレに差し出した。受け取ってよく見てみるとそれは表紙に月刊アヤカシと書かれた雑誌だった。その名前に聞き覚えはないが。

 

「これをやるよ。まだ発売前なんだけどな」

 

良いのか発売前のモノを勝手に譲って。

 

そう心の中でツッコミをいれてるとしかめっ面を疑問していると勘違いしたのか男が説明し始めた。

 

「おまえ、ここであった事を知らないんだろ。なら、これから行く病院がどういう場所かって事も知るまい。

ヒジリ記者の【特集・ガイア教とミロク教典】読んでおいて損はないぜ?

 

オカルトの出る幕じゃないと思うかも知れんが……

どっこい、あそこはそういう場所なのさ」

 

その時、きっとオレはさぞ間抜けな顔をしているのだろう。しかしこの男……ヒジリ記者と言ったか……の言葉はバカでも不安を掻き立てる。

 

つまり、この暴動と病院は繋がりがある。そうとしか取れない言葉をこの男は言ったのだ。

 

だが同時に疑問も湧く。なぜ聞いたとこオカルト記者のようだがオカルト記者がなぜこんな事を言う?暴動を調べる?

 

まさかオカルト絡みと言うのだろうか?この暴動が?小説に出てくるようなわるい魔法使いとか悪魔とかが病院を根城にし、人々を狂わせて暴動を起こさせた、とか?

 

バカバカしいと一笑したかったがふとここまでに来るときに聞いた噂を思い出す。

 

『暴動の起こった夜、悪魔が現れ、人を殺した』

 

まさか………いや、まさか…

 

背に冷えた物が走るが、頭を降ってその考えを打ち消す。

 

それに合わせるようヒジリ氏もニヤッと笑う。

 

「……なんてな

 

この世界じゃガセネタもよくあることだ。違ってたら、笑って許せや。

それじゃあな。また会う事があったら、記事の感想でも聞かせてくれや」

 

「あぁ、分かった」

 

元より元気のない声でオレはそういうと代々木公園出て、再び走り出した。

 

心に、一抹の不安と拭いきれない嫌な予感を持ちながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

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